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吉永小百合「今日はこの空の上で、高倉健さんも見守ってくださっている」丸の内TOEIが65年の歴史に幕

2025年7月28日 11:30

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丸の内TOEI最後の舞台挨拶に登壇した東映株式会社代表取締役社長・吉村文雄と吉永小百合
丸の内TOEI最後の舞台挨拶に登壇した東映株式会社代表取締役社長・吉村文雄と吉永小百合

1960年9月20日に開業した映画館で、東映最後の直営館となる「丸の内TOEI」が7月27日に閉館し、65年の歴史に幕を閉じた。東映の吉村文雄代表取締役社長とサプライズで登壇した吉永小百合が、詰めかけたファンに感謝のメッセージを送った。

東映は、この日の閉館に向けて、5月9日から「さよなら丸の内TOEI」と題したグランドフィナーレプロジェクトを開催。この日までに108作品が上映され、観客動員4万6120人、興行収入7761万8400円という成績を収めた。作品にまつわるゲストによる舞台挨拶も行われ、北大路欣也大泉洋松田龍平斉藤由貴南野陽子浅香唯舘ひろし柴田恭兵仲村トオル野沢雅子藤原竜也水谷豊寺脇康文ら錚々たる顔ぶれが登壇してきた。

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一階席と二階席合わせて511席の丸の内TOEI(1)の最終上映作品は「動乱 第1部 海峡を渡る愛/第2部 雪降り止まず」(80)。上映前に東映最新作の予告編と本プロジェクトで実施しているクラウドファンディング(7月31日終了)を支援した人々の名前をエンドロールに刻んだ特別映像が流され、東映の吉村社長が登壇。

詰めかけたファンを前に「この劇場は、1960年9月20日にオープンしました。最初に上映されたのは『海賊八幡船』という時代劇でした。それから約65年にわたり、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症を乗り越えて、この銀座の地で映画を上映し続けてきました。ここまで続けてこられたのも皆様のご支援のおかげということで、改めてこの場を借りて御礼申し上げます。また、この丸の内TOEIを形あるものとして残したいということで、クラウドファンディングを実施しています。そちらにも1200人を超える皆様にご支援をいただいておりまして、大変有難く存じます。この劇場がなくなっても皆さまの記憶に残り続けるような存在でありますように、心から祈っております」と感謝の言葉を伝えた。

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そしてここで、これまで20作品もの東映作品に出演してきた吉永が登壇。サプライズでの登場に会場からはどよめきが起こった。昭和、平成、令和と渡って活躍を続け、東映映画の発展に多大なる功績をもたらしてきた吉永は「皆様、今日は丸の内TOEIの最後の日にこんなにたくさんいらしていただきまして本当にありがとうございます。お世話になったこの劇場で、この劇場のいろいろなセクションで働かれた方々に心からお礼を申し上げます。そして、このような形でご挨拶できることを嬉しく思います」と語り、ファンと劇場を支えたスタッフに感謝の気持ちを伝えた。

さらに「私が初めてここでご挨拶したのは、1980年1月15日。この『動乱』の初日でした。『動乱』で、映画づくりのすばらしさを心から感じました。1979年の冬からの1年間の撮影は、本当に素晴らしかった。スタッフの方たちも一生懸命で、高倉(健)さんとのラストシーンを撮り終えた時、真夜中ではありましたが、スタッフの方や高倉さんと皆さんで食事をして、健闘を称えあいました。もう一度、映画俳優として頑張ってみようと思えた、大切な大切な作品です」と撮影を振り返り、自身の心の内を明かした。

また、「いのちの停車場」(21年)の公開時、コロナ禍で東京で映画の上映ができなくなった時が一番つらかったと語る吉永は、「本当に悔しかったです。その後状況が落ち着いて、(これまで)約20本もの映画のご挨拶をここ丸の内TOEIで行わせていただいたことを覚えています。窓口で切符を買って、後ろの方に座って皆様がどのような反応をしてくださるのか、笑ってくださるかしら、それともしんみりしてくださるかしら、と思いながらこの劇場で観たことは、忘れられません。素敵な劇場でしたし、なくなってしまうことはつらいです」と、丸の内TOEIの閉館を惜しんだ。

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最後に吉永が「今日はこの空の上で、高倉さんも、森谷司郎監督も、岡田裕介プロデューサーも見守ってくださっていると思います。映画館で映画を見るすばらしさを私は忘れたくないですし、皆様にも、この劇場ではないですが、また映画館に足をお運びいただければと思っております」と挨拶すると、会場から盛大な拍手が沸き起こった。

その後、吉村社長は地下の丸の内TOEI(2)(座席数352席)へ移動。同スクリーンでの最終上映作「ONE PIECE FILM RED」の鑑賞に訪れた観客に「本作は、東映の歴代興行収入第一位、興収200億円以上を記録した作品です。『動乱』と同様に最後の上映にふさわしいということで、選ばせていただきました。もう一度このスクリーンで、感動を味わっていただければと思います。ぜひ、お楽しみください」と挨拶した。

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動乱」の最終上映が終わり、劇場の入り口前には吉村社長と映画興行部長兼丸の内TOEI支配人の小林恵司ほか劇場スタッフが立ち並び、足を運んだ観客をひとりひとり見送った。また、吉村社長は、丸の内TOEIが東映最後の直営館として、自社作品の興行だけでなく、銀座地区ひいては映画業界全体の盛り上げに貢献してきたことに触れ、「本日で丸の内TOEIは65年の歴史に幕を下ろすことになりましたが、これまでかわいがっていただいてありがとうございました。こんなにたくさんの方々に見送っていただけるということで、この劇場も喜んでいると思います。丸の内TOEIは本日で閉館となりますが、東映はこれからも皆さんに楽しんでいただける映画を作り続けて参りますので、また違う映画館で東映の映画を楽しんでいただければと思います」とファンに深く感謝した。

劇場前には多くのファンが詰めかけたが、その中には「子供の頃から『東映まんがまつり』で通っていた」という往年のファンや「閉館を知り、今日初めて観に来た」と語る若いファンの姿もあり、それぞれ丸の内TOEIの最後の姿を目に焼き付けていた。吉村社長の挨拶後、ガラス扉が閉まりロビーの照明が落ちると、詰めかけたファンから「丸の内TOEIありがとう!」「東映愛してる!」と声がかかるなど、感動的な終幕となった。

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吉永小百合出演(アニメーション作品・ナレーション等含む)東映映画20作品
龍の子太郎」(1979)監督:浦山桐郎
「動乱 第1部 海峡を渡る愛/第2部 雪降り止まず」(1980)監督:森谷司郎
天国の駅」(1984)監督:出目昌伸
夢千代日記」(1985)監督:浦山桐郎
玄海つれづれ節」(1986)監督:出目昌伸
華の乱」(1988)監督:深作欣二
天国の大罪」(1992)監督:舛田利雄
霧の子午線」(1996)監督:出目昌伸
蓮如物語」(1998)監督:葛西治
時雨の記」(1998)監督:澤井信一郎
長崎ぶらぶら節」(2000)監督:深町幸男
千年の恋 ひかる源氏物語」(2001)監督:堀川とんこう
北の零年」(2005)監督:行定勲
まぼろしの邪馬台国」(2008)監督:堤幸彦
手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-」(2011)監督:森下孝三
北のカナリアたち」(2012)監督:阪本順治
BUDDHA2 手塚治虫のブッダ 終わりなき旅」(2014)監督:小村敏明
ふしぎな岬の物語」(2014)監督:成島出
北の桜守」(2018)監督:滝田洋二郎
いのちの停車場」(2020)監督:成島出

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