池松壮亮、キネ旬主演男優賞で30代の新たな誓い「映画が先に進めるよう精進」
2020年2月11日 20:53
[映画.com ニュース] 第93回(2019年)キネマ旬報ベスト・テンの表彰式が2月11日、都内のホールで行われた。
日本映画作品賞に輝いた「火口のふたり」の荒井晴彦監督は、これまで5度の脚本賞を受賞しており「41年前に神代辰巳と組んだ『赫い髪の女』は4位だった」など、これまで2~5位が続いた作品部門での順位を披歴。その上で「70歳を過ぎて、監督3本目、低予算のR18で裸の映画が1位でいいんでしょうか? キネ旬の審査員たちにありがとうと言いたい」と自嘲を交え喜びを語った。
しかし、「ここでやめればいいけれど、映画がいいのに監督賞、脚本賞もらえなかった。白石と阪本に教わって、またこの場所に戻ってきたい」と、後方に座っていた日本映画監督賞の白石和彌、脚本賞の阪本順治両監督をけん制。同作のヒロインに抜てきされ、全編ほぼヌードの熱演で主演女優賞を射止めた瀧内公美は、「フリーになって初めて声をかけられた作品。荒井監督には『体をしならせるんだ』と言われ、毎日首と腰が痛くてシップを貼っていました」と振り返った。
「宮本から君へ」で初の主演男優賞を獲得した池松は、「現場でたくさんの人にバトンをつないでもらった先のこの場であって、僕の力だけでは到底及ばなかった。皆で闘った日々の勲章としてもらい、池松から宮本へささげられたらと思う。今日はトロフィーを抱きしめて寝ると思う」と感慨深げ。今年は節目の30歳を迎え、「これからも映画が先に進めるよう、皆さんの生活が少しでも豊かになるため少しでも光を当てられるよう、この10年も日々精進していきます」と新たな誓いを立てた。
「愛がなんだ」など5作品で助演男優賞の成田は、「カツベン!」でも主演部門の2位に入ったことを掲載誌で確認し「助演は断トツで、主演は差があった。まだまだですね」と苦笑い。「半世界」で、新人賞以来20年ぶりの受賞となる助演女優賞の池脇千鶴は「出番はあまり多くないのに、映画の神様は見ていてくれたんだな。とってもうれしいけれど、トロフィが重くて私は抱きしめて寝られない」と話し、会場の笑いを誘った。
新人女優賞の関水渚は、デビュー作「町田くんの世界」を振り返り「悩み、苦しみ、人生の中で生きていると実感した1カ月でした。ひとつの目標は、朝ドラに出ることです」と意欲。「蜜蜂と遠雷」などで新人男優賞の鈴鹿央士は、「東京も、大人の世界も、芸能界も分からない中でいろいろなことを教えてもらい、少しは成長できたかな。今日は電車で帰るので、見かけたら写真はダメでサインもまだないけれど、握手くらいはできるので声をかけてください」と独特のコメントで会場を沸かせた。
・日本映画作品賞:「火口のふたり」
・外国映画作品賞:「ジョーカー」
・外国映画監督賞:トッド・フィリップス
・読者選出外国映画作品賞:「ジョーカー」
・文化映画作品賞:「i 新聞記者ドキュメント」
・日本映画監督賞:白石和彌「ひとよ」「凪待ち」「麻雀放浪記2020」
・脚本賞・読者選出日本映画監督賞:阪本順治「半世界」
・主演女優賞:瀧内公美「火口のふたり」
・主演男優賞:池松壮亮「宮本から君へ」
・助演女優賞:池脇千鶴「半世界」
・助演男優賞:成田凌「愛がなんだ」「さよならくちびる」ほか
・新人女優賞:関水渚「町田くんの世界」
・新人男優賞:鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」
・特別賞:和田誠
・読者賞:ライムスター宇多丸、三沢和子
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
物語が超・面白い! NEW
大物マフィアが左遷され、独自に犯罪組織を設立…どうなる!? 年末年始にオススメ“大絶品”
提供:Paramount+
外道の歌 NEW
強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“狂刺激作”【鑑賞は自己責任で】
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作 NEW
【伝説的一作】ファン大歓喜、大興奮、大満足――あれもこれも登場し、感動すら覚える極上体験
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
ハンパない中毒性の刺激作
【人生の楽しみが一個、増えた】ほかでは絶対に味わえない“尖った映画”…期間限定で公開中
提供:ローソンエンタテインメント
【衝撃】映画を500円で観る“裏ワザ”
【知って得する】「2000円は高い」というあなただけに…“超安くなる裏ワザ”こっそり教えます
提供:KDDI
モアナと伝説の海2
【モアナが歴代No.1の人が観てきた】神曲揃いで超刺さった!!超オススメだからぜひ、ぜひ観て!!
提供:ディズニー
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。