劇場公開日 2021年10月8日

「中立に忠実に作られた現代の寓話」ONODA 一万夜を越えて ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

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4.0中立に忠実に作られた現代の寓話

ONIさん
2021年10月10日
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気を衒わずとても丹精に、そしていろんなリスペクトがなされた映画だと思う。観ている間中、これがフランス人監督によるフランス映画であることはほとんど思い出さない。しかし、このような映画、日本ではなかなか作れないだろうとも思う。要するに、フランス人監督だからなし得た客観的な視点な気がする。
自分が見知っていた小野田寛郎の物語に非常に近い。4人から3人、3人から2人、2人からひとりぼっちへと進み、世界の歴史上の戦後がはじまって、それを気づかせようといくつかの置き土産から類推する「現在」が切ない。半ば笑いそうになるくらい狂気の世界だ。やがてひとりぼっちの時間の孤独の後に現れる鈴木青年。これも書物などで見知っていた戦後生まれの青年の屈託のなさゆえに小野田に接近できてしまうキャラクターを太賀がドンピシャに演じてる。イッセー尾形との再会、服を慌ててシャツに仕舞い込んで現れる辺りは本当にうまい。
日本政府の人間と島民に囲まれてヘリに向かう小野田の顔を見ながら涙が溢れた。津田寛治、減量したんだろうな、すごくいい顔をしていた。
これは日本では実現不可能なONODAの映画だった。

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ONI
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