地雷覚悟だなんて失礼なこと考えちゃったな
あまりにもしっかり映画になっていて驚いちゃったよ!
〈 東京から逃げる 〉
〈 東京で輝かなくても、場所が変われば輝く 〉
上映終了直後、
川野浩司監督の経歴が気になり、売店直行。
速攻でパンフレット見本を熟読してしまいました。
『書の道』(09)
『非女子図鑑』(09)
私はこの2本を鑑賞していました。
単に川野監督の名前を失念していただけでした。
地雷覚悟発言といい、
監督の名前を失念といい、
失礼にもホドがあるぞ!!
この場をお借りしまして、
誠に申し訳ございませんでした(平身低頭、お辞儀)
◇ ◇
東京の進学校で留年決定。
世間体を気にする両親に勧められるがまま
親戚がいる富山県氷見市の高校へ転校させられてしまう。
自分の気持ちなんて誰にもわからない
心を閉ざしていた恒太郎(中村蒼)
隣に住む渚(山下リオ)や、転校した高校の同級生、
担任教師との出会いで、他人の気持ちを知るようになり、
やがては自分の目標も、見つけていく。
そして、人生で初めて、母に・・・。
◇ ◇
映画を見ながら頭に
浮かんだのは、幾つかの、
私がDVDを、購入して
しまったくらい、大好きな
ドラマのタイトルと、ある歌の歌詞。
『白線流し』
舞台は松本市だったけど、
これが氷見市になった感じかな
『ウォーターボーイズ2』
主人公が東京から転校させられたのは、
静岡県磐田市だったけれども、これが、
富山県氷見市になった感じかな
『想い出がいっぱい』の歌詞
「大人の階段の~ぼる~♪」のフレーズ。
恒太郎が転校してきたことで、
渚を含めた周りの人も人間として、
大きく成長していくんです。
きっと、そんなこと本人は、
あまり、気にしていないと思うんです。
でも、映画鑑賞者でありながら、
作中の人物たちを見守る保護者のような
気持ちに、自然となってしまい、恒太郎と渚が、
壁をひとつずつ乗り越えながら、変わっていく様子が
はっきりとわかるのです。
曇りがちな表情ばかりだった恒太郎と渚。
・東京では見えない満天の星空に気づいた瞬間(とき)
・恒太郎に「逃げてきたくせに」と言葉をぶつけながら、
自分も、実は逃げていたことに、気づかされた瞬間(とき)
・そばにいて欲しい大切な人の存在に、気づいた瞬間(とき)
まるで星に照らされたかのように、
表情も少しずつ明るくなっていく。
山下リオさんが好きなので、
出演作品は、ほぼ鑑賞していますが、
ここまで幸せそうな表情をしているのは初めて見ました。
薄幸なイメージが強かったのですが、
こんな難しい演技もできるんだ!
こんなふうに表情の変遷を心情の変遷と
比例をさせながら変化させていくことができるんだ!!
川野監督の演出力も忘れてはいけませんが、
今作の役、渚だけでなく、山下リオさん個人としても、
大きく成長を遂げているような気がしてなりませんでした。
★彡 ★彡
これも川野監督の演出なのでしょうか。
パンフレットにもHPにも触れられておりませんが、
固定カメラのシーンはわずかで、大部分が手持ちカメラで撮影されています。
人の視線って、仕事中や、映画を見ているときなど、
一点に集中しているとき以外は、絶え間なく動いているもの。
先に、保護者のような気持ちになった、と記しましたが、
おそらく、その手持ちカメラの揺れ加減が、日常生活における
視界の揺れ加減と似ていたからではなかったか、とも感じています。
揺れ幅、触れ幅のおかげで、
カメラから切れたところでも、
演技を続けている役者さんの様子も垣間見えて、
こちらからは1ヶ月の合宿をしながら撮影をした、
映画関係者のほとばしる熱い思いが伝わってきました。
このコメント、久々だな。
単館(小規模)公開ではもったいない!
上映拡大を心から願っております!!!
微力ながら応援になるように、と
パンフも熟読しましたので5点満点を贈らせて頂きます!!!!!