舘ひろし、俳優人生初の丸刈り!「アルキメデスの大戦」で山本五十六役
2018年9月25日 05:00
[映画.com ニュース] 俳優の舘ひろしが、山崎貴監督の最新作で菅田将暉が主演を務める「アルキメデスの大戦」に出演し、日本で最も有名な軍人・山本五十六を演じていることが明らかになった。舘にとっては、40年以上の俳優人生で初めて髪を丸刈りにし、菅田をはじめ共演の田中泯、浜辺美波、柄本佑、橋爪功、國村隼、小林克也、小日向文世という豪華な面々との演技合戦を繰り広げた。
今作は、山崎監督が興行収入87.6億円を記録した「永遠の0」以来、再び第二次世界大戦を描くもので、三田紀房氏の同名人気漫画の映画化。物語は1930年代の日本が舞台で、対米開戦を視野に入れた大日本帝国海軍の司令部は、世界最大級の戦艦“大和”を建造し、日本の国威を世界に示すという計画を立てていた。その計画に反対する海軍少将・山本五十六(舘)は、帝国大学100年に1人の逸材、アルキメデスの再来と呼ばれる天才数学者・櫂直(菅田)を引き入れる。櫂は数学者ならではの視点で、巨額の国費を投じる建造費の見積額に矛盾を発見し、軍部の陰謀を暴こうとする。
第42回モントリオール世界映画祭で最優秀男優賞に輝いたばかりの舘が息吹を注ぎ込む山本五十六は、これまでにも日本映画界の名優たちが演じてきた、特別な役どころだ。大河内傳次郎(「太平洋の鷲」)、藤田進(「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」)、三船敏郎(「連合艦隊司令長官 山本五十六」「激動の昭和史 軍閥」「ミッドウェイ」)、山村聡(「トラ!トラ!トラ!」)、小林桂樹(「連合艦隊」)、役所広司(「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」)……。それだけに、「山本五十六という大きな役をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。男子ならばやはりやってみたい役だと思います。役のために髪を短く切ってほしいとお願いされた時も、やぶさかではなく、すごく嬉しかったです。第二次世界大戦前の少し若い時代を演じるということで、いろいろな文献を読み直し、数々の名優が演じられてきたものと、またちょっと違う山本五十六を意識して演じました」と充実した撮影だったことをうかがわせる。
山崎監督とのタッグも切望していたようで「今回、念願が叶いました。映画のリズムに合ったものを撮れるまでしっかり粘る姿は勉強になりましたし、久しぶりに映画の現場らしい現場を見た気がして楽しかったです」と述懐。一方、山崎監督は起用理由を「館さんの持っているしゃれた雰囲気や優しそうな人柄、その奥に光る芯の強そうな気配……、いわゆる立志伝中の人物ではなく、人間的な山本五十六を描きたいと思い、それに1番ふさわしい人はと考えた結果です」と説明。そして、「ご本人は第二次大戦時の海軍に関して、並々ならぬ知識を持っており、そういう意味でもこのキャスティングははまったなと自負しています」とコメントを寄せている。
舘が撮影で特に印象に残っているのは「映画のクライマックス、海軍のトップ陣が戦艦大和をかけてぶつかり合う大会議のシーン」だという。「菅田将暉くんは、数学的な長いセリフを機関銃のような勢いで話し、かつ、黒板に数式を書きながらそれをやってのけ、圧巻でした! 撮影のカットがかかった瞬間、思わず拍手してしまった程です」と称えている。このシーンは、大和を作るか否かを決定する「巨大戦艦建造計画案 最終決定会議」を指し、4日間にわたり撮影を敢行。豪華俳優陣が「日本の未来」をかけ、壮絶な大舌戦を展開する今作の見どころのひとつだ。
また、浜辺は櫂に思いを寄せる令嬢・尾崎鏡子、柄本は五十六の指令で櫂と行動をともにする海軍少尉・田中正二郎に扮する。“紅一点”といっても過言ではない浜辺だが、現場にはすぐになじめたようで「山崎組はスタッフ、キャストのみなさんが一つの輪になり、すごくいいチーム感が出来ていたと思いますし、その中にいられることが嬉しかったです。山崎監督は現場中、だんだんと親近感をおぼえていくような不思議な方で、多くの方がついていきたくなる理由が分かりました。そんな山崎組だからこそ、安心して覚えることができました」と明かしている。
山崎組への参加は「永遠の0」「DESTINY 鎌倉ものがたり」に続き3度目となる田中は、“大和”を設計し冷徹に建造計画を進めていく日本帝国海軍造船中将・平山忠道を演じた。自らを「演技者としては素人だと思っている」と謙遜するが、それでも、「撮影現場は俳優だけでなくひとりひとりが大事な仕事を各所でやっている、そういう意味では俳優も同じようにそこにいる。ありきたりかもしれないけれど、演じている時でも一緒に乗り越えてくれているように感じられる組力を山崎組には感じます」と思いを吐露した。
「アルキメデスの大戦」は、2019年夏に全国で公開。
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