松岡茉優、日プロ主演女優賞に喜び爆発! 浅野忠信は21年ぶりに主演男優賞
2018年4月26日 22:18
[映画.com ニュース] 「第27回日本映画プロフェッショナル大賞」の授賞式が4月26日、東京・テアトル新宿で行われ、主演女優賞の松岡茉優をはじめ主演男優賞の浅野忠信、新人女優賞の瀧内公美、新進男優賞の村上虹郎、特別功労賞の大林宣彦監督らが出席した。
初主演映画「勝手にふるえてろ」で暴走系ヒロインを熱演した松岡は「8歳から子役をやってきて、今は23歳になって、皆様の前に立てること嬉しいです」と喜びを爆発させる。そして「見てくださった近しい人からは、(演じた)ヨシカは私のまんま、と言われていました。是枝裕和監督の『万引き家族』では、ヨシカとは全く違う役ですが、それも私自身だと思っています。私は、すべてが私自身。私自身にあるものを枯渇させずに、いろんな引き出しがある女優さんになりたいです」と決意を新たにし、「明日を生きるのが楽しくなるような、『生きてみようかな』と思えるような作品に携わるのが、私の目標です」とさらなる活躍を誓っていた。
国内映画賞で数々の賞に輝いた「幼な子われらに生まれ」の浅野は、「Helpless」以来、約21年ぶりに同賞の主演男優賞に輝いた。メガホンをとった三島有紀子監督がプレゼンターを務めており、「浅野さんがいてくれて、生まれた奇跡が詰まった作品。いろんな賞をいただけましたが、その全ては浅野さんの賞だと思っています。『Helpless』が好きで、浅野さんをいつか撮りたいと思っていました。約21年後に、自分の映画でも主演男優賞をとっていただいた。最高の幸せです」と祝福すると、浅野は花束をしげしげと眺め「あのころの自分は、何も考えていなかった。言ってやりたいですね、『お前はラッキーだったんだぞ』と。あのときも、かなりワガママでした」と謙遜していた。
「彼女の人生は間違いじゃない」での奮闘が評価された瀧内は、「12歳のころから映画女優になりたくて、18歳で上京しました。その時はスクリーンのなかで表現ができるのか不安で、5.5畳ほどの部屋でずっと泣いていました」と思いを馳せる。そして「10年が経ち、こんなに素晴らしい場所に立てるんだよと、あのころの自分に言ってあげたい。『どんな人に出会うかが、人生を変える』。そう思わせてくれる作品、私の財産です」と、万感の面持ちで喜びを露わにした。
同作は監督賞も獲得しており、自著を映画化した廣木隆一監督も登壇。花束を携え駆けつけた出演・高良健吾は「以前ここで、『軽蔑』で主演男優賞をもらった時、廣木さんから花束をもらった。今回、花束を渡せて嬉しいです」とほほ笑み、「18歳の時に監督の現場で厳しくしてもらい、そこで教えられたことを今もやっています。今回は瀧内がめちゃくちゃ苦しそうで、『あのときの気持ちを味わってんだろうな、ざまあみろ!』と思っていました(笑)。新人女優賞と監督賞、本当に良かったです」と愛のこもったメッセージを託した。
長年の功労を称えられた大林監督は、「同世代の仲間が、どんどん亡くなっています」と切り出す。「親友の高畑勲さんを亡くしたばかりですが、この喜びは高畑さんとも分け合いたい」と言葉を継ぎ、「高畑さん、ありがとうね。よく頑張ってくれた。あなたの分もこれから引き継いで、頑張るから。僕たちの後も若い人たちが引き継いで、『映画の彼方に平和がある』というフィロソフィーをきっと実現してくれるだろうと思っています」と天を仰ぐと、神妙に聞き入っていた観客は万雷の拍手を送っていた。
“日本最強の映画賞”と銘打たれた同賞は、主催者で映画評論家の大高宏雄氏、批評家、記者など映画に携わるプロが選考委員を務め、独自の視点で優れた作品や映画人を表彰する。個人賞およびベストテンは以下の通り。
作品賞:「勝手にふるえてろ」
主演女優賞:松岡茉優(「勝手にふるえてろ」)
主演男優賞:浅野忠信(「幼な子われらに生まれ」)
監督賞:廣木隆一(「彼女の人生は間違いじゃない」)
新人監督賞:石川慶(「愚行録」)
新人女優賞:瀧内公美(「彼女の人生は間違いじゃない」)
新進男優賞:村上虹郎(「武曲 MUKOKU」)
特別賞:OP PICTURES(長年の活動に対して)
特別功労賞:大林宣彦(長年の功労に対して)
観客賞:「あゝ、荒野」(前年度のクラウドファンディング参加者が選出)
1位:「勝手にふるえてろ」
2位:「幼な子われらに生まれ」
3位:「彼女の人生は間違いじゃない」
4位:「愚行録」
5位:「ビジランテ」
5位:「バンコクナイツ」
7位:「彼女がその名を知らない鳥たち」
8位:「武曲 MUKOKU」
9位:「光」(大森立嗣監督作)
10位:「南瓜とマヨネーズ」
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