【日プロ大賞】作品賞「ぼっちゃん」の大森立嗣監督「映画を作る自由味わえた」
2014年6月29日 01:00
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[映画.com ニュース] 映画ジャーナリスト・大高宏雄氏が主宰する「第23回日本映画プロフェッショナル大賞」の授賞式が6月28日、東京・テアトル新宿で行われ、大森立嗣監督(作品賞)、沖田修一監督(監督賞)、岩佐真悠子(新進女優賞)、水澤紳悟(新進男優賞)らが出席した。
財団やNPOではない一個人が主宰する世界唯一の映画賞として知られる同映画賞は、1991年にスタートし今年で23回目を迎える。大高氏に賛同する映画のプロフェッショナルたちが選考委員を務め、“ベストテン”と“個人賞”を選出。大高氏は、「ヒエラルキーを壊してみたい、システムを何とかひっくり返せないかという思いでスタートした映画賞。システムの壁は厚いけど、壁に杭を打てばその杭は後世に残っていく」と改めて初心を表明した。
「ぼっちゃん」で栄えある作品賞を受賞した大森監督は、「だいたい『横道世之介』が賞を取っていたので暴挙だと思うけど(笑)、素直にすごくうれしい」と喜びを語り、「誰に頼まれたものでもない。何もないところから発信していくのは怖いことだけど、映画を作る自由は味わえた」と感慨深げ。同じく「ぼっちゃん」で新進男優賞を受賞した水澤紳吾は、「こんなみずぼらしい僕には重すぎる賞。セリフをもうちょっとしっかり読める俳優になりたい」と、祝福に駆けつけた“盟友”宇野祥平と照れ笑いを浮かべていた。
「横道世之介」で監督賞を受賞した沖田監督には、出演の伊藤歩が花束贈呈に駆けつけ「久しぶりに会えてうれしい。サプライズで来ていたけど楽屋でバレちゃった」とはにかみながら、「私にとっても一生の宝物になる映画」と感謝を述べた。すると沖田監督も、「幸せな現場だった」と自身のキャリアを大きく変えた1本を言葉少なに振り返った。
「受難」「カルト」での体当たりの熱演が評価され、新進女優賞に輝いた岩佐真悠子は、「色々大変だったけど皆さんのおかげで楽しく頑張れた。自分の中では冒険だったけど、やってよかったなと思える作品」と胸を張った。花束贈呈に駆けつけた「受難」の共演者・古館寛治も、「文字通り体を張った役。それを軽やかに演じているのを見てカッコイイ女だなとずっと見ていた」と惜しみない賛辞を送った。
昨年の「苦役列車」に続き、今年も「もらとりあむタマ子」で主演女優賞の栄冠に輝いた前田は、「はじめは台本もコピー用紙1枚からスタート。監督と『どうしよっか?』と相談しつつ、とにかくゆるく楽しい雰囲気が私をタマ子にしてくれました。大好きな映画で昨年に引き続き賞をいただけて本当にうれしいです。これからも精進して参ります」と喜びの手紙を寄せた。「横道世之介」で主演男優賞を受賞した高良健吾も出席はかなわなかったが、「沖田組はそれまでしんどい役ばっかだった僕に、等身大の若者の役をくれた組」と熱いメッセージを沖田監督に託した。
「フラッシュバックメモリーズ3D」で特別賞を受賞した松江哲明監督は、「90年代の高校生の時に浴びるように見ていた映画のような、自分が見た原体験を作りたい」とプロデュース業を含むさらなる活躍を誓った。新人奨励賞を受賞した「恋の渦」俳優チームの面々も、「まさかこんな大きなことになるなんて思ってもみなかった」と、奇抜な浴衣姿で壇上を盛り上げていた。
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