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劇場公開日 2006年11月25日
解説
阪神淡路大震災を背景に、還暦を目前にしてプロテストに合格した実在の現役プロゴルファー、古市忠夫の姿を描いた感動ドラマ。1995年1月17日未明、激しい揺れが神戸市を襲った。もともと消防団のボランティア活動をしていた古市は、家も財産も失いながら街の復興に奔走する。そんなある日、古市は自分のゴルフバッグが無傷で残っていたことに運命を感じ、ゴルフのプロテスト挑戦を決意する。主演は「どついたるねん」の赤井英和。
2006年製作/126分/日本
配給:東映
スタッフ・キャスト
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元プロボクサーである赤井英和はトミーズ雅とともに有名だけど、島木譲二だって元プロボクサーだなんて忘れ去られている。パチパチパンチとか、この映画でも披露したポコポコヘッドとか、特別面白いわけでもないギャグでバカにされているかのような吉本新喜劇の中心人物ですが、ミドル級西日本新人王という輝かしい過去を持っているのです。
元プロボクサー仲間として関連性があるだけじゃなく、赤井と島木の映画デビューの年が同じ1989年だということも興味深い事実。赤井は『どついたるねん』、島木はなんと『ブラックレイン』なのですが、こんな偶然ってあるのでしょうか・・・しかも田中好子がその年の映画『黒い雨』で日本アカデミー賞主演女優賞をとっているなんて・・・
その田中好子は1978年のキャンディーズ解散によって引退するんじゃないかと思われてましたが、奇しくもその年に薬師丸ひろ子が『野性の証明』でデビューを果たす。「今日は俺の女房になってくれないか」などという言葉で、この2人の関係が浮上しました。その他、桂きん枝、Mr.オクレなどのお笑いゲストに加え、永瀬正敏、豊川悦司、佐野史郎、仲村トオルなど多くの有名俳優が友情出演していて、多くのエキストラの方々のさりげない演技が印象に残ります。また、序盤における生々しい惨状にも胸が苦しくなったのですが、一番泣けたのが河島英五の「生きてりゃいいさ」でした。
映画の内容としては実話だけに涙なしでは観れないものなのですが、観る前は震災を生き残った人がなぜプロゴルファーなのかと疑問に感じていました。ゴルフという世界が、どちらかというと一か八かといったギャンブル性の強いスポーツだと思っていたからです。しかし、古市さんは写真屋さん。今のようなデジカメ全盛の時代になってしまっては、着実な商売とは言えないのかもしれません。「神の啓示」といった台詞もありましたが、もしかすると彼はそうした時代がくると感じ取っていたのかもしれません・・・
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