子供の頃から一緒に卓球をやってきた、ペコ、スマイル、アクマの3人が、高校卓球でそれぞれの道を行き、成長する話。
やっと、観られた。
ペコとドラゴンに関しては、いい出来だねー
二人の試合の終盤は、窪塚さん、中村さんの表情を筆頭に、原作のいいところを、かなり描けていると感じた。
ペコは、ドラゴンを高いところへ実際に連れて行っている感じだし、ドラゴンの「ここは、いい…」というセリフも見事に決まっている、(歌舞伎俳優は、決めゼリフは、やはり上手だ!)
ただ、2時間の映画に集約するために、それ以外はかなりを圧縮。スマイルの覚醒をかろうじて描き切っているくらいか。
この映画を観た人には、是非、原作も楽しんでほしい!
映画では、時間の制約から入りきらないエピソードの数々を読んで、作者である松本さんが描き出す、敗者への静かな思いを、感じとってほしい。
なぜなら、脇役が負けた時のちょっとしたエピソードにこそ、原作者松本さんの優しさは溢れているので、是非お楽しみください。
例えば、コン(チャイナ)にスコンク(0点で負けること)で敗れた無名の男の、「海、行くか…」というセリフを味わってほしい。そんなことは一言も描いてないのに、「そうだよな。どんなヤツも、自分なりに一所懸命やってきたんだよな」と思い起こさせるこのシーンは、主役から遠く離れたところのワンシーンでしかないけど、松本さんの真骨頂だと思う。
繰り返しになるけれど、このシーン、残念ながら映画にはありません。
他にも、アクマの努力とどうしようもない苦悩、バタフライジョー(コーチ)の天才しか味わえない悩み等、あふれかえってます。
そして、それなりにイカツイのに、最初から最後までずっと冷たくてかつ頼りないキャプテンが、最後の試合の前にかける最高のセリフ! こればかりは、漫画全5巻(55話)を読んだ人だけが味わえる至福の体験だと思う。
さあ、みんな、原作を読もう!