劇場公開日 2021年10月8日

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「小野田寛郎元少尉を知る」ONODA 一万夜を越えて りやのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小野田寛郎元少尉を知る

2021年10月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

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難しい

第二次世界大戦の終戦近い1944年、陸軍中野学校で秘密戦の特殊訓練を受け、フィリピンのルバング島へ派遣された小野田寛郎少尉は、日本から援軍が来るまで部隊を指揮し、生き延びる様に命令されていた。ルバング島のジャングルの中で食糧も不足し、時には農家から食料を略奪しながら、いつか必ず救援がくると信じて仲間と共に島を調査していたが、病気や投降、原住民に殺されたりし、最後は1人になり30年後の1974年に日本に帰還した小野田寛郎元少尉の話。
この話はその前にグアム島で発見された横井庄一さんと異なり、小野田さんは毅然としていたのに驚いた記憶があったが、やはりた士官として厳しい教育を受けて来たからなのだと知った。
戦前の教育の凄さと小野田さんの個人の意識の高さに涙が出た。
ただし、現地の農民から食料を略奪したり、火をつけて焼いたりする行為は生きるためとはいえ、現地の人たちにとって迷惑極まりなかっただろうと思った。
小野田の若い時を演じた遠藤雄弥、成年時代を演じた津田寛治とも素晴らしかった。
帰国のきっかけになった仲野太賀が演じた青年の勇気ある行動にも感動した。
ほとんど日本語での作品なのにフランス人監督・脚本、というのも驚きだった。

りあの