ローガン・ラッキーのレビュー・感想・評価
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語り口の巧みさと個性的なキャラたちに心が弾む
ラスベガスを狙う「オーシャンズ」とは趣が違う。程よく泥と埃にまみれた何ともオーガニックな味わいがスクリーンから伝わってくる。ソダーバーグらしいアーティスティックな遊び心も随所に炸裂し、彼の映画のファンたちは久々の語り口のリズムに「そうそう、この感じ!」と歓喜せずにいられないはずだ。
構成として面白いのは、主人公が挑むミッションの「準備段階」と「実行」とが単純な繰り返しにならないところだろう。観客は準備段階から主人公のすぐそばに目線を据えているのに、実際にはその計画や進行内容についてほとんど知らされない。それゆえ一番身近な目撃者のようにすっかりとダマされながら、事の成り行きを見守ることになる。これぞ語りのマジック。この辺りの匙加減こそ、過去に幾度も犯罪計画をスクリーンに具現化してきたソダーバーグのなせるわざ。そしてこの物語を通じてそっと南部の人々の尊厳に心を寄せるところも実に彼らしい。
二度見したくなる仕掛けはさすがソダーバーグ流
チームを組んで大仕事をやってのける犯罪のプロたちをオールスターキャストで華麗に描いた「オーシャンズ」シリーズと比較されることの多い本作。だが一見して明らかに違うのは、今回徒党を組む面々のポンコツ感、ダメダメ感だ。チャニング・テイタムとアダム・ドライバーが演じるローガン兄弟は大ケガや戦傷のせいで人生下り坂。タイトルとは真逆のアンラッキーな二人とその妹、しゃれたスパイよりガテン系の悪党のほうがよほど似合うダニエル・クレイグが扮する爆破の専門家(プロと呼べるのはこの男だけ)と頭のネジが緩そうな弟二人で、人気カーレースの当日に会場の金庫から大金を奪うというのだから、観ている方は笑ったり呆れたりしながら、おいおい大丈夫か、しっかりしろとつい応援したくなる。
あっと驚く結末を知った後はきっと最初から見直したくなるはず。ソダーバーグ監督の復帰作、大ヒットして続編、3作目とシリーズ化されることに期待。
ローガン・ラッキー
カリフラワー
「賢い兄貴」
アンラッキーなジミーとクライドのローガン兄弟。ジミーは仕事を解雇されてしまい、NASCARレースの最中に会場から大金強奪を計画。クライドのほか、妹メリーと刑務所にいるジョー・バングとその弟たちと協力し。
まずタイトルのゴロが良いです。「オーシャンズ」シリーズのテイスト、テンポ、後味を再び楽しめました。「カントリーロード」がまたいい味出してます、歌詞ではっきりわかるウエストバージニアを舞台にしていますし。鑑賞後に解説を読み、さらに納得。ジミーは欲張らずに、誰に報復したか、解雇のもととなった保険会社だったんですね。
ダニエル・クレイグの怪演が印象深い
足が不自由な主人公(チャニング・テイタム)
が弟で片腕のバーテンダー(アダム・ドライバー)と盗みの達人で受刑者(ダニエル・クレイグ)と一緒に大金を盗む話。
ダニエル・クレイグが汚い言葉を使い、何考えてるか分からないヤバそうな受刑者を演じていた。
ダニエル・クレイグでこういうイメージはなかったので、ビックリ🫨
計画の最中に予想外なことが次々と起き、どういう展開になるのか目が離せなくなった。
受刑者と刑務所長のやり取りなどコメディ調でもあり、見やすかった。
ただ、盗んだお金は迷惑かけた人たちや身近な人たちに山分けといっても、そのまま罪を償わずに暮らすオチでいいのかなと思ってしまった。
お父さんが大好きな娘に顔向けできないと思うが…
面白かった
ゲラゲラ笑うほど面白くなく、どんでん返しに驚くほどでもない
鉄腕アダム
この映画のことは知らなかったので、新作だと思っていたら、よく見たら2017年公開と書いてあったので、再映だったのですね。
カーレースの売上金強奪と言うと、競馬の売上金強奪を描くスタンリー・キューブリック監督の「現金に体を張れ」を思い出すが、あちらの方の計画はもっとシンプルだった(時間が何度も前後する話法が特徴的だが)。計画が複雑になればなるほど失敗の危険も増すように思うが、そこはそれこの映画では終始“ラッキー”に切り抜けていく。普通に考えると、現金強奪より脱獄の方が輪をかけて難題のはずだが、ゆるゆるの流れで成功してしまう(あの便所の裏側はどこにつながっていたんだろう?)。すべてが水泡に帰すタイミングは結構あったような。
犯罪チームの物語と言えば、ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダーシリーズがあるが、車でどの道を通ったかを滔々と語るローガン妹はまるでスタン・マーチみたいだ。
盗んだ金を放棄したように見せかけて一部手元に残すという筋書きは、ドラマ「イチケイのカラス」の挿話にも出てきた。総じてうまく行き過ぎているきらいはあるが、気持ちのいい話のたたみ方である。
リアーナをやめてジョン・デンバーを歌うというのは、日本だとアイナ・ジ・エンドから鳥羽一郎に変更するようなものだろうか。
ソダーバーグの最高傑作!かもしれない
油断したつもりはなかったが完全に虚をつかれてしまったね。
だって、ガサツでマヌケなヤローどもがおバカな頭をフル回転させてラッキーと腕力とドラッグでハチャメチャやるクライムコメディだと思うよね?
このダニエル・クレイグを見てよ。いかにも暴れて壊して無茶苦茶やりそうでしょ。チャニング・テイタムもアダム・ドライバーも知性とは程遠いような役作りをしてるじゃない。
それが、なんということでしょう。どこからグダグダになっていくのかななんて気持ちで観ていたら全くの逆で、知的で緻密な犯罪計画がスピーディーでスタイリッシュに展開されていったよ。
中盤まで能天気に観ていたせいで色々と伏線を見逃しちまったよ。後で嫁さんに教えてもらったよ。チクショーめ。
終わった後に監督がスティーヴン・ソダーバーグだと知って、なんかもう最初の自分が抱いていたイメージから操作されていたようで悔しいよ。
ジョー・バングの弟二人は正真正銘のマヌケなんだけど、この二人の登場がおバカ映画であるに違いないと私の思考を引っ張りまくったんだ。これだって絶対イメージ操作だよ。
ジョー・バングに説明されてもなお、大量のダイナマイトで吹っ飛ばすもんだと心のどこかで思っていたよ。それがなんだよ、ダニエル・クレイグはダイナマイトどころか暴力すら振るわないよ。結構紳士だよ。
これ全部ソダーバーグの手のひらの上でコロコロされただけだよ。ホントに悔しいよ。
もうソダーバーグの最高傑作でいいよ。
ガサツに見えて実は「オーシャンズ11」よりも繊細な犯罪映画で、カントリーロードとタイトルにもなっているローガンラッキー(ローガン家の呪い)と笑いをスパイスにした極上エンタメだったよ。チクショーめ!
アンラッキー・ローガンの綿密なる犯罪計画
アメリカ南部を舞台にした、乾燥した空気感のクライムミステリ。
東南部の州、ノースカロライナ。
ジミーとクライドのローガン兄弟は、地元では有名なアンラッキー家族の一員。
まともな仕事がなく、犯罪者の子供が同種の犯罪を受け継ぐようなアメリカの片田舎で、地元の大箱シャーロット・モーター・スピードウェイ で開催される一大イベント、NASCARレースで最も金の動くコカ・コーラ600の集金所を狙う。
だが二人で行うには巨大すぎる計画となり、周りにアンラッキーなローガン・ファミリーと組むような物好きはいない。
やっと見つけた協力者は、優秀なドライバーの妹メリー、刑務所で服役中の金庫破りジョー・バング、そして奇妙なこだわりを持つジョーの弟たちだけ。
ジョーの脱走計画に、ジミーの元妻が養育する娘セイディの歌唱コンテストも重なり、スケジュールがどんどん散らかってゆくこの計画を、ローガン兄弟は果たして成功させる事ができるのか。
アメリカ南部の独特の空気の中、一癖も二癖もある南部男たちの、奇妙な文化と風習と価値観にまみれた犯罪計画。
セイディの幼い声で歌われるジョン・デンバーのカントリーロードも、つまずきだらけの計画にいらだったジョーと観客を和ませてくれます。
失敗に失敗を重ね、絶対に計画遂行は無理だと思わせてからの驚きのラスト。
レースのような息をつかせぬ疾走感で一気に駆け抜け、全てが終わった時に、一体だれが幸せになったのか。
計画後、FBI捜査官の視点から内容が語られるスタイルも非常にクール。
南部のコミュニティを描くドラマとしても、個性的なプロたちによるチームケイパー物としてもお勧めできる、オーシャンズ・シリーズを立ち上げたスティーブン・ソダーバーグの力量を示した好編です。
なぜまた「カントリーロード」?と思っていたら・・・
『エイリアン:コヴェナント』と同じ冒頭文。今年(2017年)2回目の「カントリーロード」がメインで使われるのも偶然かなと頭を働かせていると、なんとその『エイリアン:コヴェナント』の主役でもあるキャサリン・ウォーターストンが出演している!その歌詞にもあるウェスト・バージニア州がメインとなる作品です。
鉱山で働くジミー・ローガン(チャニング・テイタム)は足が悪いという理由で理不尽にも解雇される。弟のクライド(アダム・ドライヴァー)は戦争で左手を失うという不幸に見舞われるが、なんとかバーテンダーとして働いている。“呪われたローガン一家”と噂されるが、ここらで起死回生の一発を!と、NASCARのレース中に地下の金庫に集められる売上金を強奪しようと計画を立てるのだ。
壁に貼ってある計画の10か条は全然計画になってないし、かなり行き当たりばったりなのかと思っていたら、そうでもない。まずは爆破のプロであるジョー・バング(ダニエル・クレイグ)の協力が必要となったため、刑務所で面会し、彼を脱獄させ、強盗終了後に再び刑務所に戻すという作戦だ。そのため、クライドがコンビニに車で突っ込み、同じ刑務所に入るという、ちょっとふざけた計画。さらにメリー・ローガン(ライリー・キーオ)と、バングの2人の弟をも仲間に入れる。
全編通してゆるい会話で笑わせてくれる。盗みのシーンもどことなく可笑しい。エアシューターの一部を爆破で壊して現金を吸い取るという珍しい手法なのですが、クライドの義手が間違って吸い込まれるとか、ボケすぎだ。計画は居なくなったクライドとジョーのため刑務所内でも実行される。完全犯罪とするべく、意外にも細かな計画が立てられていたのだった。欲を出すと失敗する。ということが印象に残る。
FBI捜査官役でヒラリー・スワンクを使うなど、かなり贅沢な配役です。なんとも疑わしいローガンたちであったが、アリバイにも気をつかっているので、捕まえることもできない。しかも、盗んだ金の大半をガソリンスタンドに置いて行って、金額さえハッキリさせないところもよかった。
【2017年11月映画館にて】
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