ダニエル・クレイグ、これが最後のジェームズ・ボンド! 駆け抜けた15年間を振り返る 6代目「007」過去作一挙おさらい 【映画.comシネマStyle】
2021年10月3日 11:00
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。
各地の緊急事態宣言も明け、映画館も通常営業に戻ったところも多い10月1日、1962年から続く伝説のシリーズ「007」の新作「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」が公開されました。「007 カジノ・ロワイヤル」より6代目ジェームズ・ボンドを演じ、シリーズ最長の15年間、その役を務めたダニエル・クレイグ最後の作品となります。
今回は、新作を見る前におさえておきたい、6代目ジェームズ・ボンド=ダニエル・クレイグの「007」4作品をご紹介。さらに、ボンドとは一味違うクレイグが見られるあの作品のお得情報も!
※過去作の紹介のため、ネタバレとなる情報を含んでおります。
▽世間の評価を華麗にひっくり返した“クレイグ・ボンド”の「はじまりの物語」
「007 カジノ・ロワイヤル」(2006年/144分/マーティン・キャンベル監督)
クレイグが、シリーズ初となる金髪の6代目ジェームズ・ボンドに抜てきされた最初の作品。
暗殺を2度成功させたボンドは、殺しのライセンスを持つ“00(ダブルオー)”エージェントに昇格。最初の任務で、世界中のテロリストの資金運用をしているル・シッフル(マッツ・ミケルセン)を追うことになる。ポーカーで資金を稼ごうとするル・シッフルと勝負するため、モンテネグロの「カジノ・ロワイヤル」に向かうボンド。やがて彼の前に、国家予算である掛け金1500万ドルの資金係兼監視役として、財務省から送りこまれた女性ヴェスパー・リンド(エバ・グリーン)が現れる。
・イアン・フレミングによる原作小説の第1作をもとにした、ボンドの「はじまりの物語」
・ユーモアを封印したシリアスなストーリー展開、迷い苦悩するボンド…新章の幕開け
・ボンドが初めて本気の恋に落ちた女性ヴェスパー、“血の涙を流す男”ル・シッフル…圧倒的な存在感を放つキャラクターたち
ドキュメンタリー「ジェームズ・ボンドとして」(Apple TV+、Amazon Prime Videoなどで配信中)で語られているように、クレイグは6代目ボンドに抜てきされた当時、「イメージと違う」などの理由から、ファンやメディアからの激しいバッシングにあい、そんな逆風のなかで、本作が公開されました。劇中では徹底的な肉体改造を経たクレイグが、これまでの冷静沈着なボンドとは異なる、傷付き苦悩する感情豊かなボンド像を提示。リアルな描写を追求したアクションだけではなく、ボンドの複雑な感情を丁寧に追ったストーリーで、作品は高く評価され、結果的にはシリーズ最高の興行収入を記録(のちに、「007 スカイフォール」がその記録を更新)しました。起用を不安視していた世間の評価を一気にひっくり返した“クレイグ・ボンド”、かっこよすぎます。
またボンドの前に立ちふさがるル・シッフル、ボンドを深く愛しながらも秘密を抱えるヴェスパー、ボンドの“アメリカの友人”であるCIAのフェリックス・ライター(ジェフリー・ライト)、シリーズを通してのキーパーソンとなるミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)らが登場。特にボンドが全てをかけて愛したヴェスパーとの切ない恋は、何度見ても嗚咽交じりで号泣してしまうほど、感情が揺さぶられます。長年のファンであればあるほど、感情むき出しの見たことのないボンドに、胸が締めつけられるはず。ボンド同様、観客にとっても忘れられない存在となるヴェスパーの圧倒的な愛を見届けて下さい。
▽ボンドとヒロインが共闘! 耐えがたい喪失感を経たボンドの「復讐と再生の物語」
「007 慰めの報酬」(2008年/144分/マーク・フォースター監督)
前作「カジノ・ロワイヤル」のエンディングに続く物語を描いたシリーズ第22弾。1作完結型だったシリーズのなかで初となる続編形式をとりました。以降、“クレイグ・ボンド”作品は、連続した1つのストーリーを紡いでいきます。
ヴェスパーの死の真相を探るためハイチに飛んだボンドは、奇しくも知り合った美女カミーユ・モンテス(オルガ・キュリレンコ)を通じ、ヴェスパーを追いつめた謎の組織の幹部ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)に接近。グリーンは環境保護を訴えるNPO法人の代表を務めているが、裏ではボリビアの政府転覆と天然資源の支配を目論んでいた。ボンドはグリーンの計画を阻止するべく、行動を開始する。
・ヴェスパーを亡くした喪失感を抱え、復讐心に突き動かされるボンド
・同じく復讐を胸に秘め、共闘するカミーユが示した、新たなヒロインの形
・炎上する砂漠のホテルで、ボンドとカミーユそれぞれの死闘を映す圧巻のラスト
「カジノ・ロワイヤル」を「はじまりの物語」と位置づけるならば、「慰めの報酬」は耐えがたい喪失感を抱えたボンドの「復讐と再生の物語」。ヴェスパーを救えなかった自責の念に駆られ、闇雲に突き進む姿は危うく、痛々しいほど。ボンドの非情さにも拍車がかかっています。エンディングで、ヴェスパーを死に追いやった男を前にしたボンドの決断に注目です。
そんなボンドと手を組むのは、家族を殺したメドラーノ将軍への復讐を誓うカミーユ。ボンドと恋に落ちることはなく、共通の敵を倒すために闘い、キスを交わして去っていく。内面の葛藤を抱えるボンドと、凄惨な過去を持つカミーユをおさめたポスターは、ふたりの切なくも強い絆を暗示しているような、力強いビジュアルに仕上がっています。
▽個性豊かな面々が揃い踏み、新生MI6の誕生! 新章の幕開け「世代交代の物語」
「007 スカイフォール」(2012年/143分/サム・メンデス監督)
「アメリカン・ビューティー」で第72回アカデミー監督賞を受賞したサム・メンデスが監督を務め、「007」シリーズとしては「007/サンダーボール作戦」以来47年ぶりのオスカーに輝いた秀作。
各国のテロ組織に潜入している工作員を記録したMI6のハードディスクが何者かに奪われ、ボンドは犯人を追いつめるが、MI6の長官M(ジュディ・デンチ)の命令で放たれた銃弾に撃たれ、橋の上から谷底へと転落する。Mは、リストが奪われた責任を追及され辞職を迫られるが、これを拒否。しかしその直後、リストを奪った犯人によりMI6のオフィスが爆破され、さらなる犠牲者を出してしまう。このニュースを見たボンドは再びMのもとへ舞い戻り、現場へ復帰。犯人の手がかりを求めて上海へと渡る。
・ボンドが引退!? あえて年齢を感じさせる月日の限界を描く
・新たなQの誕生! 世代交代を期待させる新生MI6のメンバーたち
・彼の目的はM。背筋も凍る怪演、ハビエル・バルデム
・作品を彩る極上の歌声 アデルの「スカイフォール」
本作はまさかの「ボンドの死」から物語が始まります。味方からの銃弾を受け橋から落下したボンドは、死を偽装し隠遁生活をしていますが、MI6への攻撃の報を受け、Mのもとへと舞い戻ります。しかし、加齢による体力の限界で、いつもよりもミッションの達成にキレがなくなっていくのです(それでも十分にかっこいいというのがまた憎い)。引退勧告を受けるMもまたしかり……。
そんななか、新たにMI6のメンバーとして、武器開発係のQとしてベン・ウィショー、Mに引退を促す情報安全保障委員会のギャレス・マロリーをレイフ・ファインズ、007を誤って狙撃し補佐へと転向するイヴ役のナオミ・ハリスが登場します。彼らによって「007」の物語はさらなる高みを目指して、世代交代へと突き進んでいくのです。今作の敵として登場する、元“00(ダブルオー)”エージェント・シルヴァ役のハビエル・バルデムの怪演が、さらに「007」シリーズの新たな羽化を象徴しています。
▽ボンドの過去が明らかとなる! 最大の敵との戦いで描かれる「因縁と決意の物語」
「007 スペクター」(2015年/148分/サム・メンデス監督)
前作「スカイフォール」に続きサム・メンデスが監督を務め、長年追ってきた悪の組織である「スペクター」の正体と、そこに隠されていたボンドとの因縁が明らかとなります。
前任のMからの遺言で、独自で調査を進めるボンド。「スカイフォール」で燃え残った残骸のなかの1枚の写真を手がかりに、悪の組織「スペクター」の正体へと近づく。一方で、MI5の新責任者Cによって、“00(ダブルオー)”部門を廃止する動きが進行していた。
・長いワンカットシーンからのシリーズ定番の銃口越しのボンド! 圧巻のオープニング
・ジェームズ・ボンドという人間をより深く知ることができる過去とプライベート
・ナノテクノロジーに改造車。誰もが興奮するQ開発のガジェットたち
・“クレイグ・ボンド”作品の伏線がここに。4作目だからこそ紡ぎ出されたストーリー
・骨折しながらの撮影!? 爆発をギネス登録!? 現実に祭りを作り上げる!? 映画のなかだけでは終わらない逸話
「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」「スカイフォール」で描かれてきたストーリーをより核心へと近づけてくれるのが「スペクター」です。いままでボンドが戦ってきたものが集約され、悪の組織である「スペクター」へとつながっていく……。しかもそのなかで、ボンドの幼い頃の出来事までつながってくるというので、驚きが止まりません!
さらにこの作品のすごいところは、映画に秘められた逸話の数々。オープニングのメキシコシティ「死者の日」の長回しショットは、4日間道路を閉鎖し、1500人ものエキストラを配して行われているのですが、実はこの時、主演のクレイグは足を骨折しており、痛みに耐えながら街を闊歩、建物の屋上を渡って悠然と歩く姿を撮影していたとか! さらには、この「死者の日」のパレード。現実にはこのようなパレードはメキシコシティで行われていなかったのですが、映画公開後、作品を見て観光に来た人々を落胆させないように、実際にパレードが行われるようになったのです! 現実にまで影響を及ぼす「007」、恐るべし。
魅力的な作品を生み出してきた“クレイグ・ボンド”シリーズ。新作では一体どんな物語を私たちに見せてくれるのか、ぜひ劇場でお確かめください。
もっとダニエル・クレイグを堪能したい! そんなあなたへのおすすめ作品とお得情報はこちら!
▽ダニエル・クレイグの名優としての新たな魅力
「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」(2019年/131分/ライアン・ジョンソン監督)
※「シネマ映画.com」で配信中!
「LOOPER ルーパー」「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督が、アガサ・クリスティに捧げて脚本を執筆したというオリジナルの密室殺人ミステリー。ダニエル・クレイグ、「キャプテン・アメリカ」シリーズのクリス・エバンスら豪華キャストの競演で、スリルと謎解き、笑いも盛り込まれた、空前絶後のハイテンションなノンストップ・ミステリーです。(執筆:和田隆)
ニューヨーク郊外の館、世界的なミステリー作家で、巨大な出版社の創設者ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が85歳の誕生日パーティの翌朝、遺体で発見される。名探偵ブノワ・ブラン(クレイグ)は、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受ける。パーティに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者となり、調査が進むうちにブランが家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく……。
・「007」シリーズとは違うダニエル・クレイグの名優としての新たな魅力
・クセの強い豪華共演者たちによる笑ってしまうほどの軽快な演技合戦
・ライアン・ジョンソン監督によるオリジナルの密室殺人ミステリー
・遺産(金)を目の前にした家族たちの滑稽な狂騒
・予測が裏切られていくスリルな展開と謎解きの面白さ
・途中で明らかになる事実を超えていく奥深い結末
超人的な英国秘密情報部エージェント(スパイ)から一転、クレイグが少し天然な人間味を感じさせる名探偵を演じ当たり役となりました。ネタバレ厳禁ですが、見たら結末などの見どころを誰かと話したくなる一級の娯楽作です。
世界総興収が3億ドルを突破する大ヒットとなり、続編「ナイブズ・アウト2(仮題)」が今夏にギリシャでクランクインしています。「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」を劇場で見てから、違う魅力のクレイグが見られる本作を「シネマ映画.com」(10月7日までの配信)でご視聴ください。
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