【全米映画ランキング】「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」が特大のヒットで首位デビュー
2021年12月22日 15:00

クリスマスに向け大作が続々と公開される全米興行。先週末は、大ヒットシリーズ最新作「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」が公開され、コロナ・パンデミック以降で最高のオープニング興収約2億5300万ドルを稼ぎだし、見事首位デビューを飾った。
この約2億5300万ドルのOP興収は「アベンジャーズ エンドゲーム」の約3億5710万ドル、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」の約2億5770万ドルに次ぐ歴代3位(確定後の成績では「ノー・ウェイ・ホーム」が約2億6000万ドルで歴代2位に)。さらに「スパイダーマン」シリーズはもちろん、ソニー・ピクチャーズ作品でも歴代1位を記録。全世界興収も公開3日間で6億ドルを超える最高のスタートを切った。公開前はオミクロン株の影響などで「ウエスト・サイド・ストーリー」の成績が伸び悩むなどハリウッドでもクリスマス興行の低調を心配する声もあったが、蓋を開けてみればコロナ禍以前を彷彿させるメガヒットとなり、「一強他弱」の状態ながら業界としてはスパイダーマンに救われる結果となった。
前作のラストでスパイダーマンであることを暴かれてしまったピーター・パーカーが、ドクター・ストレンジに助けを求め、自分がスパイダーマンだと知られていない世界にしてほしいと頼むが、ストレンジの魔術により、<マルチバース>(=他のユニバース、世界)から過去にスパイダーマンが倒した強敵たちを呼び寄せてしまい、世界が大混乱に陥るというストーリー。サム・ライミ監督の3部作からはグリーン・ゴブリン(ウィレム・デフォー)、ドック・オク(アルフレッド・モリーナ)、サンドマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)、マーク・ウェブ監督の2作からはリザード(リス・エバンス)、エレクトロ(ジェイミー・フォックス)が登場するなど、大盤振る舞いの布陣で作られた今作は、多くの批評家から「シリーズ最高傑作」の声が寄せられており、今後どこまで数字をのばすか注目を集めそうだ。
出演はトム・ホランド(=ピーター・パーカー/スパイダーマン)、ベネディクト・カンバーバッチ(=ドクター・ストレンジ)、ゼンデイヤ、ジョン・ファブロー、マリサ・トメイ。「スパイダーマン ホームカミング」「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」に引き続きジョン・ワッツが監督を務めた。
2位は前週と変わらず「ミラベルと魔法だらけの家」で累計は約8150万ドル。3位には前週首位だったスピルバーグ監督の「ウエスト・サイド・ストーリー」、4位には「ゴーストバスターズ アフターライフ」が続いた。
そして、約295万ドルのOP興収で5位デビューとなってしまったのが、オスカー監督ギレルモ・デル・トロとブラッドリー・クーパーがタッグを組んだ製作費6000万ドル超の大作「ナイトメア・アリー」。タイロン・パワー主演のフィルムノワール「悪魔の往く町」(1947)としても映画化されたウィリアム・リンゼイ・グレシャムによる犯罪小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」(扶桑社刊)を原作に、野心家の興行師スタン(クーパー)が悪女と出会ったことにより転落していく姿が描かれる。オスカー4冠のデル・トロ監督の前作「シェイプ・オブ・ウォーター」ほどでないにせよ、批評家からの評価は高い話題作だったが、「スパイダーマン」に客を取られたか、OP興収300万ドルにも満たない悪夢のようなスタートとなってしまった。共演はケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ルーニー・マーラ、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、ロン・パールマン、メアリー・スティーンバージェン、デビッド・ストラザーン。
クリスマスを迎える今週は、キアヌ・リーブス主演の大ヒットSFアクションシリーズ第4弾「マトリックス レザレクションズ」、人気スパイアクションのプリクエル「キングスマン:ファースト・エージェント」(マシュー・ボーン監督、レイフ・ファインズ主演)、そして大ヒットアニメの続編「SING シング ネクストステージ」などが公開される。(藤井竜太朗)

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