八日目の蝉

ALLTIME BEST

劇場公開日:

八日目の蝉

解説

直木賞作家・角田光代の原作小説を、井上真央、永作博美の主演で映画化したヒューマンサスペンス。監督は「孤高のメス」の成島出。1985年、自らが母親になれない絶望から、希和子(永作)は不倫相手の子を誘拐してわが子として育てる。4歳になり初めて実の両親の元に戻った恵理菜(井上)は、育ての母が誘拐犯であったと知り、心を閉ざしたまま成長する。やがて21歳になった恵理菜は妊娠するが、その相手もまた家庭を持つ男だった……。

2011年製作/147分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2011年4月29日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第35回 日本アカデミー賞(2012年)

受賞

作品賞  
監督賞 成島出
脚本賞 奥寺佐渡子
主演女優賞 井上真央
助演女優賞 永作博美
音楽賞 安川午朗

ノミネート

助演女優賞 小池栄子
新人俳優賞 渡邉このみ
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10

(C)2011映画「八日目の蝉」製作委員会

映画レビュー

2.0オレは母親になれたのか

2011年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

萌える

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
しんざん

4.5逃亡は土台無理。。

2024年12月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

FOD にて初鑑賞。
原作は発売された頃読んで、NHK のドラマ版を視聴したことがある。(こちらのキャストは檀れい、北乃きい、坂井真紀、高畑淳子など)

何と言っても家庭があるのに浮気する男が一番悪く、女性達が傷ついて、痛ましく、涙が出る話だった。

他にも選択肢があったはずだ。でも、幼い薫(恵理菜)と過ごした短い時間が、希和子にとって人生で一番幸せな時だったのだろう。もう戻らない日々。

駆け込み寺的天使の家の辺りは、衣装のせいもあるかもだが、洋画のような雰囲気に見えた。

W主演のお二人は勿論のこと、この時の小池栄子の演技は良かった。

コメントする 1件)
共感した! 6件)
ふわり

4.0誘拐犯を母と慕った4年間、人生をめちゃめちゃにされた娘の20年。

2024年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

不倫相手の妻が妊娠して子供を産んだ。
一目見ようと訪ねた家のベビーベッド。
野々宮希和子(永作博美)に新生児は笑いかけた。
咄嗟に抱き上げて連れ去る。
希和子はこうして乳児誘拐逃亡犯になった。

逃亡生活は4年間で、希和子の逮捕で終わる。
実父母に戻された秋山恵里菜(薫=井上真央)は20歳に成長して、
実家を出てアパートで大学生としてアルバイトに明け暮れている。

過去(希和子との逃亡の日々)そして現在の恵里菜の生活が
交互に頻繁に行き来して描かれる。

薫(恵里菜)は実父母に戻されても、
「知らないおじちゃんとおばちゃんと暮らす自分」に馴染めず、
実母(森口瑤子)は、苛立ちを隠せず叱ったり怒鳴ったり、
恵里菜には安住の家はどこにもなかった。

その恵里菜が妻子ある予備校講師の男(劇団ひとり)の子供を
妊娠する。

そしてこの映画で重要な役割を演じる
ルポライターの安藤千草(小池栄子)が狂言回しとして、
物語を動かして行く。
この安藤が恵里菜に接触して来て、過去の記憶を聞き出し、
孤独な恵里菜の友達になって行くことと、
実際に4年間の希和子と薫の足跡を辿って行く。
駆け込み寺だった「エンゼルホーム」
そこから小豆島の製麺所。
希和子と家族写真を撮った写真館。
そうすることで、恵里菜の薫としての記憶は鮮明に蘇って来るのだった。

この映画で、悲しく無い人は誰もいない。
誘拐した希和子も、
誘拐された恵里菜も、
その実母も実父も、全てが不幸の中にいる。

題名の「八日目の蝉」の意味は、
蝉はこの世に孵化してから7日間しか生きられない。
もし8日目を生きる蝉がいたら、その蝉はただ一匹だけ、
みんなの知らない世界を見てしまう。
それが幸せなことなのか!不幸なことなのか?
その蝉が恵里菜(薫)なのだ。

恵里菜もまた不倫の子を妊娠する・・・
この設定はどうなのだろう?
千草と恵里菜の2人で育てると決めるけれど、そんなに簡単に
育てられるかも分からないし、少しエゴかな?とも思う。

薫にとって誘拐犯の希和子との4年間は、
もしかしたら宝物のような日々で、
母親に無条件に愛された記憶、
なかもしれない。
だがそれは、洗脳された、とも言えなくは無い。
(鮮烈な映画でした)

コメントする 5件)
共感した! 15件)
琥珀糖

5.0ラストシーンが圧巻

2024年11月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

10年前に観た映画の再鑑賞。
人によって語るべき論点や視座はたくさんあるだろうけれど、個人的に特に刺さった点について。

他人の子を拐って自分の子として育てた母。
「この子にもっと綺麗なもの、美しい景色をたくさん見せてやりたい」という思いは、親の持つ子への愛情そのもの。(個人的に10年の間に自分が親になり我が子に似たような感情を抱いたことから、より一層強く感じた。)
小豆島の美しい風景、伝統や文化。その風土に根付いた人々の暮らし。それらを映し出した映像の素晴らしさが、母と子のやり取りにに説得力を与えて、観る人の感情を揺さぶる(決して長くは続かないことが分かっている関係で、それを知っていたからこそなおさら響く)。海の前でじゃれ合って抱きしめ合っているシーンは、本当の親子であったらどんなに良かっただろうと心揺さぶられる。

憎むべき犯罪者と言い聞かされ封じ込めていた「確かに自分が愛されていた」という記憶。古い写真の現像液のネガから浮かび上がってくる描写。決して会うことが許されないその女も写真を取りに来ていたと告げられた事実。思わず坂道を走り出して、自分のお腹の子への愛情を吐露するラストシーン。
10年前に観たときから本当に良いシーンだなと感じたことを、今回また改めて感じた。
メリハリのついた脚本は秀逸で、難しい役どころを演じた永作さんと井上さんの演技は素晴らしい。本当に良い映画と思いました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
village