カン・ドンウォン、首にガラスが刺さっても撮影続行!「MASTER」で極限アクションを披露
2017年11月10日 16:00
[映画.com ニュース] 韓国史上最大規模の金融投資詐欺事件を描いたクライムアクション「MASTER マスター」(公開中)で、正義に燃えるエリート捜査官を演じたカン・ドンウォンが来日し、全身全霊をかけたアクションシーンの舞台裏を語った。
ヒット作「監視者たち」を手がけたチョ・ウィソクがメガホンをとり、巧みな話術と綿密な計画で民衆から金を巻き上げる投資会社のチン会長(イ・ビョンホン)と韓国警察の知能犯罪捜査班のし烈な頭脳戦を描く本作。「群盗」「華麗なるリベンジ」で知られるカンが、警察の知能犯罪捜査班のリーダー、キム・ジェミョンに扮するほか、「チング 永遠の絆」「二十歳」で知られるキム・ウビンが、イ演じるチン会長の部下で、キム捜査官と手を組む天才ハッカー、パク・ジャングン役で出演する。
俳優としてだけでなく、ユニクロの広告塔も務め、1月には日本でもファンクラブが設立されるなど端正なルックスと長身のスタイルで人気を博すカン。しかし本作では、商売道具ともいえる顔に大けがを負ってもカットがかかるまで撮影を続行したというから恐れ入る。「(けがをしたのは)車が2台走っていて、向かい側の車が銃を撃って、窓ガラスが割れるというシーンでした。最初のテイクはすごくうまくいったんですが、監督に『顔がよく見えていなかったから、もう1回撮る』と言われて。僕としては顔が見えなきゃいけないと思ったので、(撮り直しの際は)向こうに顔が見えるようにしていたら、『バンッ!』って音がして、急にガラスの塊が飛んできたんですよ。それで破片が顔に刺さってしまった。でも、まだ撮影中だったので僕は運転を続けて、ようやくアクションが終わって車を停めて、車の中の鏡もすでに割れていたので、車を出てショーウィンドウを見たら血がダラダラ流れていて、ガラスが首に刺さっていたんです」。
本人はおだやかにほほ笑みながら当時を振り返るが、現場は騒然としたことだろう。カン自身も「顔全体から血が出ていたので、『あぁ、もう僕はもはやここまでだな』と感じましたね。死ぬ覚悟ということではなかったんですが、俳優としてこれからの活動に支障が出るんじゃないかなとは思いました。首にガラスが刺さっていたので、スタッフの皆さんも驚がくしていましたね」と俳優生命の終わりを覚悟したという。結果的には「顔を内側から3針、外側からは4針くらい縫った」そうで、「実は今、日本のアニメ『人狼 JIN-ROH』を基にした映画を撮っているんです。この作品でも爆発シーンが多いんですが、製作チームが『MASTER マスター』と同じなんですよ。彼らは『心配しなくていいよ』って言うけど、心配しないわけにはいかないですよね」と苦笑する。
正真正銘“命がけ”で挑んだ本作は、カンにとって忘れられない作品になったことだろう。本作の見どころを「どこのシーンで僕の首にガラスが刺さったかを見ていただければ。それが鑑賞ポイントになるかと思います」と冗談めかして語ったカンは、「カーチェイスも、ほぼ全部自分で運転しています。大きな車をバンバンぶつけるようなシーンを撮影できて、本当に楽しかったですね。全部のスタントを僕が演じたわけではないのですが、僕の顔が映るところは必ず僕自身が演じていました」と胸を張る。
そんなカンが最近のお気に入り映画に挙げるのが、「ベイビー・ドライバー」。「すごく面白かったです。あまりにもよすぎて怒ってしまったくらい(笑)。カーチェイスシーンもとても見事に撮っていましたね」。さらには、「今まで見た中で、1番よかったと思えたのは『エターナル・サンシャイン』と『ブレイブハート』。日本映画だと、『嫌われ松子の一生』や是枝(裕和)監督の作品も好きですし、韓国映画だと『殺人の追憶』や『グエムル 漢江の怪物』も好きですね」と日本映画への造詣も深い。伊坂幸太郎氏が原作、堺雅人主演で映画化もされた「ゴールデンスランバー」の韓国版も控えており、今後日本の映画ファンからもますます注目を浴びることになりそうだ。
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