コラム:シネマ映画.comコラム - 第4回
2021年12月13日更新
お正月作品関連のオススメ名作をピックアップ!
本コラムの第4回目は、12月17日公開のお正月作品に関連した名作をいくつかピックアップしてオススメいたします。
まずは注目作「マトリックス レザレクションズ」(※シネマ映画.comでは配信していません)に関連した作品からピックアップ。同作は1999年に公開され、革新的な映像技術とストーリーで社会現象を巻き起こしたSFアクションの金字塔「マトリックス」シリーズの18年ぶりの新章です。主人公ネオを演じたキアヌ・リーブスはその人気を決定的なものとしました。
そのキアヌが主演を務め、元殺し屋の壮絶な復讐劇を描いたアクション「ジョン・ウィック」(2014)が、“時代を超えて愛される不朽の名作”を配信するスクリーン2で配信中です。「ジョン・ウィック」は、「マトリックス」ほか数々の大作映画でスタントやスタントコーディネーターを手がけたチャド・スタエルスキが初メガホンをとり、銃とカンフーを融合させた新銃術「ガンフー」を中心とした独自のアクション世界を展開します。キアヌが無敵の殺し屋をスタイリッシュ&クールに演じ、「マトリックス」シリーズに続く新たな当たり役としました。2022年5月に第4弾が公開予定となっています。
キアヌ主演作ではもう一本、「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」(2020)もスクリーン2で配信中しています。キアヌが若かりし日に主演し、ロックスターにあこがれる高校生のビルとテッドが時空を超えた冒険を繰り広げる姿を描いたコメディ「ビルとテッドの大冒険」のシリーズ第3作です。「マトリックス」「ジョン・ウィック」などシリアスでスタイリッシュな役どころとは違う、コメディ俳優としてのキアヌが楽しめます。
「世界で一番美しい少年」は、ルキノ・ビスコンティ監督の名作「ベニスに死す」(1971)で、主人公を破滅に導く少年タジオ役を演じた美少年ビョルン・アンドレセンの50年間に迫ったドキュメンタリーです。ビョルンが老人ダン役で出演し、その変貌ぶりが話題となったアリ・アスター監督の「ミッドサマー」(2019)「ミッドサマー ディレクターズカット版」がスクリーン2で配信中です。劇中のビョルンに気づくことができるか、その目でお確かめください。
「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」は、環境汚染問題をめぐって1人の弁護士が十数年にもわたり巨大企業との闘いを繰り広げた実話を、環境保護の活動家という一面も持つマーク・ラファロが主演・プロデュースした社会派リーガル・ドラマです。アン・ハサウェイ、ティム・ロビンスらが共演し、「キャロル」のトッド・ヘインズ監督がメガホンをとっています。
そのマークが出演した「スポットライト 世紀のスクープ」(2015)、同じ社会派ドラマ「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」(2019)、「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」(2019)もスクリーン2で配信中。「スポットライト」は、新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督が映画化し、第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞した実録ドラマです。
「グレース・オブ・ゴッド」は、「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、フランスで実際に起こった神父による児童への性的虐待事件を描き、第69回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞しています。
そして「赤い闇」は、「太陽と月に背いて」で知られるポーランドのアグニエシュカ・ホランド監督が、スターリン体制のソ連という大国にひとり立ち向かったジャーナリストの実話をもとにした歴史ドラマです。3作品とも実話にしかない重厚なドラマが堪能できます。
最後に邦画の「偶然と想像」は、「ハッピーアワー」の濱口竜介監督初の短編オムニバスです。第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞しました。その濱口監督の商業映画デビュー作「寝ても覚めても」がスクリーン2で配信中です。芥川賞作家・柴崎友香の同名恋愛小説を東出昌大、唐田えりかの主演で映画化し、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されました。主演2人のスキャンダルにより曰く付きの作品となってしまいましたが、濱口監督の才気が溢れた恋愛映画です。
なお、12月10日から4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開された「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000)もスクリーン2で配信中(※4Kデジタルリマスター版での配信ではありません)。同作は「奇跡の海」(1996)のラース・フォン・トリアー監督が、アイスランドの歌手ビョークを主演に撮り上げた衝撃作です。あわせてご視聴いただき、名作を見ながら良い新年をお迎えください。