松坂桃李、ボロぞうきんにされながらも…二人三脚のマネージャーに感謝
2018年11月17日 23:30
[映画.com ニュース] 一般の映画ファンが選出する第10回TAMA映画賞の授賞式が11月17日、東京・パルテノン多摩で行われ、最優秀男優賞に俳優の松坂桃李が選ばれた。
国内映画賞のトップバッターとして、活力あふれる“いきのいい”作品・監督・俳優を表彰するTAMA映画賞。今年の最優秀男優賞には、「孤狼の血」「娼年」「彼女がその名を知らない鳥たち」「不能犯」に出演した松坂が選ばれた。ステージに立った松坂は、映画祭関係者に謝辞を述べつつも、「TAMA映画賞は今年で10年ということで気付いたんですが、僕もお芝居を始めておよそ10年。そのタイミングでこのような賞をいただけるのは、何かの縁かなと思い、袖でこの10年を振り返っておりました」と胸中を吐露する。
さらに「初めてドラマが決まった時、うちのチーフマネージャーに『松坂くんはバーターだからよろしくね』と言われたんです」と続け、会場を笑わせた松坂は、「バーターというのは、事務所で売れている方の力を使って(ドラマや映画に)出させていただくやり方です。この現実を受け止めろと。そして2年目となり『今年が勝負です。ここで結果を出さないとあなたは終わりです』と言われた2年目。そして3年目。『ここで結果を出さないと本当におしまいだ』と言われ。その調子で4、5、6年と……1年に1回以上は、二人三脚でやっているマネージャーに精神的に追い詰められる言葉をかけられ続け、おかげさまでメンタルがちょっと強くなりました」と明かし、会場は爆笑だ。
「そんな10年の中で、数々の作品、共演者の方と出会って。すごく素敵な時間を過ごしました。その現場を用意してくれたのが、うちのチーフで。本当に感謝してもしきれないほどです。けっこうメンタルはボロぞうきんのようになるんですが」と笑顔を見せた松坂は、「『孤狼の血』やいろいろな作品に出合せてくれたのはチーフですし、現場で支えられて自分が出来上がるんだと、つくづく感じます」としみじみ。そして「今年で30になりますが、30歳以降はたくさん受けた恩を、一個一個丁寧に、一個一個の作品に向き合って恩返しをしていきたいと思います」と決意を語った。
一方、「パンとバスと2度目のハツコイ」で新進女優賞を受賞した深川麻衣は「あこがれだった映画の世界に飛び込んだ初めての作品で。初めて主演を務めた、すごく大切で思い入れのある作品。信じられない気持ちでいっぱいです」とにっこり。同じく新進女優賞を受賞した伊藤沙莉は「わたしは9歳からこの仕事をしていますけど、今に至るまで、決して楽しいだけでなく、心底悔しいことや傷つくこともありましたが、こうやって誰かに認められるということは本当に幸せだと思います」と涙ぐんだ。さらに最優秀新進男優賞には、「モリのいる場所」ほかの演技を認められた吉村界人。緊張した様子をみせる吉村は「僕みたいなヤツがこういう場所に立てるのはすごく希有な感じで。俳優をやらせていただいて、すごくうれしいです」と感激した様子だった。
同じく最優秀新進男優賞に選ばれた吉沢亮は、今年「リバーズ・エッジ」をはじめとした8本の作品が対象となって選出。「賞をいただくのは今回が初めて。映画を愛している方からいただいた賞なのでうれしく思います」と感激の表情を見せると、「3年くらい前からマネージャーさんと映画を中心にやっていきたいと話をしていて。今年はたくさんの映画のお話をいただいて。ひとつひとつの現場での共演者、スタッフ、監督との出会いがこういう賞をいただける結果につながったのかな」と喜びをかみ締める。「映画の現場が好きなので、これからも映画の現場をやりたいなと思った年でした」と晴れやかな顔を見せた。
そして特別賞を受賞したのは「カメラを止めるな」の上田慎一郎監督はじめスタッフ・キャスト一同。市橋浩治プロデューサーは「上田監督をはじめ、キャスト、スタッフと一緒にワークショップから作り上げた映画です。2館から始まったのが、ここまで成長して。関係者の皆さんのおかげで受賞できました。ちょうど(最優秀新進監督賞を受賞した)今泉力哉監督もうち(ENBUゼミナール)のスタッフとして働いていたことがあったので、感慨深いものがあります」と語った。
そしてこの日の授賞式には最優秀新進監督賞を獲得した、「パンとバスと2度目のハツコイ」の今泉力哉監督、「きみの鳥はうたえる」の三宅唱監督らも出席した。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
時代は変わった。映画は“タテ”で観る時代。 NEW
年に数100本映画を鑑賞する人が、半信半疑で“縦”で映画を観てみた結果…【意外な傑作、続々】
提供:TikTok Japan
年末年始は“地球滅亡” NEW
【完全無料で大満足の映画体験】ここは、映画を愛する者たちの“安住の地”――
提供:BS12
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
物語が超・面白い!
大物マフィアが地方都市でやりたい放題…オススメ“大絶品&新傑作”【トラブルの解決策は、金と暴力】
提供:Paramount+
外道の歌
【地上波では絶対NGの“猛毒作”】強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…安心・安全に飽きたらここに来い
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の伝説的一作
【超重要作】あれもこれも出てくる! 大歓喜、大興奮、大満足、感動すら覚える極上体験!
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
映画を500円で観る“裏ワザ”
【知らないと損】「2000円は高い」というあなたに…“エグい安くなる神割り引き”、教えます
提供:KDDI
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。