シム・ウンギョン、「新聞記者」で毎日映コン16年ぶり外国人受賞「これからも謙虚に」
2020年2月13日 22:48
[映画.com ニュース] 第74回(2019年)毎日映画コンクールの表彰式が2月13日、ミューザ川崎で行われた。
4人の若手ピアニストがしのぎを削るコンクールを舞台にした「蜜蜂と遠雷」が、作品賞に当たる日本映画大賞と監督賞を受賞。鈴鹿央士のスポニチグランプリ新人賞も加え3冠となり、石川慶監督は「音楽に本気でぶつかろうの一点で撮った。(監督賞の)歴代の素晴らしい方たちの末席に自分の名が残るのはうれしい。この賞に恥じないよう、これからも映画を作っていきたい」と話した。
鈴鹿は、司会者から「これから上り坂も下り坂もあると思うが」と向けられると「上り坂も下り坂も壁も、かかってこいやという感じです」と頼もしい限り。同じく同賞に輝いた「町田くんの世界」の関水渚は、「初めての映画で、悩んだけれどお芝居の素晴らしさと楽しさを得られた。生きる活力になって、もうこれがないと生きていけません」と生涯女優宣言だ。
初主演映画「カツベン!」で男優主演賞の快挙を達成した成田凌は、「どんな役でも選ばずにチャレンジしていきたい。そして、カメレオン俳優という言葉がなくなればいい」と新たな意欲。周防正行監督も祝福に駆け付け、「ここまでうまくなるとは思わなかった。改めて感謝を伝えたいし、僕はラッキーだった」と称えた。
「新聞記者」で女優主演賞のシム・ウンギョンは、93年「月はどっちに出ている」のルビー・モレノ以来の外国人受賞。韓国ではトップ女優にもかかわらず、「夢みたいです。俳優としていつも悩んでいますが、もっといい俳優になれるようこれからも謙虚に臨んでいきたい」と流ちょうな日本語でスピーチした。
名女優・田中絹代さんの名を冠した田中絹代賞に選ばれた風吹ジュンは、「74年にCMでデビューして、45年もたって人生何が起こるか分からない。この賞を誇りに、ますます演技が楽しみ。勇気を持って挑戦していきたい」と満面の笑みを浮かべた。
女優助演賞は「半世界」の池脇千鶴が2度目の栄冠を手にし、「重みがある賞なので、励みにして頑張りたい。(トロフィの重みで)そろそろ実家の床が抜けないか心配です」とジョーク交じりの笑顔。「凪待ち」で宮城・石巻の漁師を演じ男優助演賞のベテラン・吉澤健は、「被災地の方々、私と同じ団塊の世代の人たちの背中を少しでも押すことができればいいと思っています」としみじみ話した。
第74回毎日映画コンクールの各賞は以下の通り。
・日本映画大賞:「蜜蜂と遠雷」
・日本映画優秀賞:「新聞記者」
・外国映画ベストワン賞:「ジョーカー」
・監督賞:石川慶「蜜蜂と遠雷」
・脚本賞:阪本順治「半世界」
・男優主演賞:成田凌「カツベン!」
・女優主演賞:シム・ウンギョン「新聞記者」
・男優助演賞:吉澤健「凪待ち」
・女優助演賞:池脇千鶴「半世界」
・スポニチグランプリ新人賞:鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」、関水渚「町田くんの世界」
・田中絹代賞:風吹ジュン
・撮影賞:クリストファー・ドイル「ある船頭の話」
・美術賞:磯田典宏「カツベン!」
・音楽賞:RADWIMPS「天気の子」
・録音賞:藤本賢一「半世界」
・ドキュメンタリー映画賞:「えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋」
・アニメーション映画賞「海獣の子供」
・大藤信郎賞:「ある日本の絵描き少年」
・特別賞:宮本まさ江(衣装)
・TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・日本映画部門:「凪待ち」、外国映画部門:「ジョーカー」
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