ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐

劇場公開日:

解説

「空港の魔女」のコンビ橋本忍と国弘威雄の共同脚本を「現代サラリーマン読本 恋愛武士道」の松林宗恵が監督した、特撮技術を駆使しての海戦映画。撮影は「電送人間」の山田一夫。特技監督・円谷英二。パースペクタ立体音響。

1960年製作/118分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1960年4月26日

ストーリー

昭和十六年十二月、千島列島択捉島、単冠湾に集結した南雲中将を長官とする連合艦隊の主力空母六、戦艦二、巡洋艦三、駆逐艦十一を含む機動部隊は一路ハワイへ向けて南下していた。緒戦において敵の胸中深く突入、アメリカ太平洋艦隊を撃滅する。これは司令長官山本五十六大将の大バクチだった。天は幸した、十二月八日午前一時五分、空母より発進した第一次攻撃隊は洋上に去った。友成大尉以下百八十九機。偵察士官北見中尉もその一人だった。「全軍突撃!」の命令一下、一せいに攻撃は開始された。帰途につく第一次攻撃隊と入れちがいに第二次攻撃隊が殺到した。「われ、奇襲に成功せり」。北見はこう打電した。--北見に帰省が許された。ひなびた山間の村。ひとりの母と、気だてのいい許婚の啓子がいた。しかし、結婚により帝国海軍軍人として気迫に欠けることがないか。結論を得ないまま彼は戦場に帰った。セレベスに、濠北に、印度洋に、連合艦隊の行くところ敵はなかった。再び帰省した北見は、啓子と結婚することになった。が、一通のウナ電が彼を母艦に呼びもどした。玄関先でのあわただしい盃。これが最後だった。連合艦隊は最後のとどめを刺すべく、アメリカの空母を求めてミッドウェイ海域に出撃した。意外に強いグラマンの反撃、しかし空母は現われない。攻撃機に装填された魚雷がはずされ爆弾がつけられた。そこへ敵空母発見の報が入った。ふたたび魚雷が--一瞬遅くアメリカの攻撃機が姿を現わした。「五分」、この時間が日本無敵艦隊をミッドウェイの沖深く沈めてしまった。北見ら生残りの将兵たちは、この敗戦をひたかくしにしようとする軍首脳のため、家族に会うことも許されずに九州基地から二度と帰らぬ戦場へと飛び立っていった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
特技監督
円谷英二
脚本
橋本忍
国弘威雄
製作
田中友幸
撮影
山田一夫
美術
北猛夫
清水喜代志
音楽
団伊玖磨
録音
西川善男
整音
宮崎正信
音響効果
三縄一郎
照明
小島正七
編集
岩下広一
助監督
田実泰良
光学撮影
荒木秀三郎
特技撮影
有川貞昌
特技美術
渡辺明
特技照明
岸田九一郎
作画合成
向山宏
光学作画
飯塚定雄
特殊造形
利光貞三
火薬
山本久蔵
渡辺忠昭
特殊機械
中代文雄
特技編集
石井清子
特技スチール
吉崎松雄
特技助監督
浅井正勝
製作担当者
川上勝太郎
全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

5.0大き過ぎる問題

2023年8月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
しゅうへい

5.0永遠の0や空母いぶきにウンザリしてる人へ

2021年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ハリウッド映画「ミッドウェイ」は神作 神映画
最近の日本の右傾化エンタメには心底ウンザリしていたのでこの映画には救われました。
この映画を見て日本艦隊を撃滅し、スカっとしましょう!!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
馬鹿は死ななきゃ治らない

5.0我、今より航空戦の指揮を取る。!飛龍の兵士に涙。!

2021年6月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波

泣ける

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
西海一久

5.0戦争映画ファンならマストです

2020年9月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1960年4月公開
円谷英二の仕事でいえば、1959年の年末公開の宇宙大戦争の次の仕事ということになります

本編監督は松林宗恵
1959年7月公開の「潜水艦イ-57降伏せず」に続いての円谷英二特技監督とタッグです

本作では真珠湾攻撃とミッドウェー海戦の二つを中心に、空母飛龍の搭乗員と座乗する山口多聞提督の視点で描いています

なので1942年のハワイマレー沖海戦、1953年の太平洋の鷲、1968年の連合艦隊司令長官山本五十六と類似した内容になります

ですが、特撮や本編ははっきりいって本作が一番素晴らしい映像が撮れています

ずっとのちの1981年の連合艦隊を含めても、本作の映像がベストです

本編の松林宗恵監督は海軍出身だけに、細かいディテールだけでなく、洋上での艦船の見え方、艦船に乗って見える水平線の高さと、遠くの船の乾舷の高さの見え方、艦船どおしの距離感が、これだ!というリアルさで映像になっています
光線が船腹を明るく光らせる具合もリアルさがありました
これらは特撮映像にも円谷英二との綿密な打ち合わせをとおして反映されています

本作以外の作品の映像では、ここまでの神経が払われていません
本作でこそ観る事のできる映像です

本作の為に作られた世界最大の特撮用プールの威力が発揮されています
これにより素晴らしい映像が多数撮れています
1960年当時、これだけの特撮を撮れるのは東宝特撮だけであり、文句なく世界一です

とは言え、世界最大の特撮プールであっても波の表現からミニチュアとモロバレのカットもあるのは確かです
これは海外の特撮でも苦労している問題でした
のちに原潜シービュー号を撮る米国のアーウイン・アレンが、海の波の特撮では他より頭一つ出ていたかもしれません

本編映像も実物大の飛龍の飛行甲板と艦橋を房総の浜に巨額の費用で作りあげています
そして、そこに実物大の艦上機を20機程度並べて、プロペラを回転させています

その向こうに見える水平線は、本当の太平洋です
全く本物の空母に乗って洋上でロケしたかのようにみえるのです

夜明け前の薄暗い払暁の出撃シーンなどは、あまりのリアルさに感嘆して惚れ惚れします
1970年の米国映画トラ!トラ!トラ!の伝説の発艦シーンは本作がお手本だと思います

登場人物達の立ち振る舞い、所作、使う用語が正解無比で軍事マニアも納得以上です

ただクライマックスのミッドウェー海戦のサスペンスはやはり太平洋の鷲の方が上であったと思います

しかし映像としては特撮本編ともに日本の戦争映画の頂点だと思います

ローランドエメリッヒ監督のミッドウェー
大変に楽しみです
円谷英二が世界一の大プールを作ってまで表現しようとした洋上の波の再現、スケール感の表現は、現代ではCGで簡単に作れてしまいます
そこに軍事の考証がどれだけ正解になされて、嘘の無いセンスある動きを艦船や航空機がしてくれるのか?
もしかしたらまだ本作が上回っているような映像があるかも知れません

戦争映画ファンならマストです

コメントする (0件)
共感した! 2件)
あき240
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る