第9回TAMA映画賞作品賞は「散歩する侵略者」&「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
2017年10月5日 05:00
[映画.com ニュース] 国内映画賞の先陣を切る第9回TAMA映画賞の受賞作品および、受賞者が発表された。作品賞は、黒沢清監督作「散歩する侵略者」と、石井裕也監督作「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」に決定した。
TAMA映画フォーラム実行委員会は、「散歩する侵略者」を「侵略者の地球襲来を通して不穏さを帯びる現代社会を暗喩しつつ、新しい世界観のエンタテインメントを作り上げた」と評し、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の受賞理由を「大都会において孤独と見えない不安に苛まれながら寄り添う若者の姿は、観客ひとりひとりの内なる感情と共鳴した」と発表している。
最優秀男優賞は「幼な子われらに生まれ」「淵に立つ」などの浅野忠信と、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」「デスノート Light up the NEW world」などの池松壮亮が受賞。浅野には「唯一無二の存在感で観客の想像力をかき立て、クリエイティビティあふれる俳優であり続けるだろう」、池松には「緩急自在で豊かな人物造形力は周囲の人物をも輝かせ、観客を心置きなく作品の世界観に誘う魅力にあふれている」との言葉が贈られた。
最優秀女優賞を手にしたのは、「海辺の生と死」「愚行録」の満島ひかりと、「散歩する侵略者」「銀魂」「追憶」などの長澤まさみ。満島は、「海辺の生と死」で「島の神話的世界と終戦間際の生と死の極みにおける愛を匂い立つように表現」したこと、長澤は「散歩する侵略者」で見せた「寛大で奥深い愛情表現に、磨き上げられた女優としての器の大きさを感じさせた」ことが受賞理由にあげられた。
ほか、最優秀新進男優賞を間宮祥太朗と高杉真宙、最優秀新進女優賞を石橋静河と土屋太鳳、最優秀新進監督賞を「ハローグッバイ」「望郷」の菊地健雄監督、「PARKS パークス」の瀬田なつき監督がそれぞれ受賞。映画ファンを魅了した事象を表彰する特別賞には、「バンコクナイツ」の富田克也監督と同作のスタッフ・キャスト一同が選出された。
なお、同賞の授賞式は11月18日に東京・パルテノン多摩で行われる。