第24回上海国際映画祭開幕!「嵐」ライブフィルム、「るろ剣」「閃光のハサウェイ」チケット争奪戦で価格高騰
2021年6月11日 14:00
中国国内で唯一の国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認長編映画祭「第24回上海国際映画祭」が、本日6月11日~20日に中国の上海で開催。今回の主要ラインナップに加えて、現地の反響をまとめて紹介する。
新型コロナウイルスを巡る状況が落ち着いたことで、予定通りの6月中旬の開催となった「第24回上海国際映画祭」。だが、コロナ対策によって海外から中国への入国が一部規制されているため、昨年度と同様、海外ゲストを招かないという方針となった。ただし、オープニングセレモニーなどのイベントは、中国の映画人を中心に行われる予定だ。
オープニング作品として上映されるのは“中国共産党100周年”を記念した映画「1921(原題)」。中国共産党成立前後の物語を中心に描き、100周年記念日の7月1日に中国公開を予定。日本からは、池松壮亮が出演している。
日本映画は例年以上の盛況ぶりで、全部門で70作品が上映されることに。コンペティションの長編劇映画部門への入選作がなかったが、短編劇映画部門には「リトルサーカス」(逢坂芳郎監督)が選ばれている。
目玉作品となったのは、人気アイドルグループ「嵐」の20周年記念ツアーを体感できる初のライブフィルム「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM "Record of Memories”」。上海国際映画祭史上初となるGala部門&Dolby Vision部門の“両部門同時出品”となった。6月5日にチケットが販売されると、秒単位で完売。チケットの転売サイトでは、1枚3500元(約6万円)という販売価格に達していた。
ムービーフランチャイズ部門では、日本でも公開中の「るろうに剣心 最終章 The Final」「るろうに剣心 最終章 The Beginning」を含めた「るろうに剣心」シリーズ全5作を上映。同部門では、これまでハリウッド大作のみ上映されていたため、「るろうに剣心」シリーズが日本実写映画として初の快挙を果たした形に。また、ムービーフランチャイズ部門では「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を含めた「ガンダム」シリーズ(映画版)が全8本公開される予定だ。「るろうに剣心 最終章 The Final」「るろうに剣心 最終章 The Beginning」「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」は特に注目度が高く、チケットの転売額が既に1800元(約3万1000円)を突破していた。
東映創立70周年を記念した企画部門「SIFF SPECIALS:TOEI 70TH RETROSPECTIVE」では、4Kリマスター版「鬼龍院花子の生涯」(五社英雄監督)、「新幹線大爆破」(佐藤純彌監督)を含めた8本。「SIFF CLASSICS:4K RESTORATION」では「戦場のメリークリスマス」(大島渚監督)、の「ガメラ 大怪獣空中決戦」(金子修介監督)、「無法松の一生(1943)」(稲垣浩監督)を4Kデジタルリマスター版で上映する。
「SIFF HIGHLIGHS」部門では、「アジアの天使」(石井裕也監督)、「由宇子の天秤」(春本雄二郎監督)などを日本公開に先駆けて披露。著名監督の新作、国際映画祭での受賞作、話題作が集う同部門には、第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した「スパイの妻 劇場版」(黒沢清監督)、「アンダードッグ」(武正晴監督)、「すばらしき世界」(西川美和監督)、「海辺の彼女たち」(藤元明緒監督)も選出されている。
映画ファンのなかでも最も人気の高い部門「TRIBUTE TO MASTERS」では、作曲家、映画音楽家エンニオ・モリコーネ(10作品)をはじめ、フランスの名匠クリス・マルケル(8作品)、ハンガリーの巨匠ヤンチョー・ミクローシュ(6作品)、中国の名優Sun Daolin(6作品)、篠田正浩監督(「心中天網島」「はなれ瞽女おりん」など6作品)を特集。
篠田監督は、今回の特集上映に対して「90歳を迎えた私に、上海国際映画祭で私の映画が上映されるという連絡がありました。90年の人生の終焉で、大変嬉しい知らせでした。中国の映画人たちが私を思い出してくださったことに、心から感謝申し上げます。私の映画が、新しい観客と出会えることをとても嬉しく思います。上海国際映画祭の成功を祈っています」とコメントを寄せている。
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