終の信託 劇場公開日:2012年10月27日
解説 「Shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」の周防正行監督が、現役弁護士・朔立木の小説「終(つい)の信託」を自ら脚本化し、終末医療を題材に描くヒューマンドラマ。不倫関係にあった同僚の高井から捨てられ、失意のどん底にいた医師の折井綾乃は、重度のぜん息で入退院を繰り返す患者の江木秦三の優しさに触れ、次第に心の傷が癒されていく。綾乃と秦三は医師と患者という関係を超えて強い絆で結ばれていくが、秦三の病状は悪化し、心肺停止状態に陥ってしまう。自らの死期を悟っていた秦三に、「もしもの時は早く楽にしてほしい」と頼まれていた綾乃は、ある決断を下すが……。草刈民代と役所広司が「Shall we ダンス?」以来16年ぶりに共演。
2012年製作/144分/PG12/日本 配給:東宝
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段取り下手の美人ヤブ医者に終を信託した役所が融通の利かない(そうあるべきだ)お役所に死んでから叱られる、ぶ厚そうに見えて薄い話し。 周防は嫁にこう殺されれば良いが、同じ役所の失楽園の死の方が気持ちE。 濡れ場は愉しんだ。 プロが面倒な手続から逃げると罪に成る、恋愛感情が絡むと女は手続を怠りがち、という手続論の映画か。 前半の尊厳死論と後半の手続論の間に観客を留まらせるのが狙いなら成功作だが、そういう映画を観たいと私は思わない。
2020年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館
ー物語は、冒頭、検事の塚原透(大沢たかお)に検事局に呼びだされた折井綾乃(草刈民代)の憔悴しきった姿から始まる。- ■折井綾乃は長年、重度の喘息に苦しむ江木(役所広司)の担当医。 江木は病に侵されているが、心優しく、聡明な男であることが分かる。 一方、折井は不倫の相手、同僚の高木医師(浅野忠信)から裏切られ、院内で、睡眠薬による自殺を図る。”俺、結婚するなんて、言ったっけ・・” -何故、江木があんな下衆な男に惹かれたのかは描かれていない・・。ー ・江木は苦しい体調の中、折井に優しく接する。 -折井は江木の医者だが、折井は江木の心の支えになっていく・・。- ・江木の幾つかの言葉 ”人間、死の時は最後は聴覚が残るそうですね・・” -江木の妹の終戦中の話。- ”これ以上、妻に辛い思いをさせたくない・・。僕の看病から解放してあげたい・・” ”先生、お願いがあります。その時が来たら”楽に”してください・・。僕は何より、先生を信頼しています・・。” ■ある日、江木が意識不明の状態で病院に運び込まれる。折井は必死に治療をするが、 気道に居れたチューブの中の、血を見て・・、妻たちに涙ながらに言う言葉。 ”自然にお任せしたら・・” ”これ以上の延命治療を望まれますか・・” 江木は激しい痙攣に襲われ、 ”江木さん、ごめんなさい・・” ー耳元で”子守唄が流れる・・- ◆場面は一転して、冒頭の検事局に戻る。 ーここからの、塚原検事と折井との"終末医療”に対しての考え方の相違を基にした遣り取りは圧巻である。ー 塚原の検事として折井の行為は殺人である・・、という考え方と、折井の助からない人の命を、苦しませながら延命させるのは違うのではないか・・という二つの考え方。 -周防監督の考え方は、高圧的な塚原検事の描き方で、推測が付く。ー <現在でも大きな解決の道が見えていない、”終末医療””安楽死”を題材に周防監督が正面から取り組んだ意義ある作品。 あのラストをどう見るかは、人それぞれだろうが、私は塚原検事の姿勢、考え方は肯定しない。 何故なら、江木を長年支えてきたのは、折井である。 二人の感情の結びつきが深まっていた背景があるという事も分かっているが、チューブの中の胃潰瘍による血を見てしまった時に彼女は覚悟を決めたのだろう。 ”これ以上苦しませてはいけないと・・。” その行いを罪に問うのかどうか・・。> <2012年11月 劇場にて鑑賞> <2020年10月 他媒体にて再度鑑賞>
2020年5月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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森田監督は尊厳死、そして日本の検察制度をもテーマにしてると感じた。ラストのそもそも診断が明らかに間違っているというのが腑に落ちなかった。それにしても検察官役大沢たかおの演技は憎らしい。わざわざ呼び出しておいて待たせるなんてことを本当にするのだろうか。追い詰めていく演技はうまい。医者と患者の仲が良過ぎるほど、患者にとっては最高だが、医者にとっては事故、事件の元だということになる。自分のことをここ迄考え、最期に泣いてくれる医者はいるだろうか。家族より先に抱きしめ、泣いてしまうのはちょっといただけないと思ったが。やはり、尊厳死には証拠となる本人の意思が証明できるもの、そして家族の承諾書あって、初めて成立するもの。そういう場合ばかりでないのが今回起きてしまったことなのだが、やはり人間の死を扱うだけに、そこは慎重を期して掛からねばならなかった。全編通して草刈民代が好演。
2020年2月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
2020年2月22日 #終の信託 鑑賞 喘息の重症患者から、危篤の場合安楽死させてくれと頼まれていた医師が、その処置を殺人罪として立件される。川崎協同病院事件というのがモデルらしい。 安楽死と嘱託殺人って難しい問題がテーマ。ダンスをしてるばあいではなくなっていたか。