希望の国

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解説

「恋の罪」「ヒミズ」の園子温監督が、大地震で離れ離れになりながらも、それぞれの愛を貫く3組の男女の姿をオリジナル脚本で描く。酪農家の小野泰彦は、妻や息子夫婦と平和でつつましい日々を送っていた。一方、隣家の息子は家業を手伝わずに恋人と遊んでばかり。そんなある日、大地震が発生し一帯の住民は避難を強いられるが、泰彦らは長く住み着いた家を離れることができない。そんな中、息子の妻いずみが妊娠していることが発覚する。主人公・泰彦を夏八木勲が演じ、その妻役に大谷直子。息子夫婦を村上淳と神楽坂恵、隣家の息子とその恋人を清水優、梶原ひかりが演じる。

2012年製作/133分/G/日本・イギリス・台湾合作
配給:ビターズ・エンド

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映画レビュー

4.0一歩一歩

2019年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

被災地でのロケも多く、臨場感はその当時そのまま。
主役、夏八木勲の過去の話から、
これは反原発の話だと分かりますが、
ここまで反原発なので国内スポンサーは集まらず、
台湾とイギリス出資で漸く出来たそうです。

後半の夏八木勲のシーンだけで号泣ですが、
神楽坂恵が妊娠が分かるところでも、何故だか号泣しました。
この絶望の中の一つの希望が切なくも嬉しかったのか。

すっと「絶望の国」にしか見えなかったが、
最後は未来有るモノへのメッセージ。
希望は自分の手で掴め 一歩ずつ
それでいいですかね。

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クリストフ

5.0原発と認知症

kossyさん
2019年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 架空の町、長島県にある原発の町で起こった悲劇。福島の原発事故は過去のものになっているという設定だ。マグニチュード8強の地震が起こり、長島原発三号機が爆発・・・パニック映画の方向には行かず、じっくりと人間模様を描きながら、反原発を訴えた作品。尚、『希望の国』というタイトルは逆説的であり、内容は“希望のない国”だけど愛があるといったもの。

 酪農を営む小野一家。父・泰彦は夏八木、認知症の母・智恵子が大谷。そして息子の陽一(村上)と妻のいずみ(神楽坂恵)だ。隣人の鈴木家の家族(でんでん、筒井真理子、清水優)と息子の恋人ヨーコ(梶原ひかり)も描かれるが、原発半径10キロメートルという強制退去の線引きが丁度両家の間を走り、小野一家は現地に留まり、鈴木家が避難所生活を余儀なくされる。

 市、県、国は何も正直に教えてくれない。福島の教訓をまったく無視している。人々は何も知らされないまま、懸命に生きて行かねばならないのだ。そんな折、小野いずみが妊娠。若夫婦はすでに引っ越してはいるものの、放射能の恐怖から防護服に身を包み、病院や近所の笑い者になりながらも逞しく生活する。夫の陽一もそんな妻が愛おしくてしょうがない・・・

 希望を持って生きる?そんな様子はちっとも描かれない映画。“がんばろう日本”などとはかけ離れているのだ。「おうちに帰ろう」と常々訴えてくる小野智恵子。盆踊りが始まる予感がして町を徘徊する。必死に探し回る夫の姿も認知症ドラマとして完璧だ。やがて町でただ一家族残っていた小野家にも牛殺処分命令、強制退去命令が下されてる。ライフル銃で牛を自らの手で殺す泰彦。そして、その銃口は妻の智恵子に向けられるのだ。しかし、智恵子は無邪気に土いじり。「一緒に死のう」「いいよ」と、愛おしい妻に激しく接吻するシーンには涙を止めることができない・・・うう。

 若夫婦はさらに放射能の影響のない地方へと引っ越そうとするのだが、海岸で他の家族とくつろいでいるとき、いきなりガイガーカウンターがけたたましく鳴った。なんという虚さあふれる結末。原発がある限り、日本には平穏は来ない!一歩、一歩と進んでいても、結局は何も前進しないんだな・・・

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kossy

4.5放射能というなかなか難しいテーマを描いたこともすごいが、それ以上に...

2019年6月10日
iPhoneアプリから投稿

放射能というなかなか難しいテーマを描いたこともすごいが、それ以上に愛に溢れた作品だと思った
陽ちゃんの両親のシーンで号泣してしまった 震災映画という枠を超えて素晴らしい映画だった

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コーヒー

4.0ちゃんと面白い

mintoさん
2018年9月19日
iPhoneアプリから投稿

ありかなしかで言えば「あり」だと私は思った。しかしながらテーマもテーマなので観る人のバックボーンや政治観によって当然評価は別れるだろう。誰がみても面白い大衆娯楽というよりはひとつの備忘録にも思える。
3.11のあの日から日本は大きく変わった。怖かったし、悲しかったが東京育ちの私はどこか他人事のようにも思えた。
園監督はどうだったんだろうか?ヒミズにも無理やり差し込んできたことからも相当な関心があるのだと感じる。彼は映画監督としてこの出来事を扱うことに必然性を感じたとのだろうと思う。
この映画のすごいところは2012年に公開しているところだ。ヒミズもそうだが線量のまだ高かったであろう福島で撮影をしていたと思うと園子温を含めた製作チームの作品に対する真摯さには頭が下がる。
園監督の作家性やテーマに目を奪われがちだが、この作品は映画として面白く作れていると思う。夏八木勲はあそこまで慕われるに説得力のある素晴らしい演技だった。人間性が滲み出ていて彼以外には考えられない程だった。
地震が起きる前、つつましくも幸せな日常、あの短い間でキャラを描き、世界観を描き、しかも面白い。後半は間延びした印象もあったが、震災以前の脚本は感嘆するほど素晴らしいと思った。
問題の「おこがましい」発言。この作品においてスピリチュアルなシーンはあそこだけで、やや浮いているようにも思えるが、強い主張性をもっているようにも感じる。
あの発言からのラストなのでやはり意図的に相当考えられたテーマを代表するセリフだったのだろう。「一歩二歩三歩なんて今の日本人にはおこがましいですよ、これからは一歩一歩一歩一歩一歩ですよ。」
この感覚は私は分かる気がする。被災した人が聞いたらブチギレておかしくないと思うがこのセリフは反面教師的なセリフだと思った。
震災のことや、原発、政治など、僕らが語るにはおこがましいという感覚は少なくとも若者にはある気がする。しかし監督は、そこを作品にした。おこがましいとされるものをテーマにして一生残るものとした。それは自分への戒めのようにも、無関心な僕らへの警告のようとも捕らえられた。いっぽ、いっぽ、というのは、先を見据えて大切なものを見失いがちな我々に必要なものなのかもしれない。

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minto
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