エアフォース・ワン

劇場公開日:1997年11月29日

解説

“空飛ぶホワイトハウス”の異名を取る合衆国大統領専用機を舞台に、機をハイジャックしたテロリストたちに単身戦いを挑む大統領の活躍を描いたサスペンス・アクション。監督は「U・ボート」「アウトブレイク」のウォルフガング・ペーターゼン。撮影は「スリーパーズ」のミヒャエル・バルハウス、音楽は「エグゼクティブ デシジョン」のジェリー・ゴールドスミス。本物と同じ747型旅客機をベースに、内部を見事に再現した美術は「トータル・リコール」「ロボコップ」のウィリアム・サンデル。編集は「ザ・ロック」のリチャード・フランシス=ブルース、視覚効果監修は「スター・ウォーズ」シリーズのリチャード・エドランド。主演は「デビル」のハリソン・フォード。共演は「フィフス・エレメント」のゲイリー・オールドマン、「101」「マーズ・アタック!」のグレン・クローズ、「コリーナ、コリーナ」のウェンディ・クルーソン、「リトル・プリンセス」のリーセル・マシューズ、「ファーゴ」のウィリアム・H・メイシー、「U・ボート」「イングリッシュ・ペイシェント」のユルゲン・プロホノフほか。

1997年製作/124分/アメリカ
原題または英題:Air Force One
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
劇場公開日:1997年11月29日

あらすじ

ロシア政局の混乱の隙を突きカザフスタンに非合法なテロリスト政権を誕生させた超国家主義者ラデク(ユルケン・プロホノフ)は残忍な独裁者と化し、恐怖政治を断行。新生ロシアのイワン・ペトロフ大統領の協力要請の下、正義感に溢れる合衆国大統領ジェームズ・マーシャル(ハリソン・フォード)は特殊部隊を派遣し、ラテク逮捕を成功に導いていた。ロシアで開かれた祝賀レセプションで力強いスピーチを行った彼は、大統領専用機<エアフォース・ワン>に乗り込んで帰国の途に就く。今回のロシア訪問には、ファースト・レディのグレース(ウェンディ・クルーソン)と12歳の娘アリス(リーセル・マシューズ)が同行しており、カルドウェル軍事顧問(ウィリアム・H・メイシー)ら馴染みのスタッフに加えて、6人のロシアのテレビ・クルーも搭乗した。機か離陸すると、クルーたちは逮捕されたラテクの救出を企む狂信的なテロリストの正体を現した。ヴァレリー・コルシュノフ(ゲイリー・オールドマン)をリーダーとするテロリストたちは、機内に装備された武器を手に<エアフォース・ワン>を占拠。シークレット・サービスたちは大統領をパラシュート付きカプセルで脱出させようとするが、大切な家族とスタッフを危険にさらすことはできず、彼は脱出したと見せかけて密かに機内に潜伏した。大統領本人を除く全員を人質にしたコルシュノフは、ホワイトハウスにラテクの釈放を要求。実現するまで、30分ごとに1人ずつ処刑すると通達してきた。機の進路をカザフスタンに変更させたコルシュノフは、脅迫どおりドハーティ国家安全保障会会議顧問(トム・エヴェレット)を、続いてミッチェル副報道官を射殺した。主が不在のホワイトハウス司令室では、副大統領キャサリン・ベネット(グレン・クローズ)の指揮の下、ディーン国防長官(ディーン・ストックウェル)ら政府首脳による緊急会議が開かれた。ラデクがカザフスタンに戻ればペトロフ政権は崩壊し、そして恐るべき核テロリスト国家の照準は米国に向けられることは明らかだった。ベネットは、首脳陣の政治的思惑か渦巻く中、必死に解決策を模索する。その頃、ヴェトナム戦争で優れた兵士だったマーシャル大統領は反撃を開始し、2人のテロリストを倒し、燃料の一部を投棄した。燃料補給のために機体が高度を下げれば、人質をパラシュートで脱出させる作戦たった。マーシャルは何とかホワイトハウスとの電話連絡に成功、彼の生命を確認したホワイトハウスはにわかに活気つく。たが、コルシュノフはマーシャルの存在に気づいてしまい、アリスの頭に銃口を突きつけ、マーシャルを燻り出した。しかし、国家の正義と家族への愛にバネに、彼は不屈の闘志でテロリストに立ち向かう。機は一度はカザフタンに着陸するかに見えたが、マーシャルとベネットが派遣した特殊部隊の連携で緊急離陸。「俺の飛行機から出ていけ!」とコルシュコフを粉砕したマーシャルは、失速寸前の機から救出機に飛び移り、脱出に成功した。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第21回 日本アカデミー賞(1998年)

ノミネート

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映画レビュー

3.5 【70.1】エアフォース・ワン 映画レビュー

2026年2月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1990年代のハリウッド・アクション黄金期を象徴する「エアフォース・ワン」は、ウォルフガング・ペーターゼン監督が、アメリカ合衆国大統領という地上最強の権力者をアクション・ヒーローへと転化させた、政治的ファンタジーの極致である。冷戦終結後の不安定な国際情勢を背景に、孤立無援の閉鎖空間での戦いを描く本作は、ジャンル映画としての定石を忠実に守りつつ、潤沢な予算と一流の陣容によって一級の娯楽作へと昇華されている。
作品の完成度という観点から本作を俯瞰すると、その構造は極めて堅牢である。「ダイ・ハード」が確立した「閉鎖空間におけるゲリラ戦」というフォーマットを、空飛ぶホワイトハウスという特殊な舞台装置へと見事に移植した。ペーターゼン監督は、潜水艦映画の傑作「U・ボート」で培った密閉空間の演出手腕を本作でも発揮し、機内での緊密なサスペンスと、ホワイトハウスで展開される静的な政治劇、さらには空中戦という三層の物語を破綻なく制御している。本作は芸術的な革新性こそ乏しいものの、商業映画としての完成度は極めて高く、90年代アクション映画の一つの標準を提示したと言える。
主演のハリソン・フォードが演じるジェームズ・マーシャル大統領は、彼のキャリアにおける「ボナパルト的な英雄像」の完成形である。フォードは、合衆国大統領としての威厳と、家族を守ろうとする父親としての情熱、そして元軍人としての強靭さを、スター特有の説得力をもって体現した。彼の演技は、役柄への深い沈潜というよりは、彼自身の持つアイコン性を最大限に活用した職人芸的なアプローチであり、この荒唐無稽な物語に、観客が没入できるだけの最低限のリアリティを担保することに成功している。
敵役のイワン・コルシュノフを演じたゲイリー・オールドマンは、本作の質を一段引き上げる重要な役割を担った。彼は単なる残虐なテロリストではなく、旧ソ連の栄光を信じる狂信的なナショナリストとしてコルシュノフを造形し、冷徹さと情熱が同居する複雑な敵役像を提示した。オールドマンの怪演は、大統領という絶対的な「正」に対する「負」の深みを与え、対決構造を強固なものにしている。
助演陣もまた、ジャンル映画として理想的な布陣である。ホワイトハウスで指揮を執るキャスリン・ベネット副大統領を演じたグレン・クローズは、理性的で毅然とした女性リーダー像を抑制された演技で表現し、物語に政治的重厚感をもたらした。また、大統領夫人グレイス・マーシャルを演じたウェンディ・クルーソンは、危機的状況下での献身を体現し、大統領の個人的な戦いの動機を支えている。さらに、ロイド・シェパード補佐官役のポール・ギルフォイル、そしてクレジットの最後に名を連ねるベテラン、ディーン・ストックウェルが演じるウォルター・ディーン国防長官は、政権内部の混乱と対立を象徴する存在として、物語に政治的な奥行きを付与した。
脚本のケヴィン・ベインによる構成は、アクションの起承転結を重視した教科書的な三幕構成である。政治的なリアリティや敵側の動機の単純化には粗が目立つものの、限られた機内空間をフルに活用したギミックの配置や、観客のボルテージを段階的に引き上げる筆力は、エンターテインメントとして及第点にある。
演出面では、ミヒャエル・バルハウスによる撮影が、巨匠としての手堅い仕事を見せている。奇をてらわないカメラワークは、航空機内という制約を逆手に取り、緊迫感を持続させる。また、ジェリー・ゴールドスミスによる音楽は、愛国心を鼓舞する勇壮なメインテーマを主軸に、アクションの鼓動を強調する力強いスコアを提供した。
本作は第70回アカデミー賞において、編集賞と録音賞の2部門にノミネートされた。これは本作の技術的な水準、特にアクションの連続性を維持しながらドラマを編み上げた編集の妙が評価された結果である。映画史において本作は、芸術的深淵を追求した傑作ではないが、プロフェッショナルの技術が結集した「一級のエンターテインメント」としての地位を揺るぎないものにしている。
作品[Air Force One]
主演
評価対象: ハリソン・フォード
適用評価点: B8
助演
評価対象: ゲイリー・オールドマン、グレン・クローズ、ウェンディ・クルーソン、ポール・ギルフォイル、ディーン・ストックウェル
適用評価点: B8
脚本・ストーリー
評価対象: ケヴィン・ベイン
適用評価点: B6
撮影・映像
評価対象: ミヒャエル・バルハウス
適用評価点: C7
美術・衣装
評価対象: ウィリアム・サンデル
適用評価点: B8
音楽
評価対象: ジェリー・ゴールドスミス
適用評価点: B8
編集(加点減点)
評価対象: リチャード・フランシス=ブルース
適用評価点: +1
監督(最終評価)
評価対象: ウォルフガング・ペーターゼン
総合スコア:[70.1]

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honey

4.0 戦う大統領です。

2025年3月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

興奮

 ハリソン君のハマり役と思います。なかなか面白い映画です。過去何度か観てます。なんと言っても、知的なキレキャラを演じたG·オールドマンが良いですねぇ。

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池田輝政

3.5 真の平和は 戦争の回避でなく正義の確立だ

2025年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

死者はきっとこう言うだろう。

自国愛が強いアメリカらしい思想が詰まった映画。人を撃ち殺した事で己の信念の強さを確信した犯人。対して、どんな犠牲を払ってでも要求には応じない事で信念を貫こうとした大統領。結果的に家族を選んだ事を悪と捉えるべきか正しいことと捉えるべきか…

犯人はこの戦いの事を戦争と呼び、戦争に犠牲者は付き物と言う。けれど仲間が殺されれば仲間の死を悲しみ殺した者を恨む。

奥さんに無力な女を殺すことが戦争?と言われていたけれど、恨む相手を間違え罪のない者達を無意味に殺し同じ事をされれば報復を誓う愚かで矛盾だらけな所は戦争と呼んで差し支えないと思う。

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暇

3.5 theアメリカ映画

2025年2月16日
iPhoneアプリから投稿

こういうの好きだなぁ

難しくなくて、面白くて

ハリソンフォードがマーベルで大統領するらしいから大統領役のこの映画久しぶりにみた。

昔ほどではないけどまぁ面白い

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ボタもち