NOPE ノープ

劇場公開日:

解説

「ゲット・アウト」「アス」で高い評価を受けるジョーダン・ピールの長編監督第3作。広大な田舎町の空に突如現れた不気味な飛行物体をめぐり、謎の解明のため動画撮影を試みる兄妹がたどる運命を描いた。

田舎町で広大な敷地の牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。ある日、長男OJが家業をサボって町に繰り出す妹エメラルドにうんざりしていたところ、突然空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、直前まで会話していた父親が息絶えていた。長男は、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かす。兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、飛行物体の撮影に挑むが、そんな彼らに想像を絶する事態が待ち受けていた。

「ゲット・アウト」でもピール監督とタッグを組んだダニエル・カルーヤが兄OJ、「ハスラーズ」のキキ・パーマーが妹エメラルドを演じるほか、「ミナリ」のスティーブン・ユァンが共演。

2022年製作/131分/G/アメリカ
原題:Nope
配給:東宝東和

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映画レビュー

4.5あまりにも多層的でバケモノのようなエンタメ。

2022年9月30日
PCから投稿

初回にはストンと入ってこなかったチンパンジーとテーマパークのオーナー、デュープ(スティーヴン・ユアン)のエピソードが、二回目の鑑賞ではむしろこっちが本筋の人間ドラマのように感じられて、つくづく細かいところまで行き届いた脚本だと感心した。デュープは情けなくて可笑しくて、哀しくて可愛い。

また、見るものと見られるものの関係性、人種差別、ハリウッドの搾取の構造の批判と批評、テクノロジー面での映画史の読み直しなど、テーマは実に多層的で、それでいてとことんバカげた痛快ジャンル映画になっているのも素晴らしい。

そしてフルサイズのIMAX仕様という日本に2館しかないIMAXレーザーGT案件であり、バカでかいスクリーンに視線を縦横無尽に走らせる楽しさを久々に味わった。一方で、通常のワイドスクリーンの劇場でも観てみたら、それはそれで構図がみごとに決まっていて、従来の映画の安定感を堪能することができた。

フルサイズのIMAXとワイドスクリーンの映画が、上位下位や優劣の違いではなく、表現そのものが別物であることを改めて教えてくれるという意味でも、非常に有意義な作品だと思っている。

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村山章

4.5前2作に比べてスケールを増した異様な手触りと発想力が楽しい

2022年8月27日
PCから投稿

ホラーと他ジャンルとの間の壁を融解し、そこに鋭い社会批評眼に満ちた暗喩を絡ませてくるジョーダン・ピール作品。「空に何かがいる!」という直感的な発想と共に始まる本作は、前2作で常連だった製作者ジェイソン・ブラムの名が消え、撮影にはスケールの大きな作品を得意とするホイテ・ヴァン・ホイテマが加わっている点でいつもとやや趣きが違う。『ジョーズ』の海洋や『トレマーズ』の地中を丸ごと「空」へと置き換えたかのような恐怖の展開があり、所どころに『未知との遭遇』の影響も見え隠れする。それでいて映画史の1ページ目からずっとこの業界に携わってきた「動物」や「調教師」に関する視座を据えることで、奇妙な手触りが生まれている。さらには「西部劇」という要素も顔を覗かせるが、彼らがshootするのはライフルではなく、あくまでカメラなのが面白いところ。前2作ほどの鋭さはないが、今回も特異な語り口で観客を惹き込んでやまない。

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牛津厚信

4.0野生との遭遇

2023年3月12日
Androidアプリから投稿

種明かしをしてしまえば「な~んだ、そうだったの」ということになるのだが、そうやすやすと真意にたどり着かせてくれない作品を撮る映画監督ジョーダン・ピール。この映画ちょうどコロナが米国で猛威をふるっている真っ最中に撮られたらしい。それは、科学の力ではなかなか“飼い慣らす”ことができないウィルス(自然)の驚異を、皆がうっすらと感じていた時期に重なっていたのではないだろうか。その意味では非常にタイムリーな映画だったわけである。

雲間にチラチラと姿を表すGジャンの姿やラストシーンがあの『JAWS』とそっくり、との指摘が多い本作。サメやGジャンからしてみれば、単なる餌場にしか見えない海岸や牧場で食事をしていただけなのに、なんでみんな大騒ぎしてんの?黙って食われろや、と思っていたにちがいない。しかし、あるコメディ番組収録中に突如人間を襲い出した🐒や、柵を乗り越えて牧場から脱走した🐴のように、餌付けされておとなしくしていたGジャンの中に野生の血が突然蘇ってしまったのだ。ゴォォォォォーッ!

私も小学生の頃、目がたまたまあっただけのジャーマン・シェパードに突如追っかけられて死にそうな目にあったのだが、奴らにしてみれば小僧が生意気にメンチきってんじゃねぇよ、ということになるのだろう。その時、飼い主のオッサンが“ROPE”をしっかり握っていてくれたお陰で助かったことを、今でもしっかりと覚えている。何を言いたいのかというと、諸説あるタイトル『NOPE』の隠された意味とは、搾取の象徴であるROPEを嫌った『NO ROPE』にあると思うのだ。えっ、ウソだろ?!

Gジャンがあんなに嫌っていた連旗とはつまりROPEのオルタナティブであり、餌付けされ調教されることを意味する野生喪失のメタファーだったのではないだろうか。ジョーダン・ピールはそこに、白人に搾取される人種の問題を無理やり絡めたがために、ちょっと話がややこしくなってしまった。劇中最も緊張感が漂っていた回想シーンで、暴れまくった🐒がETタッチで唯一共感を示そうとした在米韓国人(スティーブン・ユアン)を主人公にしていれば、おそらく映画はもっとしまった内容になっていたことだろう。

映画の原点ともいわれるエドワード・マイブリッジによる動画『動く馬』のくだりや、主人公の調教師OJを演じたダニエル・カルーヤのカウボーイ風の演出は、はっきりいって“野生の暴走”という本作のテーマからは少しハズレているのだ。それは黒人映画監督ジョーダン・ピールが常々肌で感じているであろう白人社会からの差別&搾取が、頭から離れていない証拠といえる。俺たち黒人はお前ら白人にけっして調教されたりしない、逆に(俺が作った映画で)飼い慣らしてやるのさ、という自負がそうさせたのかもしれない。

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かなり悪いオヤジ

5.0解説を読みながら見たんだけど、メッセージ性が強くておもしろい作品だ...

2023年3月4日
PCから投稿

解説を読みながら見たんだけど、メッセージ性が強くておもしろい作品だった。
こういう映画ってどうやって作るんだろう?
伝えたいことを最初に思いついて、そこからストーリーを考えるのかな?
それとも逆?

私はひねくれてるから、下手な感動ドラマより、こういう伝え方をしてもらった方がよっぽど響く。
私は好きです。

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sk