「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」幻の映像がネット流出!? キー・ホイ・クァンを巡る感動秘話も紹介 あらすじ・キャスト・トリビアまとめ
2023年5月26日 21:00
「インディ・ジョーンズ」シリーズ第2作「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」が、本日5月26日午後9時から、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されています(最新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」公開記念/封切りは6月30日)。
この記事では、あらすじ&概要、キャストや吹き替え声優に加えて、第1作「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」からの“変化”、苦労続きだった“虫”の撮影、キャラ名の由来だけでなく、ハリソン・フォードと「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」でオスカー俳優となったキー・ホイ・クァンの友情秘話、幻のNG映像がネットに流出してしまった件も紹介します。
「インディ・ジョーンズ」シリーズは、ジョージ・ルーカスが原案と総指揮、「ジョーズ」「未知との遭遇」のスティーブン・スピルバーグが監督を務めた冒険活劇の金字塔。ハリソン・フォードが考古学者で冒険家でもあるインディ・ジョーンズ(本名:ヘンリー・ウォルトン・“インディアナ”・ジョーンズ・ジュニア)を演じている。「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」は、同シリーズの第2作目となる。
舞台は、前作の1年前の1935年。インディが、ヒマラヤの奥地で誘拐された村の子どもたちと秘宝を奪還するため、邪教集団と対決する。クラブシンガーのウィリー・スコット役には、後にスピルバーグ監督と結婚するケイト・キャプショー。相棒の少年・ショーティ(ショート・ラウンド)役は、本作の翌年公開のスピルバーグ作品「グーニーズ」にも出演して当時人気を博したベトナム移民の子役、キー・ホイ・クァン。
インディ・ジョーンズ:ハリソン・フォード(声:村井國夫)
ウィリー・スコット:ケイト・キャプショー(声:藤田淑子)
ショート・ラウンド:キー・ホイ・クァン(声:田中真弓)
モラ・ラム:アムリッシュ・プリ(声:石田弦太郎)
チャターラル:ロシャン・セス(声:羽佐間道夫)
ブランバート:フィリップ・ストーン(声:北村弘一)
ラオ:ロイ・チャオ(声:内海賢二)
カオ:リック・ヤン(声:小室正幸)
チェン:チュア・カー・ジョー(声:大滝進矢)
ウェバー:ダン・エイクロイド(声:加藤正之)
「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」が公開されたのは、前作から3年後の1984年。ルーカスがスピルバーグに伝えていたのは“3部作構想”。それらすべてを演出することになったスピルバーグだが、第2作の具体的なイメージは持っていなかった。そのため、第1作「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」公開2週間後に、ルーカスとストーリーについての打ち合わせをスタートしている。
ルーカスがイメージしていたのは、ダーク&シリアスのイメージ。スピルバーグは、前作に入れることができなかった川下りやトロッコ・チェイスを盛り込むことに。脚本を担当しているのは「アメリカン・グラフィティ」のウィラード・ハイクとグロリア・カッツ。2人がインド文化や風俗、歴史に興味を持っていたための起用だった。
第1作「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」に対して、インディ(及びハリソン・フォード)に変化はあるのか――答えは「YES」。スピルバーグ監督は、劇場パンフレットに掲載されたインタビューに、このように答えている。
「ハリソン・フォードは非常に成長しました、2回目にして、役柄に自信を持って演じています。またインディは前作よりも、よりハードに、よりタフに、よりソフトにしました。彼のロマンチックな面に目を向けると、彼は女性に恋をします。ウィリー・スコットという女性に。前作でマリオン(第1作のヒロイン)に見せたそれとはどう違うのか、そのあたりに彼の性格づけの違いが見られると思います」
テイストについては、第1作よりも「はるかに“ジェットコースター気分」。もちろんコメディ、アドベンチャー、アクションといった共有要素はあるが、「前回にも増して、もっとたくさんの超自然現象やオカルトが盛り込まれています。つまり、単なる“宝さがし”ではなく、インディが超自然現象に巻き込まれる――これがこのシリーズのスタイル」とスピルバーグ監督は語っている。
撮影が始まったのは、1983年4月18日のスリランカ・ロケだ。同地ではクライマックスに登場する“つり橋”のシーンが撮影されている。つり橋の全長は85メートル。300フィート以上の高さの峡谷にかかっていた。
イギリスの会社がダムを建設している近くに“ちょうど手頃な峡谷”があったそうで、そこに鋼鉄&ケーブルの橋をかけ、古めかしい状態に仕上げている。最初に渡ったのは、スピルバーグ。「5、6メートル歩き始めると、僕の足はまるでショック・アブソーバみたいにガクガク」「真ん中くらいまでに行くと、もう怖くて。でも引き返すにはもう遅すぎて、渡り終えるしかなかった」という。
マカオ、ロンドンのEMIスタジオ、カリフォルニア、オレゴンでも撮影を敢行。主な撮影は、83年9月8日に終了し、84年3月にルーカス・フィルムのインダストリアル・ライト&マジックでオプチカル処理と特殊効果の作業が終了した。
「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」には、6000匹の“蛇”を登場させたスピルバーグ。本作では“虫”にフォーカスを当てた。
昆虫シーンの撮影に費やしたのは、なんと2週間。しかもライトを向けるとすぐに逃げてしまうため、コントロールは至難の技。1万2000匹の昆虫を管理し、同じ場所に2、3秒と止めておくのもひと苦労。しかも「撮影の初日に4分の3の昆虫が逃げ出してしまった」(スピルバーグ)という。
インディの名前の由来といえば「ルーカスの愛犬“インディアナ”」。そこから“インディアナ・スミス”→“インディアナ・ジョーンズ”(スピルバーグの意見を反映)となっている。
実は、本作の主要キャラの名前にも“犬”が関わっている。本作のヒロインは、上海のナイトクラブ“オビ・ワン”の売れっ子歌姫ウィリー。第1作のヒロイン・マリオンの連続登場も考えられていたが、最終的には“ボンド映画のようにヒロインが毎回変わる”という形に。このウィリーの名前は、スピルバーグの飼い犬にちなんでつけられたものだ。
そして、忘れてはならないのが、インディの頼れる相棒ショーティ(ショート・ラウンド)。彼の名前は、脚本のウィラード・ハイクの飼い犬の名前が由来となっている。
ショーティ(ショート・ラウンド)は上海の戦災孤児。スリをしているところをインディに拾われて以来、誰よりも忠実な相棒になったキャラクターだ。演じたキー・ホイ・クァンは、ベトナムのサイゴン出身。1978年にインドシナ難民となって香港に渡り、その後さらに米国へ移住してカリフォルニア州で暮らしていた。
ショーティ役を選ぶべく、スタッフは全世界6000人の候補者にあたった。クァンが本作の話を知ったのは、学校でのこと。オーディションに応募し、スピルバーグ自身に選び出された。当時は12歳。「生涯で出会った最も驚くべき子ども」とスピルバーグは印象を明かしている。
冒険大作「グーニーズ」(85)にも出演。シットコム「ヘッド・オブ・ザ・クラス」(90~91)のレギュラーキャストとしても人気を博したが、その後は表舞台を離れて裏方に。やがて「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で注目を集め、第95回アカデミー賞や第80回ゴールデングローブ賞などで助演男優賞を受賞している。
フォードは、クァンのオスカーノミネート時点で「本当に嬉しいよ。最高にいいやつだし、素晴らしい俳優だからね。まだガキの頃からすでに名優だったけど、それは現在も変わらない。本当に嬉しいな。おめでとう!」と祝福。米アナハイム・コンベンション・センターで開催された「D23 EXPO」では、「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」のプロモーションのため参加していたフォードと、ディズニープラスのマーベルドラマ「ロキ」のキャストとして参加していたクァンが再会を果たしている。
その際、米ニューヨーク・タイムズ紙に久々の再会を果たした心境を尋ねられたクァンは、感極まった様子でこう語っている。
「なにせ38年ぶりだからね。バックステージから出たら、すぐそこにハリソンが居て、近づくにつれ心臓がバクバク。僕だってわかるかな? 最後に会った時はまだ子どもだったし…、なんてドキドキしながら近寄っていったら、振り返りざまに指を差された。ハリソン・フォード独特の、あのちょっと不機嫌そうで何とも言えない表情でね。ヤバい! 厄介なファンか何かだと思って、あっち行けって言われちゃう…って、僕は大パニックさ。ところが彼は、『ショート・ラウンドじゃないか?』って。一瞬で1984年に引き戻されて、思わず『そうだよ、インディ』って答えたら、『ほら、おいで』って思いきりハグしてくれたんだ」
そして、アカデミー賞授賞式当日。作品賞のプレゼンターとして、フォードが登場。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のタイトルを読み上げた瞬間、クァンは真っ先にステージに駆けあがり、フォードと熱いハグを交わしていた。ちなみに会場では、クァン&スピルバーグ&キャプショーの3ショットを、ギレルモ・デル・トロ監督が撮影するという場面もあった。
2011年には、存在が知られながら、誰も見たことがなかったの幻のNG映像がネットに流出し、話題を呼んだ。
本作の撮影現場で撮られたもので、フォード演じるインディがはりつけにされているところに、背後からボンデージ姿のバーブラ・ストライサンドが登場。フォード主演作「ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど」が興行で失敗したこと、「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」で高額のギャラを受け取ることなどを非難しながらムチ打つという内容だ。
これは「魔宮の伝説」撮影中にフォードに仕掛けられたどっきり。ストライサンドに続き、「スター・ウォーズ」のレイア姫として知られるキャリー・フィッシャーが登場してフォードにキス。さらに、「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」のアービン・カーシュナー監督が、ストライサンドやフィッシャーの演技にダメ出しをするという凝ったものになっていた。
◆6月9日「美女と野獣」(実写版)
◆6月16日「コーダ あいのうた」(地上波初放送)
◆6月23日「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(本編ノーカット)
◆6月30日「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(本編ノーカット)
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