劇場公開日 2021年10月8日

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「【”あの人は何があっても生きろ!必ず迎えに行く”と言った・・。哀しすぎる”軍事洗脳”に依り、戦後30年以上ルバング島で戦った男達の壮絶な物語。】」ONODA 一万夜を越えて NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【”あの人は何があっても生きろ!必ず迎えに行く”と言った・・。哀しすぎる”軍事洗脳”に依り、戦後30年以上ルバング島で戦った男達の壮絶な物語。】

2021年10月9日
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鑑賞方法:映画館

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ー 陸軍中野学校二股分校で秘密戦を谷口少佐(イッセー尾形:今作での演技は、流石の一言である。)から学んだ、小野田寛郎は、第二次終戦間近に、フィリピンに派遣される。
 そして、中野学校で叩き込まれた上官からの教えを忠実に遂行した故に、日本の敗戦を信じず、戦後30年以上、部下を次々に失いながら、孤独な”真の敵なき”戦いを続けるのである。ー

◆感想

 ・まず思ったのは、若き小野田を演じた遠藤雄弥と、年老いてからの小野田を演じた津田寛治の”ホントに軍人ではないか・・”と思ってしまった程の、物凄い目力と演技である。
 特に、津田寛治の演技は凄かった・・。

 ・彼らが、終戦を迎えて、盗んだラジオでニュースを聞き、新聞で東京オリンピック開催も知りながら、ジャングルから出て来なかった理由。
 ー 軍人は、上官の命令を陸軍中野学校の様な特殊な教育を受けた者は、絶対だと盲目的に思ってしまうのかなあ・・。入手した”事実の情報”を全て、自分達の都合に合わせて、解釈する姿。完全な”軍事洗脳”だろう・・。
 そもそも、戦争自体が、壮大な”軍事洗脳”なのである。ー

<小野田さんという方が、戦後30年以上たった後、上官の命により母国の国の土を踏んだ事実は知っていたが、今作にて詳細を初めて知った。(多少、脚色はあるであろうが・・)
 そして、この作品の監督が、フランス人のアルチュール・アラリ氏である事も、本作を見応えある作品にした要因だと思う。
 日本人監督では、小野田さんたちの姿を、あのように描けないのではないか・・。
 人間の愚直さ、肉を食べたいがために島民を殺したり、性欲を発露させた本性により引き起こされた悲劇などは・・。
 驚き、且つ彼らは何故に戦争終結を認める事が出来なかったのかを深く考えさせらる作品であった。>

NOBU
ミカさんのコメント
2021年10月24日

コメントありがとうございます♪
情け無いですが、日本人監督が描けないに同意です。この日本軍の滑稽さを私の愛するクストリッツァで観たいと思ってしまいました。

ミカ
2021年10月17日

また、コメントしてくださいませ!😆

美紅
2021年10月17日

人間の本能が垣間見れたストーリーでした✨

美紅
2021年10月17日

軍事洗脳、まさにそうでしたね。

美紅
2021年10月17日

こちらは、観に行きました✨

美紅
大吉さんのコメント
2021年10月15日

コメントありがとうございました。いつもレビュー参考にさせてもらっています。
日本人こそが描くべきという意見もありますが、日本人では描けないこともありますよね。
外国映画ですが、津田寛治さんは日本の賞の対象になるんでしょうか? 素晴らしかったです。

大吉
しろくろぱんださんのコメント
2021年10月10日

NOBUさん。
いつもありがとうございます。津田寛治さんは最近知りました。プライムビデオで配信されている“名前〝という映画に出演されていいます。とてもいい映画です。観る機会がありましたら是非。

しろくろぱんだ