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前作「カイジ」は派遣切りのニュースの真っ只中に公開され、それは、鉄骨渡りたい人間が続出するような不謹慎なタイミングだった。
映画の中身も原作のエピソードをただつなぎ合わせただけの、スカスカなシロモノで唯一藤原竜也のみが見どころだった。
作り手はわざと自分を隠したかったんじゃないか、と思うほどスカスカ。
さて「カイジ2」。派遣切りのニュースはテレビ局が飽きてしまってるが、決して景気は好転していない。前作となんら世の中は変わっていないなか、脳みそスカスカで人生奪回ゲームとか言っている。
まあ、いい。脳みそスカスカで。
だって作り手の狙っている客層は原作厨でなければ、失業者でも、自殺志願者でもない。
だからカイジは藤原さんでいい。カイジは藤原竜也で一向に構わない層に見てもらえればそれでいいんだな。
だから吉高さんがヒロインでいいんだよ。棒読みかわいいじゃん。
だがちょっとまて。
その狙ってる観客層に、パチンコはねえだろ。
今世間ではむしろパチンコ店に近づくな、という流れにある。そのパチンコに向かって、カイジ一行が立ち向かうなんて、おかしくないか?
スカスカなので、裏カードを誰もが使えたり、うん千万円をペロンとカイジに託すのもいいさ。
だがその勝負の対象がパチンコとはあまりに狙ってる観客層に対し、きみたち
18歳過ぎたら、パチンコきてね、という絵になりすぎていないか?
前作から続編となると、「沼」になるのがまあ普通だろう。しかし、パチンコは少なくとも世間的にはただのギャンブル。
狙った層を考えると、やはり不謹慎ではないだろうか。
スポンサーに喜んで貰えないとダメ。映画は売れなきゃダメ。名作なんか作ってる場合じゃない。スクリーンに穴空けちゃいけない。レンタルDVDはズラっと並べないとウソ。
そうだよな。
だけどそれなら、その観客層に対しては、「沼」でなく「姫と奴隷」等オリジナルのみで、という暴挙に出ても、それはそれで暴挙ではなく、戦略だと思うんだよな。
だけど作り手は「沼」ととった。
作り手は
「原作厨、ボケっ!」
とか思いながら、やっぱり原作厨にも見てもらいたんだよなあ、結局。
しかしその選択が誰にとっても「保険」になってないというオチになった。
ま、実際なんでもそうなんだけどな。
役者について
カイジは全然OK。マンガはマンガ。東宝映画「カイジ」のカイジは藤原さん。
以上
ほか
なんつったって、パチンコである。そしてカイジの秘策はビルごと傾けることである。
全然絵にならねえ。目をつぶっていても問題ないよ。
原作厨にはその鑑賞法オススメ。