ブライアン・デ・パルマの最狂サイコスリラー「悪魔のシスター」デジタルリマスター版、1月19日公開
2023年12月13日 18:00
巨匠ブライアン・デ・パルマの70年代最狂の作品「悪魔のシスター」デジタルリマスター版が2024年1月19日公開される。このほど、場面写真が披露された。
クエンティン・タランティーノやノア・バームバックはじめ、後世の監督たちにも大きな影響を与え、「ファントム・オブ・パラダイス」「キャリー」「スカーフェイス」「アンタッチャブル」そして「ミッション:インポッシブル」など、ジャンルにとらわれない数々の傑作で知られるハリウッドを代表する鬼才、デ・パルマ。同世代のスティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシらのようにエンタテイメント大作を手がけながらも、どこか変態的、偏執的ともいえるテーマを華麗な映像テクニック、そこに垣間見える愛や猛烈な悲哀をはらんだ物語で表現し、時に酷評されながらも世代を超えてカルト的なファンを増やし続けている。
「悪魔のシスター」は、日本で一番最初に紹介された作品であり、独特の“デ・パルマ・タッチ”やアルフレッド・ヒッチコックへのオマージュが早くも確立された、彼の原点ともいえる記念碑的作品だ。初のデジタルリマスター版上映となり、本格的なリバイバル上映も今回が初となる。
ニューヨークのスタテン島の住宅街に建つマンションの一室で起こった殺人事件に絡む、ある女性の衝撃的な過去。映画はサスペンスフルな演出と映像技術で、結合双生児の姉妹の謎を追いかけながら、流血と疑惑と恐怖が渦巻く世界へと突き進んでいく。主人公のダニエルを演じるのは、後に「スーパーマン」のヒロインを演じたマーゴット・キダー。結合双生児の姉妹の対比を見事に演じわけ、映画をいっそう神秘的に盛り上げる。ダニエルに倒錯的に執着する男エミール役には、「ファントム・オブ・パラダイス」のファントム役はじめ、「フューリー」「殺しのドレス」「ブラック・ダリア」などデ・パルマ作品の常連として活躍した怪優ウィリアム・フィンレイ。
音楽はヒッチコック作品「めまい」「北北西に進路を取れ」ほか「市民ケーン」「タクシードライバー」などを手掛けた名作曲家バーナード・ハーマン。公開当時「ヒッチコックの『サイコ』以来の最高の恐怖映画」「第一級のミステリー・サスペンス」と称賛されたスリラー映画でありながら、精神的、社会的に抑圧下におかれた女性映画という側面も持っている。
「悪魔のシスター」デジタルリマスター版は、2024年1月19日からシネマート新宿ほか全国順次公開。
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