ラスト・ブラッド : 特集
「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンが主演、「ラスト・サムライ」の小雪と壮絶な戦いを繰り広げる「ラスト・ブラッド」が5月29日に世界最速で公開される。香港・フランス合作で、ジヒョンにとっては初の海外進出作で、ハリウッド映画にも匹敵するスケールの作品として仕上がっている。近年、アンジェリーナ・ジョリーらの活躍によって、ひとつのジャンルとしてすっかり定着した“アクション・ヒロイン映画”の系譜に加わる一作として、是非注目したい。(文・構成:村上健一)
また、本作の主演チョン・ジヒョンのインタビューや、実写版と原作アニメの2大プロデューサーのインタビューもあわせてお届けする。
新たな“アクション・ヒロイン映画”「ラスト・ブラッド」誕生!
■アクション・ヒロイン映画が熱い!
古くはジーナ・ローランズの「グロリア」やパム・グリアーの「コフィー」、近年ではキャメロン・ディアスの「チャーリーズ・エンジェル」、アンジェリーナー・ジョリーの「トゥームレイダー」、そしてミラ・ジョボビッチの「バイオハザード」などなど、強くて美しいヒロインが、男性はもちろん、同じ女性の共感までも集めて観客を魅了し続けている。細くて長い手足を用いて、銃器や剣、そしてカンフーを繰り出して敵をなぎ倒していく美しい姿――その系譜に連なる新たな注目作が、いよいよ5月29日、全世界に先駆けて日本で公開となる。チョン・ジヒョン主演「ラスト・ブラッド」だ。
地下鉄の車内で、邪悪な目を宿した男を日本刀で一刀両断にするセーラー服の少女。「ラスト・ブラッド」は、400年以上続くオニと人間の戦いに終止符を打つべく、人間側に立って戦い続ける16歳の少女、サヤの物語だ。彼女の目的はただひとつ、自分の父親を殺したすべてのオニの起源であり、最強の敵オニゲンを討つこと。そのミッション遂行のため、サヤはアメリカ空軍関東基地内にあるアメリカン・スクールに潜入を開始する……。
本作で最も異彩を放つのは、ヒロイン、サヤのビジュアルイメージに違いない。セーラー服におさげの黒髪、そして日本刀――下記の表で、代表的なアクション・ヒロイン映画を挙げてみたが、そのほとんどが“成熟した女性”が主人公。確かに、過酷な運命を背負った者、日本刀を武器にする者は登場してきたが、これほどまでに儚さと哀しさ、そして強さを感じさせる“少女”が登場したことはなかったのではないか? サヤは、現在最も進化したアクション・ヒロインと言っても過言ではない。
タイトル | 女優 | 使用武器 | 任務・目的など |
「ウォンテッド」 | アンジェリーナ・ジョリー | コルトガバメント、コーナーショットほか | 謎の暗殺組織に主人公を誘うタトゥー美女。弾を曲げるなどの超ワザを披露 |
「トゥームレイダー」 | アンジェリーナ・ジョリー | H&K USP MATCH | 父の遺志を継ぎ、古代秘宝の壮大な謎に挑む女トレジャー・ハンター |
「バイオハザード」 | ミラ・ジョボビッチ | ベレッタM92F(シルバーモデル) | ウィルス禍でゾンビが溢れる世界で、自身の誕生の秘密に迫る。格闘にも優れる |
「キル・ビル」 | ユマ・サーマン | 日本刀 | 暗殺団のボス、ビルを殺せ!昏睡から覚め、夫と娘の復讐の旅に出る“花嫁” |
「チャーリーズ・エンジェル」 | キャメロン・ディアス | カンフー | 誘拐されたIT社長を救うため、潜入捜査を開始する秘密エージェント |
「ターミネーター」 | リンダ・ハミルトン | XM177、M870ほか(第2作) | 人類の未来を担うリーダーの母。宿命に目覚めた第2作では、パワフルに変貌 |
「エイリアン」 | シガニー・ウィーバー | M41Aパルスライフル(第2作) | 宇宙生物に襲われた宇宙船で唯一生き残るが、その後彼らと因縁の関係に… |
「アンダーワールド」 | ケイト・ベッキンセール | ベレッタM92F、ワルサーP99ほか | 狼男と戦い続けるバンバイアの女戦士。フルオートで銃を乱射、格闘にも優れる |
「イーオン・フラックス」 | シャーリーズ・セロン | ハンドガン、サブマシンガンほか | 独裁体制化の未来都市で戦う反政府組織の女暗殺者。格闘にも優れる |
「LOVERS」 | チャン・ツィイー | 剣、棒、舞い | 遊郭で評判を呼ぶ盲目の踊り子。反乱分子を追う2人の男と策略を繰り広げる |
「ラスト・ブラッド」 | チョン・ジヒョン | 日本刀 | 父の仇である“オニゲン”を倒すため、闇にまぎれてオニと戦い続けている |
■“アクション・ヒロイン”を演じてこそのトップ女優!
そのサヤを演じるのは、「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」で絶賛されたチョン・ジヒョン。アクション監督を務めたコーリー・ユン(「レッドクリフ」)をも唸らせた、初挑戦とは思えない激しい立ち回りを披露する。いまや“アクション・ヒロイン”といえば、演技力を備えたトップ女優が演じて当たり前。まさに、ジヒョンはうってつけの逸材と言えるだろう。
そして宿敵オニゲンには、「ラスト・サムライ」の小雪。妖艶な美しさと残忍さを見事に体現し、2大アジアン・ビューティーによる美しく激しいラスト・バトルを繰り広げる。
原作は、知る人ぞ知る押井守企画、プロダクションI.G制作のアニメーション「BLOOD THE LAST VAMPIRE」。「キル・ビル」のタランティーノ監督にも多大な影響を与えた同作を、フランスの俊英クリス・ナオン監督と「グリーン・デスティニー」のプロデューサー、ビル・コンが香港・フランスの合作で実写映像化。主題歌をGLAYが担当し、新曲「I am xxx(アイアム)」を提供するなど、アジアとヨーロッパの才能を結集、全世界規模の作品として完成させた。
確かな演技に裏打ちされた華麗なるアクション――新たなアクション・ヒロイン映画の誕生、そして真のトップ女優として世界にうち出るチョン・ジヒョン、その瞬間を目撃すべし。
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【特別映像配信】チョン・ジヒョンのアクションをチェック!
アクション映画が初めてとは思えないほどに、激しくも流麗なアクションを披露しているチョン・ジヒョン。しかし、その裏にはプロの女優としての多大な努力が。今回は、そんなジヒョンのアクションシーンを中心に、本編と撮影時の様子がわかる映像を織り交ぜた特別映像を配信する。