武曲 MUKOKU

劇場公開日:

武曲 MUKOKU

解説

「私の男」の熊切和嘉監督が綾野剛を主演に迎え、芥川賞作家・藤沢周の小説「武曲」を映画化。現代の鎌倉を舞台に、生きる気力を失った凄腕剣士と、天性の剣の才能を持つ少年が繰り広げる宿命の対決を活写する。剣道の達人だった父に幼少時から鍛えられ、剣道5段の腕を持つ矢田部研吾。しかし父をめぐるある事件をきっかけに剣を捨て、自堕落な日々を送っていた。研吾のもう1人の師匠である僧侶・光邑は、研吾を立ち直らせるため、ラップのリリック作りに夢中な高校生・羽田融を送り込む。融は剣道初心者だったが、本人も気づかない恐るべき剣の才能を秘めていた。綾野扮する主人公・研吾と魂の決闘を繰り広げる融役に「2つ目の窓」の村上虹郎。研吾の恋人役を前田敦子、研吾が通う小料理屋の女将役を風吹ジュン、研吾の父役を小林薫、研吾の師・光邑役を柄本明がそれぞれ演じる。

2017年製作/125分/G/日本
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2017年6月3日

スタッフ・キャスト

監督
原作
藤沢周
脚本
高田亮
制作統括
永田守
エグゼクティブプロデューサー
余田光隆
共同プロデューサー
麻生英輔
吉岡宏城
プロデューサー
星野秀樹
協力プロデューサー
江守徹
佐治幸宏
ラインプロデューサー
新野安行
キャスティングディレクター
元川益暢
音楽プロデューサー
篠崎恵子
撮影
近藤龍人
照明
藤井勇
録音
小川武
美術
井上心平
装飾
山本裕
衣装
宮本茉莉
ヘアメイク
石邑麻由
音響効果
中村佳央
編集
今井大介
音楽
池永正二
VFX
菅原悦史
特殊メイク
小此木謙一郎
特殊造形
小此木謙一郎
アクションコーディネーター
辻井啓伺
高槻祐士
助監督
平野勝利
制作担当
熊谷悠
剣道指導
中村憲刀
アシスタントプロデューサー
原田浩行
中村憲刀
メインタイトル題字
武田双雲
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受賞歴

第41回 日本アカデミー賞(2018年)

ノミネート

最優秀助演男優賞 村上虹郎
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(C)2017「武曲 MUKOKU」製作委員会

映画レビュー

3.0剣豪

2023年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

2023年5月1日
映画 #武曲 #MUKOKU (2017年)鑑賞

剣道に特別な才能を持ちながら、師である父との確執から自堕落な生活を送る男と、死に魅せられた無自覚な天才少年が出会い、剣を通じて2人の運命が激しく交錯していく

#綾野剛 と #村上虹郎
唯一無二の二人の俳優のぶつかり合いが凄かったです

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とし

3.5役者さんのうまさが際立つ作品。

2022年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

綾野剛と村上虹郎。二人の熱演だけではなく、
脇を固める小林薫、柄本明もさすがの演技でした。

話としては、まるで時代劇。
現代を舞台にしているものの、
今の空気を感じさせない作品でした。
武蔵と小次郎の対決、みたいな感じですねw

複雑な話ではなかったですが、ちょっと中だるみ。
W主演でその対決がキモなんでしょうが、
綾野剛と小林薫の親子だけを描いた方が、
良かったような気がしますね。その方が、感動したんじゃないかな。

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tochi06

1.5音響さん、しっかりしてよ

2021年12月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

台詞が聞き取れんがね❗残念ながら共感も共鳴もないストーリー展開と台詞の聞き取り難さが原因で一層物語に入り込めない。

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mark108hello

4.0閉じた物語 (原作も読んでみた)

2020年11月12日
Androidアプリから投稿

 主人公の二人は、社会から、世界から外れている。
「武曲」の主人公は、獣の父親から生まれ、剣道以外の何も身のうちに持たない獣として育ち育てられ、父と殺し合い、そして父を殺し損ねたアル中の社会不適合者である研吾(綾野剛)と、一度は死にかけ、その結果、死に魅了され、生きながら死の向こう側を幻視しつづける高校生・融(とおる)だ。
 周りの人間はいる。女も。いるにはいるけれども、どうしようもなく孤立している。
 そもそも「武曲」の二人は、ひとの形をしているけれども、ひとではない。けものである。それがひとの世にまぎれているのだ。孤独でないはずがない。
 研吾は父親を殺し損ない、それによっておとなになり損ねている。成人するための通過儀礼のひとつとして、父殺しの疑似体験があることは知られているが、お互いの生死をかけて果し合いをし、父親を植物人間にしてしまった研吾には、父殺しのリトライ、完遂はなしえない。永遠に大人にはなれないのである。
 そこに現れたのが、同じ獣の性をもつ融である。融は研吾と、そして彼の父親と同じ属性を持っている。つまり、剣道にのめり込んでいく。
 研吾と融は、台風の夜、研吾は己の父親と同類の融を倒す(疑似的に殺す)ことによって父殺しを完遂し、融は研吾に殺されかけることによって、死への恐怖を獲得し、二人は大人の獣になる。死の擬似体験も、通過儀礼としてよく知られている。死に魅せられるだけで、具体的な恐怖を感じないのは、実は子供の特権だ。
 お互いの生死をかけた切り合いの果てに、お互いの尾を食んで永遠に繋がるウロボロスのように、「武曲」の二人は円環を以て繋がるのである。

 「武曲」の原作も読んだのだが、読んでみて驚いたのは、原作は「開いた物語」であり、融が主人公の典型的なビルドゥングスロマンであったことだ。
 映画とは設定やエピソードの順番も違うし(融には洪水で死にかけたというトラウマはない)、何よりも映画は台風の夜の対決がクライマックスであるのに対し、原作ではその後の融の剣道一級審査での試合がクライマックスであることだ。その試合の中で、融は剣道を通じて「世界」と繋がる。
 成長するということは、私は、世界と繋がることだと思っている。広く浅くでも、狭く深くでもいい。人間は、世界と繋がらなくては生きていけないのだ。
 剣道に限らず、何かを極めようとすることは、ひどく内向きなものごとであっても、「世界」と繋がることである。針の一点を通して、宇宙を見ることができると言おうか。そういう、チャンネルが開いた瞬間のようなものが、原作の小説「武曲」のクライマックスでは描かれている。
 ところが映画「武曲」は完全に閉じた物語として創られており、原作とは正反対なのである。
 構成や作品としてのまとまり、全体的なバランス、綾野剛の演技力(酒乱の演技のリアリティがすごい。背中とか腹筋とかもストイックで美しい)、村上虹郎のみずみずしさ(私服も学生服もかわいい)、他のキャスティングの良さ(小林薫が父親役で、ラストにあの笑顔なんて完全に狙っているけどやられる)など、総合的に考えると、原作より映画のほうが作品としての完成度は高いが、そういう問題ではなく、完全に別の作品なのだろうなと思う。
 熊切和嘉の監督作品は、他に「私の男」を見ている。こちらも見事なほど「閉じた物語」だった。
 これが熊切監督の特性や嗜好なのかはわからないが、これから彼が人間と世界をどう表現していくかについては、注目していこうと思っている。

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mintel
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