【テレビ/配信映画リスト 8月26日~9月1日】「風立ちぬ」「ブラックホーク・ダウン」がテレビ放送
2021年8月26日 17:00
「今週のおうちシネマ」では、今週から来週にかけて地上波テレビで放送される、もしくはVODサービス(Amazon Prime Video、Netflix、Disney+)で配信が開始される作品をご紹介いたします。
今週の「金曜ロードショー」では、宮崎駿監督がゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代の文学者・堀辰雄の人生をモデルに、激動の1920年代で生きた人々を描く「風立ちぬ」が放送されます。8月だからこそ見たい作品です。
また29日(日)の午前1時50分からのフジテレビ「ミッドナイトアートシアター」では「ブラックホーク・ダウン」が放送。93年に米軍が失敗したソマリアの将軍の捕獲作戦の実話をもとにした作品です。
VODでは、2021年5月に公開されたばかりの「クルエラ」やダニエル・クレイグ、クリス・エバンスら豪華キャストで繰り広げられる密室殺人ミステリー「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」が配信開始となります。
それでは、映画.comおすすめの2本をご紹介。
日本テレビ 8月27日(金)午後9時放送
「金曜ロードショー」は3週連続ジブリ特集の最終日、宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」以来5年ぶりに手掛けた長編アニメーション「風立ちぬ」が放送されます。
幼い頃から空に憧れを抱いて育った学生・堀越二郎は、震災の混乱のなかで、少女・菜穂子と運命な出会いを果たす。やがて飛行機設計技師として就職し、その才能を買われた二郎は、同期の本庄らとともに技術視察でドイツや西洋諸国をまわり、見聞を広めていく。そしてある夏、二郎は避暑休暇で訪れた山のホテルで菜穂子と再会。やがてふたりは結婚する。菜穂子は病弱で、療養所暮らしも長引くが、二郎は愛する人の存在に支えられ、新たな飛行機作りに没頭していく。
舞台は1920年代の日本。戦争が始まり人々の生活が大きく変わっていく節目で、主人公たちも時代の渦に巻き込まれていきます。ただ空に憧れ、飛行機の設計に情熱を燃やす二郎ですが、国に求められる「戦うための飛行機」の設計は、どこか二郎の胸に虚しさを抱かせていくのです。
挿入歌として流れる松任谷由実の「ひこうき雲」は、そんな純粋な二郎の空への憧れと愛する菜穂子のはかなさを存分に引き立て、映画にさらなる深みを与えてくれています。
また二郎の声は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の監督である庵野秀明が担当しています。同じアニメの作り手として、庵野が宮崎監督作品で、どのようにキャラクターに息を吹き込んだのかにも注目です。
毎年8月になると見返し、改めて平和や戦争というものを考えるきっかけとしたい作品です。
Disney+ 8月27日(金)配信開始
ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」に登場した悪役クルエラの誕生秘話を描き、今年5月に劇場公開された「クルエラ」が早くも、Disney+のサブスクでの配信が開始です。
パンクムーブメント吹き荒れる1970年代のロンドンに、デザイナーを志す少女エステラ(エマ・ストーン)がやってくる。情熱と野心に燃える彼女は、裁縫やデザイン画の制作に打ち込み、デザイナーへの道を駆けあがるため奮闘する。そのままデザイナーの夢へと進んでいくと思われたエステラだったが、カリスマ的ファッションデザイナーのバロネス(エマ・トンプソン)との出会いが、エステラの運命を大きく変えることとなる。夢と希望にあふれた若きエステラが、なぜ狂気に満ちたクルエラとなったのか――その秘密が明かされる。
クルエラというと、ダルメシアンに異常な執着を見せ、目の色を変えて子犬たちを捕まえようとする、悪役というよりは異常者というイメージを、筆者は持っていました。しかし、本作のクルエラはそんなイメージを綺麗に塗り替えてくれます。不遇な運命のなかで、夢への憧憬と激しい復讐の炎を燃やし、それをファッションや音楽へと昇華させていく姿には、憧れを抱かずにはいられません。
続編の製作、およびエマ・ストーンの続投も決定した「クルエラ」。愛すべきヴィランの正体を見届けてください。
そのほかのテレビ放映、配信開始情報はこちらから。
「MEG ザ・モンスター」
「許されざる者(1992)」
「風立ちぬ」
「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」
「クルエラ」
「ブラックホーク・ダウン」
「ディアボロス 悪魔の扉」
「キング・オブ・エジプト」
「ザ・コール 緊急通報指令室」
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第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。