バンコクナイツ
劇場公開日:2017年2月25日
解説
「サウダーヂ」で話題を集めた映像制作集団「空族」の富田克也が監督・脚本を手がけ、バンコクの歓楽街で働くタイ人娼婦と日本人の男たちが織り成す、失われた楽園を取り戻すための旅を描いたロードムービー。バンコクにある日本人専門の歓楽街タニヤ通り。タイの東北地方イサーンから出稼ぎに来て5年になるラックは、現在は人気店「人魚」のトップにのぼりつめ、ヒモの日本人男性ピンを連れ回し贅沢な生活を送る一方で、故郷の家族に仕送りをしていた。ある晩、ラックはかつての恋人である元自衛隊員オザワと5年ぶりに再会する。ラックとオザワはそれぞれの思いを胸に秘めながらバンコクを離れ、ラオスとの国境にあるラックの故郷へ向かうが……。第69回ロカルノ国際映画祭で、10代の若者が選ぶ「若手審査員・最優秀作品賞」を受賞した。
2016年製作/182分/日本・フランス・タイ・ラオス合作
配給:空族
スタッフ・キャスト
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2021年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
バンコクの歓楽街で働くタイ人女性と、やってくる日本人の男たちのドラマ。
セックス目当ての男ばかりではなく、本気で付き合うようになった男女は、それぞれの人生をどの様に切り開いていくのか。
丁寧に描いているが3時間はさすがに辛い。
2019年1月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
182分...なげえ...と最初は思ったがそんなことはなかった。正直物語の筋がどうとか日本語がちょっと聞き取れないとかそういうのは色々あって把握できたとは言い切れないのだが、なんというか、タイを旅している中でひとの感情を良いところも悪いところも全部引っくるめて見せつけられるというか...。映画の中の何か強いものに引っ張られるという体験をした気がする。
撮られている画が本当に美しくてハッとさせられることが多かった。
異文化を取り込んだ182分だった。
2018年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
2度鑑賞。
タイが舞台のロードムービー。バンコクの夜の雰囲気や、タイの美しい景色がとても印象的な作品。劇中の音楽も印象的で、田舎町の飲み屋でバンドが演奏しているシーンなんか最高だった。ストーリーは空族らしいオリジナリティに溢れた内容で、とても見応えがあった。
難解な作品でもあった。富田監督曰く、この作品はコッポラの「地獄の黙示録」に対する返答ということなのだが、その返答が何なのか明確に理解することは出来なかった。バンコクの夜の世界、戦争との関係、主人公とヒロインの関係など、複数の要素が混ざり合うことで、ボンヤリとしたメッセージは感じられたが、明確なメッセージまでは見えなかった。芯まで理解するには何度か観返す必要がありそう。
タイの魅力、空族の魅力が詰まっている作品。再上映の機会があったらもう一度観たい。
2018年1月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
前作「サウダージ」では、アイデンティティを失ってしまった行き場のない日本人が、現在の閉塞した日本社会の象徴の様に描かれていました。今作「バンコクナイツ」では、タイという異国で日本人というアイデンティティを捨ててしまった日本人が描かれています。
日本で言われる正しさは、無味無臭の世界。でも、世界は沢山の色で溢れていて、匂いがあって、正しくないことがいっぱい。「サウダージ」公開時より日本の閉塞はより一層強まっていると思うのですが、環境を変えて、違う価値感、知らない人達に触れることにより、沢山の匂いと味がしてくるのでしょう。わざわざ「自分探し」なんてお題目なんかがなくても、無味無臭から自分の匂いになると、日本人というアイデンティティが必要なくなるのかもしれません。
オザワなどの日本人とは逆に、ラックの方がイライラしながら頑張っている日本人みたいでそこが印象的でした。