キネ旬ベスト・テン1位「この世界の片隅に」 のんがすずさんの声で感謝述べる
2017年2月5日 22:17

[映画.com ニュース]第90回キネマ旬報ベスト・テンの表彰式が2月5日、都内であり、「この世界の片隅に」が日本映画監督賞、日本映画ベスト・テン第1位、読者選出日本映画監督賞を獲得。アニメ作品初となる日本映画監督賞を受賞した片渕須直監督を祝福するため、声優を務めた女優・のんが会場に駆けつけ「ありがとう、この世界の片隅でうちを見つけてくれて」と主人公すずの声で喜びを語った。アニメーション作品が1位を獲得するのは、第62回(1988)の「となりのトトロ」以来となる。
主演女優賞を獲得した宮沢りえは、「湯を沸かすほどの熱い愛」で不治の病に冒されながらも前向きに生きるヒロインを熱演。数多くの映画賞を総なめにした2014年の主演作「紙の月」後の映画作品として、商業映画デビューとなった中野量太監督の作品を選んだ理由は「脚本が素晴らしく、他の女優さんがこの役をやったら嫉妬すると思った」。宮沢と中野監督は、同年齢だということもあり、コミュニケーションの取りやすい現場だったそう。「監督の鼻息が荒くて、盛り上がるシーンですすり泣いてしまう。監督はもっと冷静であるべきとご本人にも伝えた」と明かし、会場を笑わせた。
「ディストラクション・ベイビーズ」の柳楽優弥は、主演男優賞に輝き、「『誰も知らない』で新人賞をいただき、その後12年いろいろ悩んだりもした。このヘビー級のトロフィーに負けないように、演技にまじめに向き合っていきたい」と感慨深げに語っていた。
「シン・ゴジラ」で、日本映画脚本賞受賞の庵野秀明監督は、新作の作業のため表彰式を欠席し、シンプルに一言「ありがとう」というメッセージを寄せた。助演女優賞の杉咲花は、「湯を沸かすほどの熱い愛」で「カメラが回っていない時でも宮沢りえさんは、お母ちゃんでいてくださって救っていただいた。温かい方しかいない現場だった」と述懐。「永い言い訳」での好演が高く評価された竹原ピストルは、西川美和監督への感謝の言葉を述べ「こんな素敵な賞をもらえるなら、こんなバカみたいな芸名にしなきゃよかった」とおどけていた。
「溺れるナイフ」「ディストラクション・ベイビーズ」など、数々の話題作に出演した小松菜奈は「自分自身が追いつかないほど全身全霊で取り組んだ1年だった。『溺れるナイフ』でがすべてをむき出しにして演じた」と10代最後の歳での新人賞受賞を喜んだ。映画評論家の川本三郎氏は「今年の映画は粒ぞろいの秀作ばかり。どの作品がベスト1でもおかしくない状況」とコメントした。
川本三郎
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