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【トリビア解説】「耳をすませば」名曲の作詞をしたのはあの人の娘 実写版、ジブリパークなども紹介

2022年8月26日 21:05

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「耳をすませば」
「耳をすませば」
(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

宮崎駿がプロデュースと脚本、近藤喜文が監督を担ったスタジオジブリ作品「耳をすませば(1995)」が、本日8月26日の日本テレビ系「金曜ロードショー」にて放送中です。

この記事では「耳をすませば(1995)」にまつわる裏話、同じ原作漫画をもとにした実写映画、さらにジブリパークの最新情報などをご紹介します。


●目次
[あらすじと評価]
[声の出演]
[奇跡のタイミングでアフレコ]
[実は「コナン」のあの人も参加]
[原作からの変更点]
[「カントリー・ロード」の作詞をしたのは誰?]
[「猫の恩返し」とのつながり]
[“地球屋”が現実に]
[実写版]

【あらすじと評価】
画像2(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

月島雫は、明るく読書好きな女の子。中学3年になり、受験勉強に一生懸命な周囲をよそに、いつも学校の図書館や市立図書館で本を読みふけっていた。雫はある日、図書館の貸し出しカードに「天沢聖司」という名前を発見する。雫が読む本には必ずといっていいほど、その名前があった。やがて、雫は天沢聖司との出会いを果たすが、彼は中学を卒業したらイタリアへ渡り、バイオリン職人の修業をしようと決意していた。

雫は聖司に惹かれながらも、進路も将来も才能も全てがあいまいな状況のなか、自分へのコンプレックスと焦りに引き裂かれていた。やがて、雫は聖司の生き方に強く心を動かされ、聖司の祖父・西老人が経営する不思議なアンティークショップ「地球屋」にあった猫人形バロンを主人公にした物語を書き始める。

画像11(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

1995年7月15日に公開され、興行収入は31.5億円。「CHAGE and ASKA」の楽曲をモチーフとした短編アニメーション「On Your Mark」(こちらも名作!)と同時上映されました。芸能界でも人気が高く、映画.comの過去のインタビューでは声優の釘宮理恵さんが「何もかも素晴らしいと思う大好きな映画」、お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介さんが「ラストシーンが僕のなかで完璧」と、それぞれ好きな映画に挙げています。


【声優】
月島雫:本名陽子
天沢聖司:高橋一生
月島靖也:立花隆
月島朝子:室井滋
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵(バロン):露口茂
月島汐(雫の姉):山下容莉枝
西司朗(聖司の祖父):小林桂樹
夕子:佳山麻衣子
杉村:中島義実

【スタッフ】
原作:柊あおい
製作プロデューサー・脚本・絵コンテ:宮崎駿
監督:近藤喜文
プロデューサー:鈴木敏夫
音楽:野見祐二
主題歌:「カントリー・ロード」(本名陽子)/オープニングは「Take Me Home, Country Roads」(オリビア・ニュートンジョン)

ジブリ作品を支えてきた名アニメーター近藤喜文さんの長編初監督作であり、1998年に47歳で他界した近藤さんにとって、本作が最初で最後の監督作となりました。

画像10(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

【奇跡のタイミングでアフレコ】
画像3(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

天沢聖司の声優を務めたのは、映画「シン・ゴジラ」やドラマ「カルテット」「岸辺露伴は動かない」などで活躍する高橋一生さんです。公開当時14歳で、放送される度に今の低音ボイスとは異なる声にネットがざわついています。

以前同番組で放送された際の公式Twitterによると、当時の収録から1週間後くらいに声変わりをしたという、奇跡のようなタイミングで収録が行われたそうです。


【実は「コナン」のあの人も参加】

名探偵コナン」の江戸川コナン、「魔女の宅急便」のキキ/ウルスラなどで知られる高山みなみさんも本作に参加し、保健室の高坂先生を演じています。そのほか、「カントリー・ロード」の演奏シーンに登場する西司朗の友人・北をプロデューサーの鈴木敏夫さん、南を漫画家・イラストレーターの井上直久さんが担当。井上さんは本作の劇中劇「バロンのくれた物語」の背景美術を手掛けており、「イバラード」と名付けた異郷の世界を描くことで有名です。鈴木さんによると、宮崎さんが「イバラード」を気に入っており、鈴木さんが交渉したことで、井上さんの参加が決まりました(※)。

そのほか、ちらっと登場するキャラクターの声優も以下の通り豪華な顔ぶれになっています。

・テレビに映る野球中継の解説:江川卓
・担任の先生:岸部シロー
・数学の先生:笛吹雅子

【原作からの変更点】
画像4(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

柊あおいさんの原作漫画は、1989年に少女まんが雑誌「りぼん」で連載されました。漫画での雫は中学1年生、続編の「耳をすませば 幸せな時間」では中学3年生になった雫が描かれています。また、原作での天沢聖司は画家を目指している設定でしたが、映画では「カントリー・ロード」の使用にあわせてバイオリン職人に変更されたそうです。その他も原作には聖司のお兄さんが登場するなど変更点があるので、違いを楽しむのもおすすめです。


【「カントリー・ロード」の作詞をしたのは誰?】
画像9(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

「カントリー・ロード」を雫が恥ずかしそうに、でも段々楽しそうに歌う場面は、本作の名シーンの一つ。事前に歌と演奏を収録してその様子をビデオに撮影、その映像を参考にしながら作画担当者が絵を描いていく「プレスコ」という方法が採用されました。この3分2秒のシーンを作るために、半年間もかかったそうです。

劇中では雫が「Take Me Home, Country Roads」に自ら日本語歌詞をつけて歌唱する設定ですが、実際に作詞をしたのは鈴木敏夫さんの娘であり、当時雫と年齢の近かった鈴木麻実子さんです。宮崎駿さんが「鈴木さんの娘にやらせよう」と提案したそうで、締切日に帰宅した麻実子さんがわずか5分で書き上げたそうです(宮崎駿さんが補作)。(※)


【「猫の恩返し]とのつながり】
画像5(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

2002年に公開された「猫の恩返し」は、「耳をすませば(1995)」の雫が書いた物語という位置付けのスピンオフ作品です。猫の男爵バロンとムーンが2作に共通して登場していますが、バロンの声優は本作では袴田吉彦さんが担当。また、雫の声優を務めた本名陽子さんは、主人公・吉岡ハルのクラスメイト・チカ役を担当しています。


【“地球屋”が現実に】
画像6(C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

スタジオジブリ作品を題材にしたテーマパーク「ジブリパーク」が、愛知県の愛・地球博記念公園に開園します。施設内は5つのエリアに分かれ、11月1日に「青春の丘」「ジブリの大倉庫」「どんどこ森」が開業、その約1年後に残りの「もののけの里」「魔女の谷」がオープンします。

ジブリパークの「地球屋」正面
ジブリパークの「地球屋」正面
(C)Studio Ghibli

耳をすませば」は、メインの入り口となる「青春の丘」エリアに聖司の祖父・西司朗のアンティークショップ「地球屋」、ロータリー広場が再現されます。特に、地球屋の外観はかなり劇中の地球屋に近い再現度なので、内観にも期待が高まります。


【実写版】
画像8(C)柊あおい/集英社 (C)2022「耳をすませば」製作委員会

2022年10月14日には、柊あおいさんの漫画を実写化する映画「耳をすませば」の公開が予定されています。アニメーション映画でも描かれた中学生の甘酸っぱい青春時代はもちろん、完全オリジナルの10年後の物語も展開。雫を清野菜名さん、聖司を松坂桃李さんが演じるほか、杉村を山田裕貴さん、夕子を内田理央さんが演じ、主題歌はさんが名曲をカバーする「翼をください」。監督・脚本はドラマ「JIN 仁」「義母と娘のブルース」、映画「約束のネバーランド」などの平川雄一朗さんが務めます。


【金曜ロードショー今後の放送予定】
・9月2日 「るろうに剣心 京都大火編
・9月9日 「るろうに剣心 伝説の最期編
・9月16日 「マスク」(リクエスト企画第5弾)
・9月23日 「竜とそばかすの姫」(地上波初放送、本編ノーカット)
・9月30日 「アダムス・ファミリー(1991)」(リクエスト企画第5弾)
・10月7日 「アダムス・ファミリー2」(リクエスト企画第5弾)
・10月14日 「るろうに剣心 最終章 The Final」(地上波初放送、本編ノーカット)
・10月21日 「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(地上波初放送、本編ノーカット)
※【Podcast】2015/05/22 文春ジブリ文庫第9弾ジブリの教科書・シネマコミック「耳をすませば」インタビューより引用(http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol368.mp3)

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