第48回日本アカデミー賞、新人俳優賞の受賞者8人発表 齋藤飛鳥、赤楚衛二、板垣李光人、森本慎太郎らが受賞【受賞作品・役どころ紹介】
2025年1月21日 17:18
「第48回日本アカデミー賞」の授賞式に先立ち、15部門と新人俳優賞の受賞者・作品が発表された。新人俳優賞には、齋藤飛鳥、渋谷凪咲、山田杏奈、赤楚衛二、板垣李光人、越山敬達、齋藤潤、森本慎太郎の8人が選出された。
※受賞者の出演作品が投票結果の10位以内に複数ある場合は、受賞対象作品とします。作品名は上位のものから表記。
「【推しの子】 The Final Act」は、赤坂アカ氏(原作)と横槍メンゴ氏(作画)による大ヒットコミック「【推しの子】」の実写映画版。Amazonと東映がタッグを組んだ実写映像化プロジェクトとして、2024年11月28日からAmazon Prime Videoでドラマシリーズ「【推しの子】」全8話を配信しており、映画は、ドラマシリーズの続きとなる。
主人公の青年が、自身が大ファンだったアイドルの子どもとして転生するというファンタジックな設定、ショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、芸能界の闇に切り込んだ内容で話題を集めた。映画版では、物語のはじまりである、アイドルグループ「B小町」の伝説的アイドル・アイ(齋藤)と雨宮吾郎(成田凌)の出会いと転生、そしてゴローが転生した青年・アクア(櫻井海音)の復讐劇の行方を描く。
「あのコはだぁれ?」は、清水崇監督が、「ミンナのウタ」の“DNAを引き継ぐ作品”として手がけたホラー映画。夏休みの補習授業中の教室を舞台に、そこにいないはずの“あのコ”が巻き起こす恐怖を描き出す。
夏休みに臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷)の目の前で、ひとりの女子生徒が突然屋上から飛び降り、不可解な死を遂げる。教室にいるはずのない生徒の謎に気付いたほのかは、補習を受ける三浦瞳(早瀬憩)や前川タケル(山時聡真)らとともに、生徒たちの間で囁かれる“あのコ”にまつわる驚きの真実にたどり着く。
「ゴールデンカムイ」は、久保茂昭監督(「HiGH&LOW」シリーズ)が、明治末期の北海道を舞台に、アイヌ埋蔵金争奪戦の行方を描いた野田サトル氏の大ヒット漫画を実写映画化したもの。
日露戦争での鬼神のごとき戦いぶりから「不死身の杉元」の異名を持ち、ある目的のために一獲千金を狙う杉元佐一(山﨑賢人)は、北海道の山奥で、砂金採りに明け暮れていた。ある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を見つけ出すべく動き始めた杉元は、野生のヒグマに襲われたところをアイヌの少女・アシリパ(山田)に救われる。彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇を討つため、杉元と行動をともにすることになる。
「正体」は、藤井道人監督(「新聞記者」)が、染井為人氏の同名ベストセラー小説を映画化したサスペンスドラマ。
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件を起こして逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)が脱走した。鏑木を追う刑事・又貫征吾(山田孝之)は、逃走を続ける鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べる。しかし彼らが語る鏑木は、それぞれが全く別人のような人物像だった。さまざまな場所で潜伏生活を送り、姿や顔を変えながら、間一髪の逃走を繰り返す鏑木。やがて彼が必死に逃亡を続ける真の目的が明らかになる。山田は、長野の介護施設で働く鏑木と出会い、恋心を抱く酒井舞を演じた。
「六人の嘘つきな大学生」は、佐藤祐市監督(「キサラギ」)が、浅倉秋成氏による大ヒットミステリー小説を映画化した密室サスペンス。
物語の中心となるのは、人気エンタテインメント企業の新卒採用で最終選考に残った6人の就活生。「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨む」という課題を与えられた彼らは、全員での内定獲得を目指して万全の準備で選考の日を迎えるが、急な課題の変更が通達される。6人のなかで勝ち残るのはひとりだけで、そのひとりは彼ら自身で決めるというのだ。
戸惑う彼らに追い打ちをかけるかのように、6通の怪しい封筒が見つかる。そのなかには「詐欺師」「犯罪者」「人殺し」など、6人それぞれを告発する衝撃的な内容が記されていた。やがて会議室という密室で、6人の本当の姿が次々と暴かれていく。赤楚は、真っ直ぐな性格でムードメーカーとなる波多野祥吾を演じた。
「もしも徳川家康が総理大臣になったら」は、武内英樹監督(「翔んで埼玉」)がメガホンをとり、眞邊明人氏の同名ビジネス小説を原作に、AIで復活した偉人たちによる最強ヒーロー内閣の活躍を描いたコメディ映画。
コロナ禍の2020年、首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死した。かつてない危機に直面した政府は最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活させ、最強の内閣をつくることに。江戸幕府をつくった伝説の男・徳川家康(野村萬斎)を総理大臣に据え、織田信長(GACKT)や豊臣秀吉(竹中直人)といった偉人たちが集結した夢のような内閣が誕生する。その圧倒的なカリスマ性と実行力に日本中が熱狂するなか、アナウンサー志望の新人テレビ局員・西村理沙(浜辺美波)はスクープを狙い、政府のスポークスマンを務める坂本龍馬(赤楚)に接近する。
「八犬伝」は、曽利文彦監督(「ピンポン」)が、山田風太郎氏の同名小説を映画化したもの。里見家の呪いを解くため、運命に引き寄せられた8人の剣士たちの戦いをダイナミックに活写する“虚構”パートと、その作者である江戸時代の作家・滝沢馬琴の創作の真髄に迫る“実話”パートを交錯させて描く。
人気作家・滝沢馬琴(役所広司)は、友人である絵師・葛飾北斎(内野聖陽)に、構想中の新作小説について語り始める。それは、8つの珠を持つ「八犬士」が運命に導かれるように集結し、里見家にかけられた呪いと戦う物語だった。その内容に引き込まれた北斎は、続きを聞くためにたびたび馬琴のもとをを訪れるようになり、ふたりの奇妙な関係が始まる。板垣は“虚構”パートのなかで、「八犬士」のひとりで、美しすぎる女装姿で敵に迫る犬坂毛野役を務めた。
「はたらく細胞」は、永野芽郁と佐藤健が共演し、武内英樹監督(「翔んで埼玉」)がメガホンをとり、人間の体内の細胞たちを擬人化した斬新な設定で話題を集めた同名漫画を実写映画化したもの。原作漫画「はたらく細胞」とスピンオフ漫画「はたらく細胞 BLACK」の2作品をもとに、ある親子の体内世界ではたらく細胞たちの活躍と、その親子を中心とする人間世界のドラマを並行して描く。
人間の体内には37兆個もの細胞が存在し、酸素を運ぶ赤血球や細菌と戦う白血球など無数の細胞たちが、人間の健康を守るため日夜はたらいている。高校生の漆崎日胡(芦田愛菜)は、父の茂(阿部サダヲ)とふたり暮らし。健康的な生活習慣を送る日胡の体内の細胞たちはいつも楽しくはたらいているが、不規則・不摂生な茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちが不満を訴えている。そんななか、彼らの体内への侵入を狙う病原体が動き始め、細胞たちの戦いが幕を開ける。板垣は、新米赤血球を演じた。
「陰陽師0」は、平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明の活躍を描いたベストセラー小説「陰陽師」シリーズを原作に、晴明が陰陽師になる前の物語を、原作者・夢枕獏氏の全面協力のもと映画化した、完全オリジナルストーリー。佐藤嗣麻子(「アンフェア」シリーズ)が監督と脚本を手がけた。
舞台は、呪いや祟りから都を守る陰陽師の学び舎であり行政機関でもある「陰陽寮」が、政治の中心となっていた平安時代。青年・安倍晴明(山﨑賢人)は天才と呼ばれるほどの呪術の才能をもっていたが、陰陽師になる意欲も興味もない人嫌いの変わり者だった。ある日、彼は貴族の源博雅(染谷将太)から、皇族の徽子女王(奈緒)を襲う怪奇現象の解明を頼まれる。衝突しながらも、ともに真相を追う晴明と博雅は、ある若者が変死したことをきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀に巻き込まれていく。板垣は、晴明に興味を抱く帝に扮した。
「ぼくのお日さま」は、奥山大史(「僕はイエス様が嫌い」)が監督・脚本・撮影・編集を手がけ、池松壮亮を主演に迎えて撮りあげた商業映画デビュー作。
舞台は、雪の降る田舎町。ホッケーが苦手なきつ音の少年・タクヤ(越山)は、ドビュッシーの曲「月の光」に合わせてフィギュアスケートを練習する少女・さくら(中西希亜良)に心を奪われる。ある日、さくらのコーチを務める元フィギュアスケート選手の荒川(池松)は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似して、何度も転ぶタクヤの姿を目にする。タクヤの恋を応援しようと決めた荒川は、彼にフィギュア用のスケート靴を貸して練習に付き合うことに。やがて荒川の提案で、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習を始めることになる。
「カラオケ行こ!」は、山下敦弘監督(「リンダ リンダ リンダ」)、脚本家・野木亜紀子(「ラストマイル」)がタッグを組み、変声期に悩む合唱部の男子中学生と歌がうまくなりたいヤクザの交流をコミカルに描いた、和山やま氏の同名人気コミックを実写映画化したもの。
中学校で合唱部の部長を務める岡聡実(齋藤)は、ある日突然、見知らぬヤクザの成田狂児(綾野剛)から、カラオケに誘われる。戸惑う聡実に、狂児は歌のレッスンをしてほしいと依頼。組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだという。狂児の勝負曲は、「X JAPAN」の「紅」。嫌々ながらも歌唱指導を引き受ける羽目になった聡実は、カラオケを通じて少しずつ狂児と親しくなっていく。
「正体」は、藤井道人監督(「新聞記者」)が、染井為人氏の同名ベストセラー小説を映画化したサスペンスドラマ。
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件を起こして逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)が脱走した。鏑木を追う刑事・又貫征吾(山田孝之)は、逃走を続ける鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べる。しかし彼らが語る鏑木は、それぞれが全く別人のような人物像だった。さまざまな場所で潜伏生活を送り、姿や顔を変えながら、間一髪の逃走を繰り返す鏑木。やがて彼が必死に逃亡を続ける真の目的が明らかになり……。森本は、大阪で日雇い労働者として働いていた鏑木と親しい友人となるが、犯人ではないかと疑う野々村和也を演じた。
本年度は、羽鳥慎一(第43回授賞式より連続6回目)と安藤サクラ(第47回最優秀主演女優賞受賞)が司会を務める。授賞式は、25年3月14日に東京・グランドプリンスホテル新高輪で開催される。