3-4x10月

この始まり方と終わり方すきです。

のちに『リング』や『呪怨』など､ジャパニーズホラーにも出演する柳憂怜さん。

たけしさんの先見性により､主役に抜擢され､ここから役者にシフトチェンジしていったそうです。

『アウトレイジ』にも出てないな…と思ってた､小沢仁志さんも出てます。

評価は､3.5と4の間。

思ってたより面白かった。

オープニングは、
・主人公の顔が薄っすら浮かび上がる。
・画面が少し引き、背後の明かりが差し込む窓が映る
・主人公が立ち上がり、ズボンを穿き外へ
・外からの簡易トイレの映像に変わり、主人公が出てくる
・野球をしている仲間のもとへ主人公がトボトボと歩いていく。

エンディングも、ほぼ同じで、
ただ違うのは
・野球している仲間のもとへちょっと駆けていく。
という点だけ。

これをループじゃないか？主人公の妄想ではないか？という考察もあるけど、
私的には、これは映画館の暗喩だと勝手に思い込んでいます笑

主人公の顔が浮かび上がるのはスクリーンの明かりの反射を、後ろの窓は映写室をそれぞれ喩えているのだと思えてしまうのです。

そして、本編は冴えない主人公が、女の子に声をかけデートしたり、ヤクザに喧嘩うったり、果てはその女の子とヤクザの事務所へトラックで突っ込み無理心中をするといった思い切った行動をとります。

このオープニング、本編、エンディングは
映画館で映画を見ることの暗喩をしていて
エンディングがオープニングと違い主人公が少し駆けて野球に行くという様子から
北野監督は

「映画を観ても人生なんて変わりはしねぇ。ちょとそこまで駆けたくなるぐらいで充分だ。」

という粋なメッセージを残しているのではないかと…

タカの兄弟分が大友で、「アウトレイジ」のたけしも大友なのはわざとなのかなーって思った。あと、高橋って名前のヤクザ「ソナチネ」にもいた。これは関係ないかもしれないけど、トヨエツと「アウトレイジ」の加瀬亮のキャラが似てる感じがした。

何回見ても、新しく気づくこととか考えることとかあるのはやっぱりすごいなーって思う。

柳憂怜の妄想でのできごとなんだけど、それにしては、たけしのエピソードだけまじで柳憂怜自身に関係ないよなーって思ってたけど、この映画は、柳憂怜の妄想（夢想）とたけしの妄想（夢想）が入り乱れているつくりなのかなーってふと思って、それだと納得いく気がした。

柳憂怜のエピソードが妄想なのは最初と最後のシーンで表してて、たけしのエピソードも妄想だと感じたのは、途中、フラッシュバックみたいになるシーンとか、ダンカンが歌ってる時に同じシーン繰り返すとか、そういうシーンをなんで入れたのかなーって考えてて、たけしのエピソードは、それはそれでたけしの妄想なんじゃないかって考えが浮かんだ。

だとしたら、なんでたけしがこの役を演じてるのかの理由にもなるし。

緊急事態宣言が出ているGWに、マジメに自宅鑑賞。
野球、言葉、ガソリンスタンド、暴力、夏、ベンガル、奇人、パチンコ、沖縄、野糞、上品ヤクザ、性癖、飲み屋、女、砂浜、拳銃。
とにかく雰囲気がある。
この先の作品に繋がる要素が散りばめられていた。
北野映画って、なんか観たくなるんだよな。