戦場のメリークリスマス 劇場公開日:2021年4月16日
解説 大島渚監督が、第2次世界大戦中のジャワの日本軍捕虜収容所を舞台に、極限状況に置かれた人間たちの相克を描いた異色のヒューマンドラマ。日本軍のエリート士官ヨノイと連合軍捕虜セリアズ少佐の愛情めいた関係を中心に、日本軍人と西洋人捕虜との関係が興味深く描かれる。デビッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしといった国内外の異色スターたちが共演。坂本の音楽も高い評価を獲得し、テーマ曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」は誰もが知る名曲となった。2021年4月、デジタル素材に修復した「4K修復版」でリバイバル公開。
1983年製作/123分/日本・イギリス・ニュージーランド合作 原題:Merry Christmas Mr. Lawrence 配給:アンプラグド 日本初公開:1983年5月28日
スタッフ・キャスト 全てのスタッフ・キャストを見る
数十年ぶりの鑑賞ということもあり、以前とだいぶ印象が違って見えた。例えば、坂本龍一が法廷でボウイを見てビビッと感じる時の思い。かつての私は、それは同性愛的な何かだろうと解釈していたが、今見ると、そんな次元すらも遥かに凌ぐ、非常に複雑で混乱した啓示だったように思えた。対するボウイはかつて弟に下した仕打ちが十字架のようにのしかかっている。彼もまた償う場所を求めさまよう旅人。収容所という場所でこれらの異質な思いが大きく渦を巻き、さらに狂気と無邪気さを持つビートたけしの存在が絶妙にハマる。演技が本業でない彼らだからこそ、素の境地をこれほど直感的、肉感的に表現できたのだろう。ちなみにローレンス役のトム・コンティは「ダークナイト・ライジング」にも出演。「戦場の」がノーランのお気に入りであることを考えると、同じ”牢獄でカリスマ性を持つ主人公と語らう者”としての起用には何らかの意図があったのかもしれない。
2023年1月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
まずメイン4人のキャラクターが最高だし関係性も最高でずっとこの4人のこと考えてしまう。 ヨノイはセリアズに期待してたんだろうな、何かわからないけど何かを変えてくれるのではと。その期待がどんどん愛憎に変わっていって、それでもどうしても惹かれてしまって、この狂った戦争も思考も自分自身も全てをぶち壊して欲しかったんだろうな。 でも、セリアズもそんな強い人間じゃなくて… ハラとロレンスの切ない友情も良かった。ハラも矛盾だらけのロレンスへの接し方がずっとやるせなくて、酔っ払ったクリスマスはグッとくるのとともに酔っ払わないといけない切なさに苦しくなりました。 自分でもびっくりするくらいハマってしまって…きっとこれから何度も見返します。最高でした。
外されている、常に外されているという鑑賞。 俯瞰的な観点がない。支離滅裂と言えばそうだが、どちらかといえば、主観的な部分というかある特定のことが、ものすごくクローズアップされて、それが連なっているという印象。本人たちはわかっていることが省略されて進んでいるので、事態は進展しているように見えるが、一方のこちらは何が何だか外されている気分。
2023年1月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
新宿武蔵野館にて4K修復版を鑑賞。日本で映画館で上映されるのは版権の問題で最後のチャンスとかそうでないとか。 昔から何度か鑑賞したけれど、映画館では初めて。戦争という異常な状況の中での狂気や剥き出しの人間性や愛みたいなことことが、胸に突き刺さる。 大島渚監督作品について私が意見できることなど何もない。傑作をぜひスクリーンで。