ONODA 一万夜を越えてのレビュー・感想・評価
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戦争には兵士の数だけの物語りがあり。
新聞社絡みで多国籍合作は、でー嫌いな映画になるテンプレ。しかも3時間あって、日独伊三国同盟(WWⅡ敗戦国)揃い踏みで、聞いたことないプロデューサーとスタッフ陣。と、相当警戒しながらのスタートです。するとですよ。日本陸軍、いきなりジープに乗って登場でズッコケる。軍服も階級章も適当な感じです。手抜きです。と言うか、多分、気にして無いw 劇中でも、陸軍中野学校出身者に、天皇を奉る日本が毛沢東の中国共産党と東亜連邦を組め、なんて言わせる茶番。この辺りは雑を通り越して悪意も感じますが。 全般的にはリアル。美化も誹謗も無し。誰かを貶める描写もなく。日本が占領されても徹底抗戦するとの戦略を持っていた事は事実。秘密戦の工作要員としての使命を全うした小野田少尉。ただ終戦後、29年って言うのは長すぎるし、ほぼ地元一般人30人を殺傷した点(日比間で国際問題化)の要因は、軍指令によると言うよりも、個人の資質に帰する気がしないでもないけれど。 映画を観ながら思ったのは。むしろ。 食べる事も出来ずに餓死した兵士たちだったり。逃げ遅れて戦艦と共に海底へ沈んで行ったり。熱病に倒れ衰弱死したり。 靖國に眠る英霊の方だったりしたもんだ、と来た。 遠藤雄弥と津田寛治の演技は印象的でした。3時間の凡作とまでは言わないけれど、見慣れてる感はアリアリで感動には至らず、でした。
恥ずかしながら楽しめました。
小野田さんが帰ってきたのは俺が小学生の頃。 当時、横井さん、小野田さんと続いていたので、他にもいると思ってた。 それにしても、なんでフランスの若手監督が。フランス・ドイツ・ベルギー・イタリア・日本合作ってのも凄いよね。 スタートは終戦1年前。空軍を辞めた彼が軍の秘密学校にスカウトされた所から始まります。そこで学んだ事が、それからの彼の生き方の指針になる。卒業後、フィリピンに派遣され、間もなく師団壊滅。残った7人で、島を守る事になる。そりゃ色々あるよね。徐々に人数が減って30年後には1人に。 しかし、現地の人達には迷惑だったよね。何十年も強盗団が近所に潜伏してるんだもんね。武器持ってやっつけようとするわな。 MINAMATAに続いて日本の事を外国の監督が撮ると、俳優たちがランクアップ。いつもはバイプレイヤーな皆んながめっちゃ輝いてた。字幕がなくてフィリピン語が分からなかったのも良かった。 日本の監督と比べて、カメラワークや照明が素晴らしい。絶対邦画じゃないってすぐ分かると思うよ。3時間弱の長尺だけど、ずっと緊張とウルウルで大満足でした。
役者に魅了される
小野田寛郎氏を演じた2人の日本人俳優の演技、特にその目力に引き込まれたが、さすがにあっという間の3時間、とはちょっと言いづらいか? やはり、長いことは長いです。 ただ、なぜ小野田寛郎がフィリピンに残り続けたのか、多少狂信的かもしれないが、戦争当時の日本兵の国に対する気持ち、思いというものがよく描かれていた。 フランス人ながらの視点かもしれないが、日本の戦争を描く映画として、かなりの良作であることは間違いない。
戦争の無意味さを明らかにした
「ONODA 一万夜を越えて」という邦題がおかしい。「越えて」という部分だ。何を越えてきたというのか。何も越えていないではないか。いい加減な言葉の使い方は日本の政治家だけにしてほしい。原題の直訳で「ONODA、ジャングルでの一万夜」でよかったと思う。 小野田寛郎さんは陸軍中野学校出身である。出身者は、派遣先で住民を掌握し、武力によって従わせたり、場合によっては徴兵して戦わせる。そうやって本土攻撃を少しでも遅らせるのだ。三上智恵監督の映画「沖縄スパイ戦史」によると、中野学校出身の将校が沖縄で「護郷隊」と呼ばれる少年兵を組織したそうだ。結果として多くの少年兵が戦死したり、上官命令で仲間から撃たれたりして、生き残った者はトラウマを抱え続けることになった。 つまり陸軍中野学校は、徒らに住民を巻き込んで戦争を長引かせようとする将校を生み出しただけだったのだ。彼らは天皇陛下だとか皇軍だとかいう権威を信じ、日本は負けない、最後の一兵卒になっても戦うのだと信じていた。 小野田さんも、学校で学んだ人心掌握術を発揮して兵隊や住民を巻き込み、最後まで戦線を守り抜くと勢い込んでルバング島に来た。しかし兵隊の誰も言うことを聞かず、結局残ったのは自分を含めて4人だけだった。 そこから小野田少尉の狂気にも似た残留作戦が始まる。食料調達のために住民を襲い、家畜を殺す。ルバング島の住民にとっては小野田さんたちは山賊である。畑の作物を食い荒らすイノシシみたいな存在だ。猟友会によって駆除される運命にあった。たまたま駆除されないで29年もの間、生き延びたというだけの話である。 本作品はフランス映画である。哲学の国の映画だから、世界を客観的に描く。ジャングルでの29年は、それは苦しい年月だったと想像される。しかし同情はしない。むしろ、まったく無意味な年月であったと切って捨てる。小野田さんを演じた津田寛治の虚ろな目の色がそれを物語っている。 天皇陛下万歳のパラダイムから一歩も出ることができなかった小野田さんの精神性は、陸軍中野学校が生み出した罪なのだろう。小野田さんと同じように戦争を全肯定する人々が世界中で不気味に増加しつつある。その危機感がこの映画を製作した動機かもしれない。戦争がどれほど無意味で、無駄な死と、薄れることのない憎悪を生み出すだけかを明らかにした作品である。
小野田少尉を演じた遠藤雄弥と津田寛治がとにかく圧巻!!
小野田少尉を二人の俳優が演じたのですが、これが大変素晴らしいものでした。青年期を演じた遠藤雄弥さんは映画の中ではどこか若い頃の三上博史に眼光が似ており、成年期から壮年期を演じた津田寛治さんは映画の中では20年くらい前の奥田瑛二さんに見え、それでいて本物の小野田少尉にも見えました。また遠藤雄弥さんから津田寛治さん移るのは非常に自然で何も違和感はありませんでした。僕はこの二人の俳優と、この難しい題材(特に日本では)を映画化したフランス人監督アルチュール・アラリ氏に拍手を送りたいです。 僕は幼少期にTVで小野田少尉がルパング島から帰還した際の報道は繰り返し見ており、さらに2年前、たまたま興味を持って彼の著書と関連本を数冊読んでいたので、かなり毀誉褒貶相半ばする人物であると認識していました。おそらく帰国後に美談に仕立てられた部分もかなりあると思いますので、彼を主人公にした映画を本当に作製して良いのか?とか、どのように作っても、右側と左側から攻撃されるだろう、と日本人プロデューサーなら考えてしまい、おそらく企画しても制作に移せないと思います。それゆえにフランス人監督だからこそ作り得たのかもしれません。これをカンヌ映画祭で観た欧米の人々はどのように感じたのかも非常に興味が湧きます。 娯楽映画では全然ありません。ただ3時間という長編映画ですが、それほど長くは感じなかったのは、途中で退屈するような場面はなかったからでしょう。セリフが聞き取りづらいのは残念な点で、特に前半は字幕を入れてほしいくらいでした。 お勧めかと聞かれると・・・小野田少尉のことを知らない若い人の方が興味が湧いて映画として楽しめると思います。一方で、彼に関する報道や著作を色々と読んでいる人や、帰国後の小野田さんの政治活動などを知る人は、ちょっと素直には小野田寛郎という人物を受け入れることは難しいと思いますので、素直には映画を楽しめるものではないかもしれません。 とはいえ彼は23歳でフィリピンで玉砕せず敗戦を迎え、しかし自決も復員もせず52歳まで密林で最後まで諦めずに耐え抜き、それから帰国して、結婚して91歳まで長生きをしたという生き様は、仕事に疲れた40-50代の現代社会の男性にとっては、ある意味励みになるかもしれません。
忠誠心のあり方
この作品で私が思う最大のポイント、それは小野田さん自身は、自分が下した判断をどう評価しているのか、ということです。 もし、さしたる教育も受けずに司令官としての判断どころか、ただあの場所に送り込まれて上官の指令に従うしかない立場の人であったら、巡り合わせの不運を嘆き、時間的かつ精神的なロスをどう快復させるのか、という構図の中で比較的分かりやすく感情を推し量ることかできると思います(今を生きる私たちに小野田さんの実体験を肌感覚で理解することは不可能だとしても)。 小野田さんは只者ではありません。選ばれたエリートとしての特殊な訓練を受けています。戦争参加国の事情についても無知ではありません。 ラジオから得られる情報は限りがあるとしても、国際情勢を分析して、島に残ること、生き延びることを選んだのは司令官としての自分です。 最初に訪れた赤津や父親の説得に応じなかったのも、それなりの分析と判断の結果です。 自分の頭で考えることのできる人が、部下の運命をも左右する決断をするということには、責任という重さが加わりますが、それを遂行し切れる背景には、〝忠誠心〟という概念が存在していました。 この忠誠心というのは、とても曖昧です。 2019年のラグビーW杯におけるワンチーム。 このチームの選手は全員がチームへの忠誠心を身体を張ったタックルで示し、それは我々にも分かりやすく伝わってきました。 ところが国家への忠誠心は、忠誠する主体がコロコロ変わり、忠誠を命じられた小野田のような人たちを平気で裏切ります。この映画では、その変節ぶりをイッセー尾形演ずる谷口に象徴させていました。 日本に戻った小野田が忠誠心を根拠として下した自身の判断について、どのように整理したのか。 その点がとても気になりましたが、そこまでは映画では追いかけていません。帰国後の小野田さん個人の心の内まで踏み込まなかったのは、製作者の方たちの小野田さんへのリスペクトの結果なのだと解釈しています。 浅学ではありますが、国家への忠誠が平和と富と安定を長期に亘ってもたらした例は、古代ローマと中世のヴェネチア共和国くらいしか思いつきません。 このチーム、この団体、この政体を守り維持・強化したいと、そこに所属する人間が自発的に思えることはどれだけ稀有で素晴らしいことなのか、あらためて感じることになりました。 規模としては小さいですが、宮崎駿監督の描く〝風の谷〟やエボシ御前の治める〝タタラ場〟などは、そこの構成員がごく自然にこの共同体を守ろうという忠誠心に溢れている好事例だと思います。
「忘れない。」がすべてを物語る
なぜ、小野田さんは帰国後すぐにブラジルのジャングルに移住したのか。 それは、この30年の体験があったからだろうと、勝手に理解し疑問が解けた気分になった。 戦時中の一般国民はおろか兵隊、戦地の部隊のお偉いさんすら誰一人して知られなかった存在「中野学校卒業生」である異様な立場故のその半生。 日本人スタッフだけでは絶対描き出せなかった表現を通し、小野田さんを傍観することで、新たな角度で狂っていた昭和時代を疑似体験できることは、貴重だった。
【”あの人は何があっても生きろ!必ず迎えに行く”と言った・・。哀しすぎる”軍事洗脳”に依り、戦後30年以上ルバング島で戦った男達の壮絶な物語。】
ー 陸軍中野学校二股分校で秘密戦を谷口少佐(イッセー尾形:今作での演技は、流石の一言である。)から学んだ、小野田寛郎は、第二次終戦間近に、フィリピンに派遣される。 そして、中野学校で叩き込まれた上官からの教えを忠実に遂行した故に、日本の敗戦を信じず、戦後30年以上、部下を次々に失いながら、孤独な”真の敵なき”戦いを続けるのである。ー ◆感想 ・まず思ったのは、若き小野田を演じた遠藤雄弥と、年老いてからの小野田を演じた津田寛治の”ホントに軍人ではないか・・”と思ってしまった程の、物凄い目力と演技である。 特に、津田寛治の演技は凄かった・・。 ・彼らが、終戦を迎えて、盗んだラジオでニュースを聞き、新聞で東京オリンピック開催も知りながら、ジャングルから出て来なかった理由。 ー 軍人は、上官の命令を陸軍中野学校の様な特殊な教育を受けた者は、絶対だと盲目的に思ってしまうのかなあ・・。入手した”事実の情報”を全て、自分達の都合に合わせて、解釈する姿。完全な”軍事洗脳”だろう・・。 そもそも、戦争自体が、壮大な”軍事洗脳”なのである。ー <小野田さんという方が、戦後30年以上たった後、上官の命により母国の国の土を踏んだ事実は知っていたが、今作にて詳細を初めて知った。(多少、脚色はあるであろうが・・) そして、この作品の監督が、フランス人のアルチュール・アラリ氏である事も、本作を見応えある作品にした要因だと思う。 日本人監督では、小野田さんたちの姿を、あのように描けないのではないか・・。 人間の愚直さ、肉を食べたいがために島民を殺したり、性欲を発露させた本性により引き起こされた悲劇などは・・。 驚き、且つ彼らは何故に戦争終結を認める事が出来なかったのかを深く考えさせらる作品であった。>
フィクションとしては面白いが…
父親にまで戦争は終わったと呼びかけられても投降しなかったのは意固地な性格ゆえ、とも言われる残留兵士映画。 フィクションとしての完成度は高いが、30年に渡る現地での略奪、殺人描写は少なく、本人存命中制作されたTVドラマでは投降しようとした部下を殺害しようとして部隊に留まらせるシーンもあった。 本作では渋々投降を見逃すシーンもあるが、実際には銃撃戦負傷により米軍に収容され、それにより3名の残留日本兵がいると分かった。 投降時、実際にはフィリピン軍の護衛があり、それが無ければ殺害される危険もあった程、多くの現地住民殺害の恨みを買っていて、一人になっても投降出来なかったのはその為とも言われているし、帰国時、日本政府はフィリピン政府に多額の迷惑料的な支払いもあった訳で、そういう部分も含め帰国後の生活なども描いて欲しかったのが本音。 最後に役者について書くが、本作出演者は全員リアリティが物凄く、中でも津田寛治は小野田そのもの! 小野田若年期を演じた俳優も最初こそ全然違って見えたが、段々と小野田にしか見えなくなって来た! その他、インディーズ映画やピンク映画などで映像演技経験を積んで来た俳優もおり、こうした大物起用ではなくとも見応えある作品は十分可能であることを改めて認識した作品でした!
変わらない美しさは尊し
人の世は移ろうもの。 また、人の心も移ろうもの。 だからこそ、愚直に変わらない真っ直ぐな心を持ち続けたひとりの日本兵の崇高さに感動したんだと思います。 映画の件にもありましたが、 最後の日本兵、小野田さん、本当に、本当に、お疲れ様でした。 追記 小野田さんは本当は日本へ戻りたくてしょうがなかったんじゃないだろうか? 谷口さんを呼びに行かせたのも自分が沢山の部下を死なせてしまったのに自分一人だけが生きて帰還することに負い目があったからじゃないかと思う。 ルバング島で仲間と共にこの身を沈めたいと思う気持ちもあり、どこか心の踏ん切りをつけたかったんじゃ・・・ あのヘリから地上を見つめる涙目は日本兵として生き残る罪悪感の証のような気がします。
イッセー尾形の真骨頂
イッセー尾形が破壊工作員を養成する中野学校の教官を演じるんだけど、役どころがピッタリ。顔に現れる表情がコントロールされていて、小野田をはじめとする訓練を受けている生徒たちは教官の本心がわからないため気が抜けない。生徒たちの歌っている歌を訓練の教材にしてしまうシーンは、イッセー尾形の真骨頂。 年をとった小野田さん演じる津田寛治、小野田さんを探し出した鈴木青年を演じる仲野太賀、元上官のイッセー尾形。この黄金トライアングルによるラストは圧巻だった。 残念なのは若い頃の小野田さんを演じた遠藤雄弥の力量不足。棒読み感があるセリフ回しは、演技力ある周りの俳優から浮いてしまっていて、ストーリーに集中できなかった。 3時間近くの時間を感じさせない中身の濃い物語になっていたのは間違いないが、小野田さんにシンパシーを感じることはなかった。島民にとって畑を荒らしたり、危害を加えるような日本兵の残党は、厄災でしかない。やはり戦争というのは誰にとっても不幸だ。
燃える秋の日本主題の映画!
小野田さんのことは、鮮明に覚えています。 日本という国が、かつて大国と戦争し敗戦という事実をうっすらと覚える最後の世代かもしれないですね。 この映画の素晴らしいところは、戦争という人をないがしろに葬る所業をあくまでも人、ひとりの個人を押し出してえがいているところで、それ以上でも以下でもない。 手触りは映画でいえば、野火と戦場のクリスマスを合体させ、さらに日本の復興をイノセントというスパイスを振りかけてみましたという味わいかしらん!? 意味不明ですか?それは小野田さんこと津田寛治さんと太賀くんの表情をみくらべての感想です。まあ必見です!
予告編でも、発見されたときの小野田さんの姿とよく似てると思った。 ...
予告編でも、発見されたときの小野田さんの姿とよく似てると思った。 一番狂気だったのは、小野田さんの親が会いに来たときに、二人で妄想を繰り広げるところ。でも、これはリアルなことかもと思った。 フランス人がどういう目線でこれを撮りたかったのか。 たいがくんは、イッテル感がすごく良かった。 さらには、尾形イッセイ。上司のときの演技も、書店で会い、ルソンで、小野田に対する演技もさすがだ。 ラストシーンの伸びた背筋は印象的だ。 でも、イマイチ、天皇制他との絡みで、どういう経過だったかのリアリティはわからない。 たいがくんが最もリアリティがあった。
小野田寛郎元少尉を知る
第二次世界大戦の終戦近い1944年、陸軍中野学校で秘密戦の特殊訓練を受け、フィリピンのルバング島へ派遣された小野田寛郎少尉は、日本から援軍が来るまで部隊を指揮し、生き延びる様に命令されていた。ルバング島のジャングルの中で食糧も不足し、時には農家から食料を略奪しながら、いつか必ず救援がくると信じて仲間と共に島を調査していたが、病気や投降、原住民に殺されたりし、最後は1人になり30年後の1974年に日本に帰還した小野田寛郎元少尉の話。 この話はその前にグアム島で発見された横井庄一さんと異なり、小野田さんは毅然としていたのに驚いた記憶があったが、やはりた士官として厳しい教育を受けて来たからなのだと知った。 戦前の教育の凄さと小野田さんの個人の意識の高さに涙が出た。 ただし、現地の農民から食料を略奪したり、火をつけて焼いたりする行為は生きるためとはいえ、現地の人たちにとって迷惑極まりなかっただろうと思った。 小野田の若い時を演じた遠藤雄弥、成年時代を演じた津田寛治とも素晴らしかった。 帰国のきっかけになった仲野太賀が演じた青年の勇気ある行動にも感動した。 ほとんど日本語での作品なのにフランス人監督・脚本、というのも驚きだった。
ひたすら小野田寛郎
終戦から29年が過ぎた1974年3月にフィリピンはルバング島(ルバン島)にて投稿し帰国した大日本帝国陸軍少尉、小野田寛郎の1944年から1974年の話。 帰国時自分は生まれてはいたけれど物心がつく前であり、後にテレビや雑誌で特集されていたりwiki等からの情報や、親から聞いた話ぐらいの知識で観賞したけれど…変な日本での政府の動きや報道とか噂話等々はまるでなく、ずっと小野田寛郎と三人の仲間たちの様をみせていく展開で、何故?と思う実際にそれを発進した人の変更や、時系列の変更はあるけれど、結構忠実につくられているイメージ。 観賞前、174分は長いな~と思っていたけれど、今作に追加してもっとラフだったりハードで生々しいエピソードもみせてくれても良かったのでは?と感じる程に174分を感じさせない面白さだった。 ただ、あくまでも、小野田寛郎に興味が有り、且つ熟知していない人向けというニッチな作品という感じはしたかな。
日本とは日本人とは何か?
アルチュール・アラリ監督『ONODA』を観た。 上映前の舞台挨拶でイッセイ尾形が3時間の大作ですが、体感的には1時間であっという間 と言っていたが 昭和19年から昭和48年までの30年間のドラマが鮮やかに浮き彫りされた感があった。 日本と日本人とは何か? MINAMATA に続いて外国人の監督で知らされるのを寧ろ肯定的に受け止めるべきだと思う。 塚本晋也監督の野火に続いて、この映画も多くの若い人に見て欲しいと思った。
自分自身が司令官であれ
フランス人監督が手がけたとのこと、ジャングルの自然を美しく映し出し静謐ながらも独特の世界観を持つ作品。 小野田がなぜ終戦を信じずジャングルに潜伏し続けたのか?彼の細かい心情や背景を描きだしていると長尺になるのも仕方がない。 最後のシーン、小野田の顔がしばらく映し出されるが、彼はなにを思い感じていたのだろうか。 彼もまた孤独とジャングルという大自然を相手に、戦い続けた勇敢な兵士の一人なんだろう。 なんといっても本作はキャストがみんな素晴らしい。 小野田寛郎の青年期を演じた遠藤雄弥から後半は中年期を演じる津田寛治へとバトンタッチされるが、二人の目がよく似ていて全く違和感なく見ることができる。また、バックパッカーの青年を演じた仲野太賀は相変わらずいい表情をしているし、谷口演じたイッセー尾形はさすがの存在感、空気が変わるし声が素晴らしい! 唯一残念なのはセリフが聞き取りにくかったこと。何を言っているか分からないところが所々あった。海外では字幕が入るからそこは気にならないのかな?
上映時間180分弱、長い…
と思ったけど30年のジャングル生活をみたらアッという間でした。戦争なんて全く経験のない子供時代、このニュースにはただ驚きでした。戦争の極限下に取り残された兵士達、通信手段もなければひたすら隠れるしかなし…終戦をまたいでしまい更に極限下。お国のために必死に30年任務を遂行したのに復興がどんどんなされる日本に取り残されるのは哀しすぎる。青春真っ只中なはずの30年、誰が責任をとるのか…。
小野田寛郎さん
昭和49年に30年間ルバング島のジャングルで日本兵として戦い続け、日本に帰国したことは鮮明に覚えている。。当時、武装解除して帰国するには上官の命令がなければ帰れないと言っていたが、その小野田さんがどうして闘い続けたかが、今こうして明らかになった気がする。 小野田さんと小塚さんの役は、若い時と成年期で役者さんが変わっているのですが、違和感なく見てました。 小野田さんの後半を津田寛治さんが演じていたが、その鋭い眼光はまさに敵と対峙し生死を生き続けできた証で、日本に帰国する時にはすっかり穏やかな目に変わっているのが印象的でした。 あれから50年近く経ちますが、そんなに前のこととは思えない。 フィリピンセブ島で夫(私の祖父)を亡くしている私の祖母が、もしかしたらお父さんもジャングルにいるじゃないかしら?と漏らした一言を忘れません。 小野田さんの帰国は、戦争で夫や父を亡くした遺族達にどれほどの希望を与えたかわからない出来事だったのです。
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