ふがいない僕は空を見た
劇場公開日:2012年11月17日
解説
「赤い文化住宅の初子」「百万円と苦虫女」のタナダユキ監督が、「俺たちに明日はないッス」以来4年ぶりに長編作品のメガホンを取り、第24回山本周五郎賞に輝いた窪美澄の同名小説を映画化したドラマ。助産院を営む母に女手ひとつで育てられた高校生の卓巳は、友人に連れられて行ったイベントで、アニメ好きの主婦・里美と出会う。それ以来、卓巳と里美はアニメのコスプレをして情事を重ねるように。そんなある日、同級生の七菜から告白された卓巳は、里美と別れることを決心するが……。主演に永山絢斗、田畑智子。脚本を「リンダリンダリンダ」「俺たちに明日はないッス」の向井康介が担当。
2012年製作/142分/R18+/日本
配給:東京テアトル
スタッフ・キャスト
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2022年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD
■無気力な高校生の卓巳(永山絢斗)は、友人に誘われて訪れた同人誌の販売会で、コスプレ好きの主婦・里美(田畑智子)と出会う。
卓巳は里美との肉欲に溺れていくが、同級生の七菜(田中美晴)に告白されたことで彼女との関係を絶とうとする。
しかし、ふたりの情事が里美の夫(山中崇)と義母(銀粉蝶)に知られ…。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
ー 今作には、多くの厳しき日々を送る男女が描かれている。ー
・中々、子が出来ない事を義母に責められる里美。彼女は、その鬱屈した想いをコスプレにのめり込むことで、紛らわせている。そして、知り合った卓巳と男女の関係を持ってしまう。
- 銀粉蝶扮する義母の、彼女に子を要求する姿はホラーのようである。-
・里美との関係がSNSで拡散してしまった卓巳。彼は、学校に行けなくなってしまう。
・卓巳と仲の良い振りをしつつ、男に逃げた母の代わりに、認知症の祖母の世話をする、福田(窪田正孝)
- コンビニでバイトする彼は、卓巳の母(原田美枝子)が気遣って作ってくれた弁当を、無表情に捨てる。そして、賞味期限を過ぎた弁当も捨てる姿。自分が、食に飢えているのに・・。ー
・そして、福田は同じコンビニでバイトするどこか屈折しているあくつと共に、卓巳と里美のSEX写真を嬉しそうにばら撒く。
- 様々な鬱屈を、発散しているのであろう。-
・福田に対して、”学が必要”だと説く、コンビニのバイトの先輩、田岡(三浦貴大)。病院の息子で、金持ちだが彼も又、闇を抱えている事が彼の言葉と、その後に発覚した事実から分かる。
■前半は、観ていてキツイシーンが多いが、原田美枝子演じる助産婦でもある、卓巳の母の、巨木の様な”人間肯定的存在感”が際立っている。
彼女は、卓巳を責める事無く”生きろ”と励まし、認知症の祖母が水道を出しっぱなしにしてしまった、福田の家に弁当を届ける。(彼は、その弁当を貪り食う・・。)
<ラスト、卓巳は母の言葉に後押しされ、学校に行く。いつの間にか、横には福田が並走している。学校に付き、静まり返った教室で揶揄いの言葉を投げつけられるも、彼はその生徒の前に行き、照れ臭そうに微笑む。
そして、彼の担任の女性のお産のシーン。
卓巳は母たちの、助力もあり無事男の子が生まれる。
今作は、多くの生き難い日々を過ごす人々の姿を通じて、この世に”生”を受ける尊崇さを描き出した作品である。>
タイトルは5点、というかこのタイトルだけで飯が食える。
だが、内容は総じてあまりいいものではない。
個人的に良かったシーンは、何かを変えるために勉強するところ。そして、あの必死さはもし続くのであればあらゆる才能を凌ぐだろうと思った。
あと、「生きて、そこにいて」もいいセリフだと思った。
自業自得の変態不倫話には興味がありません。
環境が招く不幸話には共感と同情とが交錯します。
短編を有機的に繋げる限界を感じます。
なんとなく見捨てがたい映画です。
トホホだけど、なんとなく、心意気だけ買いたいです。
監督、腐らず、頑張りましょう。
品質は低いですが、次があります。
演技は、良い、そう思います。
出演者の全てが良かった◎
特に脇役、さいとう助産院で働く助産師のパワーあるセリフとド直球ナイスなツッコミ!あっぱれ!!
時々映る風景、夕暮れの空、電線、木々、、
初めはもの寂しいやるせない空も、だんだん青空になってゆく。
校庭でたくみとあんずの盗撮コピーを2人(窪田正孝と女友達)がばら撒くシーンは、凄く悪い事をしているのに、朝日の中でとても美しい描写に感じました◎
母役(原田美枝子さん)もとても素晴らしかった。
息子が不登校になり、ネットやポストに嫌がらせをされても、落ち着いていてブレないし、全ての子供が幸せになるように祈る。