ローガン・ラッキー : 特集
あの「オーシャンズ11」シリーズ、10年ぶりの“最新章”!?
ソダーバーグ監督が“引退撤回してまで”撮りたかった「全米評価93%」作!
一発逆転&一獲千金! 豪華俳優陣だまし合いの《大ドンデン返し》最新映画
名匠スティーブン・ソダーバーグ監督が、映画監督引退宣言を撤回して、4年ぶりに映画界に復帰! レース場の収益金を狙う犯罪集団の姿を描く痛快クライム・エンターテインメント「ローガン・ラッキー」が、11月18日から全国公開。ダニエル・クレイグ、チャニング・テイタム、アダム・ドライバーら豪華キャストがクセモノ演技を披露する痛快作を見逃すな。
「オーシャンズ11」の従兄弟版!? 大ドンデン返し!? 全米批評家も保証!?
《見たい!》要素連発で──これは黙っちゃいられない!
スティーブン・ソダーバーグ監督が、豪華キャスト出演で犯罪チームの現金強奪を描く痛快クライム・エンターテインメント──とくれば、誰もがジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット出演の「オーシャンズ11」を思い出すはず。シリーズ最終作「オーシャンズ13」から10年を経て、まさかの“最新章”が登場した。田舎町に暮らすツキのないローガン兄弟とその仲間たちが、全米最大のカーレースで集まる大金を狙って、一発逆転の大仕事に挑む。登場人物は異なるが、「オーシャンズ」シリーズと同じ物語の構成を持つ「ローガン・ラッキー」は、まさに同作の“従兄弟版”。「やられた!」とうなる大ドンデン返しも待ち構える、映画ファンの「見たい」が詰まった興奮の必見作だ。
「オーシャンズ」とは銘打っていないが、ソダーバーグ監督自身が「本作は『オーシャンズ11』の従兄弟だ」と明言。設定やテイストが同シリーズとつながっていることを、絶妙の表現で認めている。ただし今度の主人公は、オーシャンとは真逆な男。「彼らには金も最新技術もないという点で、同作との逆を行く作品でもある」と、本作がオリジナルかつユニークな作品であると語っている。
往年の傑作「スティング」や、「ユージュアル・サスペクツ」「ファイト・クラブ」と、映画ファンなら誰もが「大ドンデン返し」映画が大好き。それが「クライム」ジャンルと掛け合わさっているとなれば、これ以上ないほどの魅力を放つ。「オーシャンズ11」自体が、大ドンデン返し×上質クライムで知られる傑作。本作もこの形式を踏襲した、待望の大ドンデン返しジャンル最新作なのだ。
設定やストーリーがどんなに魅力的でも、それだけで映画館に足を運ぶのはちょっと不安……。そういう人のためには、全米大手批評サイト「Rotten Tomatoes」での評価をお伝えしておこう。10月31日時点で「93%」というスコア。これは「ダンケルク」(92%)や「ドリーム」(92%)を上回る数字。内容が充実し、完成度もお墨付きなことは明らかだろう。
名匠ソダーバーグ復帰に映画ファンも歓喜!──そしてその理由が“本作”
「もう撮らないと決めていたがもう一度、“それだけ面白い”この脚本!」
本作のメガホンをとったのは、「トラフィック」でアカデミー賞監督賞、「セックスと嘘とビデオテープ」でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得した名監督、スティーブン・ソダーバーグ。ちょっと詳しい映画ファンなら、「あれ? 映画監督の引退宣言をしたのではなかったっけ?」と思うはずだが、その通り。4年前の「サイド・エフェクト」で映画界に別れを告げ、「より製作面での自由がある」として、近年はテレビ界を舞台に作品を送り出していたのだ。そのソダーバーグが、前言を撤回してまで手掛けた「映画」が本作。映画界への復帰は映画好きにはたまらない限りだが、それ程までにこの作品が魅力的だったと言えるだろう。
ソダーバーグがなぜ再び映画監督としてメガホンをとったのか。そのカムバックの理由は本作の脚本があまりにも面白かったから。驚異の新人レベッカ・ブラントから「どの監督に持ち込めばいいかアドバイスが欲しい」と託された脚本に、ソダーバーグ自身が「この作品を他人に監督させたくない」という思いに駆られてしまったのだ。
脚本の魅力に加え、監督は「映画をめぐる現在のデジタル環境の技術革新も大きかった」と話している。クオリティの保証に高い意識を持つソダーバーグは、今作のために北米大陸での配給を行う新会社まで設立。進歩したデジタル環境を活用し、少人数でも企画から公開まですべてのクオリティをコントロールできる新体制で、映画界にカムバックを果たした。
4年ぶりの映画復帰作だが、手腕は衰えていないのか? そんな心配もまったく無用だ。前述の「トラフィック」や、アカデミー賞5部門ノミネートの「エリン・ブロコビッチ」で観客を引きつけた才能は健在。近年のテレビ界での作品「恋するリベラーチェ」(日本では劇場公開)、「The Knick ザ・ニック」でもそれぞれパルム・ドール、エミー賞にノミネート。キャリアは申し分なしだ。
「007」ダニエル・クレイグが白黒のベビー服で囚人役?
どいつもこいつも「クセがすごい!!」こんな“彼ら”は本作だけ!
ダニエル・クレイグ、チャニング・テイタム、アダム・ドライバー、ヒラリー・スワンクと、オールスター・キャストが目を引く本作だが、おなじみのスターたちが「こんな役やるの!?」と意外な姿を見せるのが大きなポイント。「オーシャンズ」では洗練された犯罪のプロフェッショナルたちが一発逆転に挑んだが、こちらで一大犯罪計画を目論むのは、ある意味“底辺”にいる、素人同然のクセモノたちなのだ。こんな彼ら、見たことない。本作は他のクライム映画にはない、ユニークな作品でもある。
最も従来イメージを破壊しているのが、ダニエル・クレイグ。「007」のヒーロー役から一転して、今作では天才爆弾犯罪者役。すごみを利かせる凶悪ぶりだが、囚人服を「白黒のベビー服」と称したり、小銭を巻き上げてはゆでたまごを買うなど、どこか変なユーモアを漂わせる。誰の目にも超新鮮に映るはず。
ソダーバーグ作品の常連でもあるチャニング・テイタムは、今回、その底辺っぷりが最高。「マジック・マイク」で見せた鍛え上げた肉体はどこへやら。たっぷり緩んだお腹を披露し、職なし、金なし、家庭なしの冴えないリーダー役を演じている。唯一の心のよりどころである娘とのエピソードには、涙を誘われてしまうかも。
悪役といえば、「スター・ウォーズ」であのダース・ベイダーの跡目を継いだカイロ・レンが話題だが、そのレンを演じたアダム・ドライバーが、ローガン兄弟の弟役として出演。金庫を襲うのだから確かに悪役なのだが……そのまったりした独特のマイペースぶりは、レンとはまったく異質。テイタムとのコンビ芸に思わずニヤリとさせられる。
クレイグ、テイタム、ドライバーの3人に加えて、物語を彩る女優陣にも要注目だ。意外な登場で映画ファンを驚かせるのは、「ミリオンダラー・ベイビー」のオスカー女優ヒラリー・スワンク。「黄金のアデーレ 名画の帰還」の実力派ケイティ・ホームズが顔を見せたかと思えば、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」で注目を集めたライリー・キーオもキー・キャラクターとして登場。さらには「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」「エイリアン コヴェナント」のキャサリン・ウォーターストンも出演している。