海辺の彼女たち

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海辺の彼女たち

解説

日本・ミャンマー合作による初長編作「僕の帰る場所」が第30回東京国際映画祭「アジアの未来」部門グランプリを受賞するなど、国内外で高い評価を受けた藤元明緒監督の長編第2作。日本とミャンマー両国で引き裂かれる在日ミャンマー人家族の実話を映画化した前作に続き、今作でも在日アジア人の実態をテーマに取り上げ、外国人技能実習生として来日した若い女性たちの置かれた現実を描いた。技能実習生として日本へやってきたものの、不当な扱いを受けた職場を逃げ出した3人のベトナム人女性たち。違法な存在となった彼女たちはブローカーを頼りに新たな職を求め、雪の降る北の港町にたどり着くが……。藤元監督がインターネットを通じて知り合った外国人技能実習生の女性が、過酷な労働の日々の末に行方知れずになったことから、彼女と同様の境遇にある女性たちを取材し、オリジナルの脚本を書き上げた。

2020年製作/88分/G/日本・ベトナム合作
配給:E.x.N

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
脚本
藤元明緒
プロデューサー
渡邉一孝
共同プロデューサー
ジョシュ・レビィ
ヌエン・ル・ハン
アソシエイトプロデューサー
キタガワユウキ
撮影監督
岸建太朗
音響
弥栄裕樹
録音
keefar
フォーカス
小菅雄貴
編集
藤元明緒
助監督・制作
島田雄史
演出補
香月綾
DIT
田中健太
カラリスト
星子駿光
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(C)2020 E.x.N K.K. / ever rolling films

映画レビュー

3.5進むのか、留まるのか。映画が問いかけること。

2022年3月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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高橋直樹

3.5寄る辺のない国で身を寄せ合う女性たちの小宇宙

村山章さん
2021年12月19日
PCから投稿

日本での外国人就労問題を扱っているというだけでなく、『17歳の瞳に映る世界』に通じるテーマ性も持った青春映画になっていた。
ベトナム人キャストの佇まいが素晴らしく、みずみずしさと真摯さを感じさせてくれる作品になっていると思う一方で、ドキュメンタリータッチの手持ち長回しの撮影が余計な作為を目立たせてしまうと感じた。
ナチュラル風に撮ることと、ナチュラルに見えることは違う。もしかすると監督はその差異を出したかっただろうか。しかしその差異がプラスの要素だという気はしない。
とはいえ、なるべくカメラが3人の女性に寄って、周りの人たちは最小限にしか映さないというコンセプトは、寄る辺のない国にいる彼女たちの小宇宙のようでとても良かった。あとは長回しへの信頼やセンスの違いなのかも知れない。

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村山章

5.0日本の新しい現実を見つめる作品

2021年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

技能実習生制度にかんする報道は多くなされ、その人権侵害的な実態が多く知られるところとなっている。だが、なかなか、この問題に対する関心が高まらない。日本人は仲間に優しく、そうでない者に冷たい傾向がある。この映画に描かれた3人のベトナム人女性は、多くの日本人にとってまだ仲間ではないということなんだろう。
だからこそ、この映画は大変に価値がある。すでに彼女たちのような存在なくしては仕事が回らない場所が日本にはある。なんとか、日本にとどまり、故郷の家族に報いたいと過酷な生活を頑張る人たちがいる。異国で働くというのはとても大変なことだ。当たり前の権利が当たり前でなくなる、例えば、この映画にも出てくるように病院にかかるのも一苦労なのだ。1人のベトナム人女性の妊娠がプロットの中心を占めるのだが、心電図を見た彼女が漏らす「小さい」の一言に心が動かされる。
すでに、日本は多くの移民が流入する国だ。彼女たちもこの国の一員なのだと認めねば、社会を前に進めていくことはできない。この映画は、日本の新しい現実を見つめている。

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杉本穂高

4.5日本で暮らす外国人の生きづらさを伝える藤元明緒監督の第2作。バトンをつなげるのは観客一人一人

2021年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

前作「僕の帰る場所」と同様、藤元明緒監督の長編第2作も日本で暮らす外国人の生きづらさを描いている。本作製作の発端は、藤元監督がミャンマー人の妻と一緒に運営していたFacebookページを通じて、ミャンマー人技能実習生の女性からSOSのメッセージを受け取ったこと。実習先で不当に扱われ逃げたいと書いてきた女性とのやり取りや、自身の妻が日本で体験した差別や不安、そして近年は技能実習生の半数を占めるというベトナム人が多く失踪している現状などに基づいて脚本を書いたという。

フォン、アン、ニューの3人はベトナムから来た技能実習生。3カ月働いた職場では土日も休みなく1日15時間働きづめだが残業代も支払われず、ある夜逃げ出して青森の港町にたどり着く。そこでブローカーから漁港での仕事と寝床を世話してもらう。故郷の家族に仕送りをするため新たな環境で懸命に働く3人だったが、やがてフォンが体調を崩してしまう。

藤元監督は冒頭、技能実習生が劣悪な条件で過酷な労働を強いられ、失踪~不法就労という苦渋の選択をするまでを前提として示す。外国人受け入れをめぐる問題への視野を広げてくれる序盤だが、映画の主眼はそこではない。家族から遠く離れた異国で心細い思いを抱えながら働き暮らす彼女たちの支え合う姿や、不自由な選択肢の中から決断するしかないフォンの孤独な“前進”へと、物語はシフトしていく。大きな社会の問題を客観的に眺めるのではなく、困難な状況にある当事者として、あるいはそばにいる仲間として、この物語を受け止めることが促されているように思う。

本作は鑑賞して完結する映画ではない。日本に暮らす観客ならなおさらだ。とはいえ、なにも社会の変革や制度の改善のために行動を起こせなどと言うつもりはない。自分が思ったこと感じたことを、たとえば映画.comのレビュー欄でもSNSでもいい、誰かに伝える。そうしたささやかな想いのバトンがつながり広がっていくことで、明日の社会が今日より良くなっていくのだと信じたい。

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高森 郁哉
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