第21回日プロ大賞授賞式 西島秀俊、榮倉奈々ら受賞者が喜びの声
2012年5月27日 12:15
[映画.com ニュース] 第21回日本映画プロフェッショナル大賞(日プロ大賞)の授賞式が5月26日、都内で行われ、主演男優賞を受賞した西島秀俊、主演女優賞を受賞した榮倉奈々、作品賞に輝いた「監督失格」の平野勝之監督とプロデュースを手がけた庵野秀明らが出席した。
会場となった東京・テアトル新宿には多くの女性客が駆けつけ、立ち見も出る盛況ぶり。お目当ては「CUT」で3度目の主演男優賞を手にした西島で、登壇と同時に大歓声があがった。自らの映画愛を貫くため、“殴られ屋”を営む映画監督を熱演し「自分でもよくやったな、頑張ったなと思える作品。限界を超えることができたし『今、世界で一番狂っている俳優はおれだ』と言える」と胸を張る。
原動力はメガホンをとったアミール・ナデリ監督の存在だったといい「異様なまでの熱気と熱意、愛に後押しされた」。ナデリ監督は監督賞を受賞し「日本映画の影響を受けた私が、外国人として受賞することができて光栄。この賞を日本の若い才能あふれるフィルムメーカーに捧げたい」と挨拶。「次回作は『MOUNTAIN』というタイトル」(ナデリ監督)と西島との再タッグ構想も飛び出し、2冠達成の「CUT」は受賞式の“主役”となった。
榮倉は「アントキノイノチ」(瀬々敬久監督)、「東京公園」(青山真治監督)での好演が評価されての受賞で「本当に夢のよう」と満面の笑みだ。海外でも注目を浴びる瀬々監督、青山監督とのタッグに「演出や役者への接し方はまったく違うが、おふたりとも裏表がない方。仕事を楽しんでいるし、誇りを持っているから、それが作品に反映されているんだと思う。私もそんな人間になりたい」とさらなるステップアップに目を輝かせた。
公私にわたるパートナーだった女優・林由美香さんを題材にしたドキュメンタリー「監督失格」が見事作品賞を受賞した平野監督は「賛否わかれたが、最後に賞をいただきうれしい。あの世の由美香も喜んでいるはず」と感無量。一方、庵野は同賞の実行委員長で、授賞式の司会を務めた映画ジャーナリストの大高宏雄氏から最新作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の進捗を問われ、「ちゃんとやっています。本当にやっていますから!」と語気を強める場面もあった。
「モテキ」で新人監督賞を受賞した大根仁監督は、缶ビール片手にリュックを背負ったまま登壇し「お察しの通りベロンベロン。スッピンなので、サングラスをかけたままで失礼します」と上機嫌。同じく新人監督賞に輝いた前田弘二監督(「婚前特急」)は一昨年までテアトル新宿で働いていた経歴をもち、かつての上司である劇場支配人から花束を受け取り、感激しきりだ。「恋の罪」(園子温監督)を製作し特別賞を受賞した日活・千葉善紀プロデューサーは「毎日、園監督とケンカしながらつくった作品。来年、再来年あたり、また一緒に皆さんをびっくりさせるような作品をつくりたい」。開催中の第65回カンヌ国際映画祭から帰国したばかりだといい「海外の監督と1本撮る予定で、その打ち合わせをしてきた」と新展開を示唆した。
同賞は、高い評価を得ながら既成の映画賞で受賞を逃した作品や、厳しい興行展開を強いられた秀作にスポットを当てる。大高氏を実行委員長に、日本映画プロフェッショナル大賞実行委員会が主催。今年は映画監督や脚本家、宣伝プロデューサーや映画評論家など21人が選考委員を務めた。授賞式後には「監督失格」をはじめ、西島が過去に同賞主演男優賞を受賞した「ニンゲン合格」(1998)、「さよならみどりちゃん」(2004)が上映された。
▽作品賞=「監督失格」
▽主演女優賞=榮倉奈々(「アントキノイノチ」「東京公園」)
▽主演男優賞=西島秀俊(「CUT」)
▽監督賞=アミール・ナデリ(「CUT」)
▽新人監督賞=大根仁(「モテキ」)、前田弘二(「婚前特急」)
▽特別賞=千葉善紀(「恋の罪」の製作に対して)
▽功労賞=緑魔子(「軽蔑」の演技と長年の功績に対して)
1位:「監督失格」
2位:「アントキノイノチ」
3位:「東京公園」
4位:「恋の罪」
5位:「まほろ駅前多田便利軒」
6位:「奇跡」
7位:「歓待」
8位:「軽蔑」
9位:「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」
10位:「婚前特急」
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