On Your Mark
劇場公開日:1995年7月15日

解説
宮崎駿監督、原作、脚本、スタジオジブリ制作による短編アニメーション。CHAGE and ASKAのコンサートツアー用のプロモーションフィルムとして制作され、同監督作品「耳をすませば」の同時上映として劇場公開された。CHAGE and ASKAのシングル曲「On Your Mark」に合わせ、未来都市を舞台に警察官2人が羽の生えた少女を救出するSFアクション。
1995年製作/7分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1995年7月15日
宮崎駿監督、原作、脚本、スタジオジブリ制作による短編アニメーション。CHAGE and ASKAのコンサートツアー用のプロモーションフィルムとして制作され、同監督作品「耳をすませば」の同時上映として劇場公開された。CHAGE and ASKAのシングル曲「On Your Mark」に合わせ、未来都市を舞台に警察官2人が羽の生えた少女を救出するSFアクション。
1995年製作/7分/日本
配給:東宝
GEM Partners調べ/2023年1月|Powered By U-NEXT
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「耳をすませば」との同時上映で劇場鑑賞。
25年前にレンタルビデオ店で借りて一度観たきりの幻の作品を改めて観る。
1980年代後半〜1990年代の「セル画文化最後の残り火」と言っても良いレベルの高さ。
世界観も申し分なく、台詞は一切ない7分ほどのショートムービーだが、熱気が充分伝わってくる。
フリッツ・ラングやブレードランナーが好きならば比較してほしい。
あるオタクユウチューバーが良いと言うので見たが、いまいちかなぁどうしてだろう?
○ャゲ アンド ○スカが駄目なんだななぁ。彼等はデュオだけれども、ほぼハモらないので、好きになれない。
しかし、この発電所はチェルノブイリで、これは、ウクライナの地であることは間違いない。石棺で覆われた原発の周りで争っている。なんか、今の出来事の様だ。プロモーションビデオでなければ、満点上げるのだが。大変に残念。見るときは音を消して見ている。
チャゲ&飛鳥の楽曲「On Your Mark」のプロモーション・フィルムとして作られた短編アニメ。
放射能に汚染された世界を舞台に、囚われの身の天使?を、警官として働くチャゲ&飛鳥の2人が救い出そうと奮闘するSFファンタジー。
監督/原作は『となりのトトロ』『魔女の宅急便』の、後の国民的アニメ監督、宮崎駿。
まだ国民的作家として認知される前の宮崎駿に、PVの作成を依頼したチャゲアスの先見性は素晴らしい。
彼らが宮崎駿に依頼した結果、わずか7分間で圧倒的な世界観を構築した、短編映画の名作が誕生することとなった。
作品には一切のセリフはなく、チャゲアスの歌声に乗せてアニメーションが展開していく。
そのためストーリーは観客が画面上の情報を収集・解析した上で考えるしかない。
初めに「ジブリ実験劇場」と映されており、一見よくあるお姫様救出譚に見えるのだが、どうやらそんなに単純な物語ではないらしい。
舞台は放射能に汚染された世界。人々は地下に潜り生活せざるを得ない状況。
カルト宗教団体に殴り込みを仕掛ける警官隊。どう見ても正義の味方という感じではない。
信徒たちは警官隊によって皆殺しにされる。警官が倒れた女性の服の背中部分を掴み持ち上げ、ドサっと落とし、死亡していることを確認する。
服が持ち上げられたことで女性の服が広がり、まるで天使が羽を広げたように見える。
チャゲアスがアジトの奥に足を踏み入れると、そこには羽を持った少女が。
ゴミの中に、鎖に繋がれた状態で監禁されている。
全く生気を感じない…
直後、チャゲアスと少女がドライブしている場面に切り替わる。
少女が空へと舞い上がる…まるで死のメタファーのように。
するとまた場面は少女を発見した時に戻る。
チャゲアスが彼女を見つける。
今度はまだ息がある模様。
その後、放射線防護服に身を包んだ者たちが、彼女を放射能マークの書かれた遺体袋のようなものに入れ連れ去る。
彼女から放射線が感染るのを恐れている様子。おそらく彼女は地上の生物なのだろう。
それを見送るチャゲアスの2人。
しみったれた顔をしながら居酒屋で酒を飲む2人。
ここで彼女の救出を決意。
何やらルパンの様な小道具を作成し、彼女が捕らえられている研究施設へ。
彼女を救出し、トラックで逃走を図る。
ハイウェイを逃走中、警官隊に襲われトラックごと落下。
チャゲアスは彼女に飛ぶように指示するが、彼女は飛ぶことが出来ず、真っ逆さまに落下。南無…
するとまた場面が少女を発見したところに戻る。
再び彼女を救出しトラックで逃走、ハイウェイから落下するが、今度はトラックが空を飛んで逃走成功!
その後、オープンカーに乗って地上へ上がってきた3人。ここは一番最初に少女を発見した時に描かれた場面に酷似している。
「不保障生命」と書かれていることから、生身で外に出るとヤバいらしい。
穏やかな顔で大空へと飛び上がる少女。それを見送るチャゲアス。
上空から停止したチャゲアスの車を映しだし、カメラを引いていってエンディング。
一見明るいファンタジー作品のようだが、作品全体を覆っているのは濃い死の気配である。
クライマックスも、汚染された世界に生身で飛び出したんだから、チャゲアスが死亡した可能性だってある。
「On Your Mark / いつも走りだせば / 流行の風邪にやられた / On Your Mark / 僕らがそれでも止めないのは / 夢の斜面見上げて / 行けそうな気がするから」というサビの歌詞、流行りの風邪=放射能汚染と捉えているところに宮崎駿らしい意地悪さが現れている。
歌詞の通り、少女救出という夢に向け挑戦し続けるチャゲアスという風に捉えることも出来るし、少女は初めから死んでおり、チャゲアスの2人が少女救出を妄想しているという風にも捉えることが出来る。
放射能に汚染された地上の世界が、殺戮が蔓延る地下の世界よりも平和に見えるのは宮崎駿流のアイロニーか。
たった7分という時間の中に、ギュッと情報が濃縮されているので、観ていて疲れる💦
しかし、MVでこれほどの作品を作り出せるのだから宮崎駿という人間は恐ろしい。
作画のレベルも全く手を抜いていないし、シナリオも2時間の映画が余裕で作れそうなほど濃密。
日本の短編映画史に残る傑作!
※『ジブリがいっぱいコレクションSPECIAL ショートショート 1992-2016』のDVDで鑑賞。
当時は「よくもまあこんなのできたなあ」と驚きました。囚われた女の子を助けるってだけなので、映画的にどうこうはないです。アニメになった二人を見て「ホホウ」と言ってればよかったのです。