毎日映画コンクール受賞の赤木春恵、加賀まりこ、ピエール瀧ら喜びの声
2014年2月13日 17:35
[映画.com ニュース] 第68回毎日映画コンクールのオープニングセレモニーが2月13日、神奈川・ラゾーナ川崎で行われ、スポニチグランプリ新人賞の星野源と濱田ここねちゃん、女優主演賞の赤木春恵、男優助演賞のピエール瀧、田中絹代賞の加賀まりこら主要部門の受賞者たちが出席し、喜びのコメントを寄せた。
会場からの温かい拍手に包まれ登場した赤木は、日本映画優秀賞にも輝いた「ペコロスの母に会いに行く」で主演を務め「現在89歳。来月になると90歳になります。優しくあたたかいスタッフに支えられ映画を撮ることができ、思いがけなく主演女優賞までいただき、本当になんて幸せなんだろうとつくづく思う」と喜びをかみしめた。
女優の名を冠した世界でも珍しい賞・田中絹代賞を受賞した加賀も、「賞は何よりも仕事の励みになる。ことに田中絹代賞は、我々女優をやっている者みんなが欲しかった賞。長くやってきてよかった。これからも守りに入らないように足腰を鍛えて、どんな仕事が来てもこなせるように毎日を過ごしていきたい」と気持ちを新たにした。意欲作「凶悪」で愛嬌たっぷりの死刑囚役を演じ切ったピエールも、「苦労が報われた。浮かれてしゃべるような内容の作品じゃないけれど、このような素晴らしい賞をいただき、支持されたことをうれしく思う」とトロフィー片手に全身で喜びを表現した。
初主演を務めた「箱入り息子の恋」での好演が評価された星野は、「歴史ある賞をいただき本当にうれしい。初めての主演作品でこういう場に立たせていただけて光栄」と大きな笑顔を見せた。史上最年少9歳での受賞となった「おしん」のここねちゃんは、撮影時の衣装で登場し「1年ぐらい前なので本当に懐かしい。おしんになった気分。撮影は初めて親と離れたのでどうしていいか分からなかったけれど、優しい皆さんのおかげで乗り越えられた。優しくて気をつかえる、素敵な女優さんになりたい」と抱負を語った。
「映画『立候補』」でドキュメンタリー映画賞を受賞した藤岡利充監督は、「泡沫と言われる候補を描いた泡沫映画。まさか受賞して“当選”するとは思わなかった(笑)。『立候補』では日本の政治の底辺を描いたので、次は日本の政治の頂点、内閣総理大臣でやりたい」と意欲満々。“5万回斬られた男”の異名をとるベテラン時代劇俳優・福本清三は、特別賞受賞に「こういう場に来たことがないので緊張して何をしゃべっていいのやら(笑)。心臓バクバク。斬られて死んでいる方が楽」と冗談交じりに喜びを語った。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。