【7月13日はハリソン・フォード81歳の誕生日】インディ卒業も、俳優業は続投! 華麗なるキャリアを13作品で振り返る
2023年7月13日 12:00

本日7月13日はハリソン・フォードの81歳の誕生日。現在、世界中で大ヒットしている人気シリーズ最新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」は、フォードにとって“インディ卒業”作品となった。しかし、俳優業から引退する意思はないといい、先日も「働いていないと調子が悪い。自分が役に立っていると感じることが好きなんだ」と、ファンには嬉しい現役続投宣言が飛び出したばかり。

実際、今後もApple TV+のドラマ「シュリンキング 悩めるセラピスト」へのレギュラー出演や、マーベル・スタジオの最新作「サンダーボルツ(原題)」など多くの出演作が控えている。そんなフォードの華麗なるキャリアを、「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「スター・ウォーズ」シリーズを中心に、ディズニープラス配信13作品で振り返る。

考古学者のインディ・ジョーンズが、冒険を繰り広げる本シリーズ。第1作の舞台は、第2次世界大戦前夜の1936年。旧約聖書に記されている十戒が刻まれた石板がおさめられ、神秘の力を宿しているという契約の箱(=聖櫃)をめぐって、その威力を手に入れようとするナチスドイツが、インディと争奪戦を繰り広げる。過酷なロケが続き、出演者やクルーが、次々と病気やケガに見舞われた本作だが、フォードもまた例外ではなかった。生水を飲んでしまったフォードの体調不良から、「ムチを愛用するインディが、剣を振り回す悪者を銃でしとめるシーン」が誕生したのは、有名なエピソードだ。

また、エンジンがかかったままの戦闘機の近くで、殴り合いの格闘シーンを撮影した際には、地面に横たわったフォードの足が、戦闘機の車輪にひかれるハプニングも。車輪は幸いゴム製だったため、骨を砕くことはなかったが、左足のじん帯を切る重症を負った。それでも、ロケ地となったチュニジアの病院には行かず、じん帯に包帯を巻いて、氷で冷やしながら、撮影は続行された。劇中には、鏡に映る傷だらけの体に「長旅のせいさ」と愚痴るシーンがあるが、これはフォード本人の心の叫びかも?

インドの山奥に不時着したインディは、さびれた村にたどり着き、長老から村の秘宝であるサンカラ・ストーンが奪われ、子どもたちも邪教集団にさらわれたと聞かされる。前作で実現しなかった激流下りやトロッコ・チェイスが盛り込まれ、フォードはアクションスターとしての本領を発揮。ただ、ゾウに乗って移動するシーンが原因で、以前から繰り返していたギックリ腰が悪化し、撮影から離脱する緊急事態も。数週間の療養を経て、映画冒頭の舞台となる「クラブ・オビ・ワン」での撮影で、復帰を果たした。

その「クラブ・オビ・ワン」で偶然出会い、冒険に巻き込まれる歌手ウィリー・スコットと織りなすロマンスも、作品のエッセンスになっている(スコット役のケイト・キャプショーは、その後、スティーブン・スピルバーグ監督と結婚)。また、本作はフォードに、インディの相棒であるショーティ役のキー・ホイ・クァンとの出会いももたらした。全世界6000人の候補者から抜てきされた当時、クァンは12歳だった。
そして38年後、フォードは第95回アカデミー賞授賞式で、クァンが同助演男優賞を受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の作品賞プレゼンターを務めた。同作は作品賞を獲得し、ステージ上で抱き合うクァンとフォード、その姿を客席から見守るスピルバーグ監督とキャプショーという、感動的な光景が繰り広げられた。

インディは、とある富豪から、最後の晩餐に用いられ、キリストの血を受けた聖杯の捜索を依頼される。難色を示すインディだったが、捜索中に行方不明になった前任者が、父親のヘンリーだと知り、依頼を引き受ける。冒頭の約13分で若きインディ(演じるのは、本作の4年後、23歳で早逝するリバー・フェニックス)の冒険とともに、トレードマークである帽子にまつわるエピソード、ヘビ嫌いになった理由、アゴに傷を負ってしまった瞬間など、世界中で愛されるインディの“ルーツ”が描かれる。

何より、インディの人物像に強く影響を与えているのが、父親ヘンリーの存在だ。根っからの冒険家であるインディに対して、ヘンリーは昔気質の学者肌。正反対の親子のギクシャクした関係性がときに笑いを、ときに感動をもたらした。父親に対し「ジュニアって呼ぶな!」とキレるフォードの姿は、本作のテーマである親子の葛藤を象徴している。ヘンリー役を務めるのは、人気スパイ映画「007」シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で知られるショーン・コネリー。「007」こそが、「インディ・ジョーンズ」のルーツであることを考えると、これ以上ないキャスティングだ。

前作から19年ぶりとなるシリーズ第4作は、ソ連が台頭した1957年の世界を舞台に、南米アマゾンの山奥に眠る、神秘的なパワーが宿った秘宝クリスタル・スカルをめぐる冒険を描いた。公開当時、フォードは66歳。それでも、サイズの修正を検討するため、自宅にテスト用の衣装が送られてきた際、「まるで手袋のようにピッタリだった。本当に心地良く感じたから、これならいけると思った」と振り返るほど、体型に変化はなかった。また、インディのトレードマークであるムチも、使う感覚はすぐに取り戻したという。

本作には、「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」にインディの元恋人として登場したマリオン・レイヴンウッド(カレン・アレン)が再登場。インディが結婚式直前に蒸発し、マリオンが別の男性と結婚していたことが判明したほか、インディとマリオンの間に、息子のマット(シャイア・ラブーフ)が生まれていたことも明らかに。歳月を重ねた人気シリーズだからこその展開が、話題を集めた。前作で父親との確執と和解を表現してみせたフォードが、今回は突然現れた、多感で反抗的な息子に戸惑いながら、失われた親子の時間と絆を取り戻そうとする姿を披露している。

ジョージ・ルーカスが生み出した人気SFシリーズ第1弾で、フォードは宇宙の運び屋ハン・ソロ役を務めた。それ以前は、俳優としてブレイクの波に乗り切れず、大工仕事で生計を立てていたという。出演時35歳、遅咲きスターの誕生だった。

注目すべきは、帝国軍に捕らえられ、ソロが炭素冷凍される寸前の名シーン。レイア(キャリー・フィッシャー)の「愛している」という告白に対し、ソロは「知ってる」と返答するシーンも、話題を呼んだ。当初のセリフは「俺も」だったが、フォードの意向で変更された。

当時、フォードは、ルーカスに対し「ハン・ソロを殺した方がストーリーに深みが出る。物語を構成するただのコマに過ぎない。動かすことも、消してしまうこともできるキャラクターだ」と説得。しかし、ルーカスはその提案を拒否した。

ルーカスが、ソロを死なせずにいたおかげで、フォードは約30年ぶりに「スター・ウォーズ」シリーズに帰還。レイアとの間に誕生した息子のベン・ソロ(アダム・ドライバー)が、フォースの暗黒面に堕ちてしまい、“父”ソロは苦悩する。

証券業界を舞台に、出世のチャンスに恵まれない女性社員テス・マクギル(メラニー・グリフィス)が、事故で休職した女性重役キャサリン・パーカー(シガニー・ウィーバー)に成り代わるサクセスコメディ。フォードは女性重役の恋人でありながら、主人公と意気投合し、恋に落ちてしまうジャック・トレイナーを演じている。

フォード演じる米大統領ジェームズ・マーシャルが、ハイジャックされた専用機内で、テロリストたちと戦いを繰り広げるサスペンスアクション。フォードは新作映画「キャプテン・アメリカ ニュー・ワールド・オーダー(原題)」でも、米大統領を演じる予定だ。

価値観の異なる男女が、不時着した孤島でサバイバルを繰り広げるロマンティックコメディ。フォードは自由気ままなパイロットのクインを軽快に演じ、アン・ヘッシュが雑誌編集者ロビンに扮した。私生活でも自家用機の操縦が趣味だが、2015年には操縦ミスで重傷を負った。

フォードとミシェル・ファイファーが夫婦を演じたサスペンスホラー。隣家にケンカが絶えない夫婦が引っ越してきたことから、不可思議な現象が起こり始める。フォードのホラー作品出演は珍しいため、新鮮な印象を与えている。

地上最後の秘境アラスカで、地図にない土地を目指す主人公ソーントンが、犬ぞりの先導犬バックと出会い、友情を育む。フォードは息子を失い、絶望から逃れるように冒険を続けるソーントンが、バックとの出会いを通して希望を見出す姿を熱演した。
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