安藤サクラ、映画賞授賞式で夫・柄本佑のために大友克洋にサインをおねだり!
2013年2月7日 20:00
[映画.com ニュース]第67回毎日映画コンクールの表彰式が2月7日、神奈川・川崎のチネチッタで開催され、最高賞の日本映画大賞に輝いた「終の信託」の周防正行監督、主演の草刈民代をはじめ、男優主演賞の夏八木勲、女優主演賞の田畑智子、男優助演賞の加瀬亮、女優助演賞の安藤サクラら受賞者が一堂に会した。
夫婦そろっての出席となった周防監督と草刈。映画は終末医療や検察による密室での取り調べなど決して軽いとは言えないテーマを扱っており、監督は「いままでで一番苦労した映画なのでうれしいです」とニッコリ。「濃密な空気をどう作り、フィルムに定着させるかというのが挑戦でしたが、そこで役者の力をひしひしと感じました」と改めてキャスト陣への感謝の思いを語った。草刈は、「女優という仕事が理解でき始めたような気がしています」と本作を経ての手応えを口にした。
「希望の国」で男優主演賞を手にした夏八木は、映画賞で主演賞を受賞するのは初めて。「いい仕事に出会えた喜びを感じます」と語った。映画は震災で離ればなれになった家族の姿を描いており、「やはりどうしても被災地の跡がまず頭に浮かびます。当事者にはなれないけど、絶対に忘れてはいけないという思いです」と被災者への思いを語った。
田畑は、第48回(1993年度)の同コンクールでスポニチグランプリ新人賞(「お引越し」)、第59回(04年度)では女優助演賞(「隠し剣 鬼の爪」「血と骨」)を受賞しており、「ふがいない僕は空を見た」で悲願の女優主演賞受賞となった。「20年はあっという間で、ここまで長く続けることになるとは思っていませんでした」と感慨深げ。「たくさんの人に支えられていまの自分があると思います。これからも一歩ずつ進んでいきたいです」とさらなる飛躍を誓った。
加瀬は「アウトレイジ ビヨンド」で、自らのイメージを覆すヤクザ役で助演賞を受賞した。「等身大でできる役ではなく、心配ばかりでした」と撮影を述懐。周りは大先輩の俳優ばかりだったが、古参の幹部を差し置いて出世を遂げる若きインテリヤクザという役柄とあって、「さっきまで『おまえら!』と言っていたのにカットが掛かったら真逆の立場で、『お疲れさまです』という感じで(笑)、そのギャップにも戸惑いました」と苦笑交じりに振り返った。
安藤は「愛と誠」のスケバン役で満場一致での受賞となった。「現場では『三池監督の現場だ』とミーハーに興奮していました。妻夫木さんの笑顔がキラキラしていて格好よく、ミュージカルにもずっと出てみたかったし、スケバンや不良、さらし、宙吊りへのあこがれもあり、しかもパパイヤ鈴木さんの振り付け。あこがれがいっぱい詰まった映画で賞をいただけてうれしいです」と喜びを語った。
報道陣から、夫の柄本佑の反応を尋ねられると「とても喜んでくれています」。柄本は、今年の同コンクールで大藤信郎賞に輝き、表彰式に出席した大友克洋監督の大ファンだそうで、「いつも近くで応援してくれているので、大友さんにプレゼントのためのサインをお願いしました」と愛情たっぷりに明かした。
日本映画優秀賞:「桐島、部活やめるってよ」)
監督賞:吉田大八(「桐島、部活やめるってよ」)
脚本賞:ヤン・ヨンヒ(「かぞくのくに」)
男優主演賞:夏八木勲(「希望の国」)
女優主演賞:田畑智子(「ふがいない僕は空を見た」)
男優助演賞:加瀬亮(「アウトレイジ ビヨンド」)
女優助演賞:安藤サクラ(「愛と誠」)
スポニチグランプリ新人賞:三吉彩花(「グッモーエビアン!)
スポニチグランプリ新人賞:東出昌大(「桐島、部活やめるってよ」)
田中絹代賞:田中裕子
外国映画ベストワン賞:「ヒューゴの不思議な発明」
ドキュメンタリー映画賞:「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」
アニメーション映画賞:「おおかみこどもの雨と雪」
大藤信郎賞:「火要鎮」
TSUTAYA映画ファン賞 日本映画部門:「テルマエ・ロマエ」
TSUTAYA映画ファン賞 外国映画部門:「アベンジャーズ」