サスペリア

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サスペリア
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解説

映画史に名を刻むダリオ・アルジェントの傑作ホラーを、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が大胆にアレンジし、オリジナル版とは異なる視点から新たに描いた。1977年、ベルリンの世界的舞踊団「マルコス・ダンス・カンパニー」に入団するため、米ボストンからやってきたスージー・バニヨンは、オーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大きな役を得る。しかし、マダム直々のレッスンを受ける彼女の周囲では不可解な出来事が続発し、ダンサーたちが次々と謎の失踪を遂げていく。一方、患者だった若きダンサーが姿をくらまし、その行方を捜していた心理療法士のクレンペラー博士が、舞踊団の闇に近づいていくが……。「フィフティ・シェイズ」シリーズのダコタ・ジョンソンほか、ティルダ・スウィントン、クロエ・グレース・モレッツら豪華女優陣が共演。イギリスの世界的ロックバンド「レディオヘッド」のトム・ヨークが映画音楽を初めて担当した。撮影はグァダニーノ監督の前作「君の名前で僕を呼んで」に続き、「ブンミおじさんの森」などで知られるタイ出身のサヨムプー・ムックディープロム。

2018年製作/152分/R15+/イタリア・アメリカ合作
原題:Suspiria
配給:ギャガ

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第75回 ベネチア国際映画祭(2018年)

出品

コンペティション部門 出品作品 ルカ・グァダニーノ
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映画レビュー

3.5奇想のオリジナルとは別種の奇想

村山章さん
2019年5月31日
PCから投稿

笑える

怖い

興奮

閉ざされた学校を舞台にシュールかつ筋の通らない恐怖シーンのオンパレードで、ゴブリンの異様な音楽と原色の映像美によって「なんだかすごいものを見ている!」という興奮状態に陥れられるオリジナルの怪作っぷりとは趣向を変えて、外の世界(社会)と関連する裏設定をわんさか放り込みつつ、シュールであることは変わらないというアプローチは、本作なりのオリジナルへのリスペクトなのだと思う。

ただ、前衛舞踊を取り入れたことでビジュアル的に強烈なインパクトを与えようとした意図は感じつつ、悪魔崇拝や悪霊憑きというよりも単に「スゴい前衛舞踊パフォーマンス」だと思ってしまった。シーン単体としては非常に面白いが、世界観を広げるにはちょっとパフォーマンスに頼り過ぎという気もする。

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村山章

3.5安易なリメイクが氾濫する現状への警告か?

2019年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

ダリオ・アルジェントの「サスペリア」は強烈な色彩と全編を通して繰り返されるエレクトリカル・サウンドに翻弄される体験だった。いったい何が怖いのか分からないのに、視覚と聴覚だけは常に刺激されているような。しかし、同じイタリア人であるルカ・グァダニーノは、先人がチョイスした色彩の度合いをあえて抑え、物語の舞台に準じたジャーマン・ロックの周波数が低いサウンドをバックで流しながら、ある意味、明確な恐怖の実体に向けて演出の舵を切る。でも、これを単に恐怖映画と呼ぶのには抵抗がある。何しろ、本作でグァダニーノは、アルジェント版には登場しなかった、前衛バレエ、それに伴う肉体表現、ナチスの影を引きずる登場人物、露出度の高い舞台衣装、等々、ディテールや構成要素にこだわることで、かつて見たこともないほどえぐく、ムーティで、カタルシスに溢れる映画的世界へと観客を誘ってくれるのだ。多くのレビューが指摘しているのように、そんな大胆な改ざんにこそ、アルジェントに対するグァダニーノのリスペクトと、オリジナルを単純になぞることへと強い抵抗を感じる。彼の勇気ある選択は、安易なリメイクが氾濫する現状への警告ともとれるのだ。

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清藤秀人

4.0果てなき迷宮に翻弄される愉楽

2019年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

オリジナルの舞台は、血をイメージさせる鮮烈な赤の内装の建物だったが、今作ではそれが再現されず、古風ではあるが平凡なインテリアだったのが残念。その代わりか、終盤の群舞での紐ビキニ風衣装に血の赤が引き継がれている。

ダコタ・ジョンソンにはあまり魅力を感じないが、本作でのダンスは力強く、良いパフォーマンスだった。クロエ・グレース・モレッツの起用法はもったいない。「キック・アス」で動けるのは実証済みなのだから、彼女にもダンスの見せ場を作ってあげたらよかったのに。ティルダ・スウィントンはさすがの存在感。振り付けの演技も説得力があり、超然とした佇まいから放たれるカリスマ性が闇の力の強大さを感じさせる。

終盤の修羅場は見事の一言。全体としては迷宮に入り込んでいく面白さもあるが、話を少々複雑にし過ぎたか。

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高森 郁哉

3.0難解そうで少しも難解じゃない直球の王道

ipxqiさん
2021年8月18日
iPhoneアプリから投稿

目の前の日常生活が崩壊していく恐怖をホラー映画でバグらせ太郎!

ネタ(オチ)はともかく、その手前までは楽しめた。
サスペリアの2は夢に出るほど好きなサイコホラーですが、スタイリッシュな怪奇ものの1は普通。
さらにリメイク版である本作は舞踊団、惨劇、隠し部屋といったお題だけ借りたさらに別物。

こういう意味深で思わせぶりな引っ張り方だと、どうしてもネタを明かした瞬間に気まずくなるのは仕方ない。そこを画面のパワーで補ってくるクライマックス。
細かいとこはわかんないけど、設定的に進撃の巨人(北欧神話)を想起させる。

博士に関しては、ラストでいちおう最低限の説明はしてくれる。台無しでは?と思わないでもないけど。

「母が見た末っ子の罪」is何、は明示されないので結局よくわからず。まぁ性的な事柄なんだろうか。
どのみちリングのホラービデオみたく明かしたところで誰も得しない、野暮ってやつかな。
でも主人公にとって怪物になったのは母のせい、逆に母からすれば彼女が恐ろしい異物に見えたから罰した、そのドラマこそが結構重要な部分だと思う。
それが明確に言及されないのでということは主人公の「本性」もぼんやりして判断を留保されたまま終わる。観た人がどちらに受け取るかに委ねたい、ということなら何も言うことはありません。

マザーとマダムも母娘ってことなりそう。スージーとマダムでオカルト版の「キャロル」みたいな訳には行かないのね。。

とはいえオチに至るまでの過程は楽しめたし、ロケーションとか映像はいいので、これなら劇場に行ってもよかったなと思う。
ただ膀胱の限界に挑戦してくる150分超え。。その割には、音と映像を重ねて前後のシーンのつながりを伝えていくとか、寮の似たような室内でも誰なのかわかるように前もって衣装を強調しておくとか映像的な配慮は行き届いている。
なので一見難解そうに見えても、わかりにくいとか場面の意図がわからなくて混乱するとかはない。偏差値は高い。

でも結局のところ男性的なストーリーの型に収まっていたように見える。偽りの父と別れ、真実の父に巡り合って一人前になる話、と変換するとたちまちハリウッドの王道パターン。
それ自体が悪いわけじゃないけど(むしろ好き)、問題は「男に向けた男の話」を女の身体(めちゃくちゃ脱いでる)を利用して語ってるという構図。
女の値打ちはあくまでその表象にあり、中身は興味ないってそれ古典的ミソジニー仕草。。

一見つよつよな女たちの話に見せかけて、根底には女が怖い、女の肉体(母性)に飲み込まれることが怖い…と。あっハイ🤭

「転移」は本作の重要なテーマですが、実はその範囲は作り手から始まっていた!という壮大なオチ。
そのため母娘のストーリーでありながら、むしろ男性に刺さりそう。いっぽう女の心にはあまり刺さらなそう。

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ipxqi
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