リーアム・ニーソンが大好きだ! おすすめ映画6選 「アイス・ロード」公開記念【映画.comシネマStyle】
2021年11月14日 14:00
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。
リーアム・ニーソンが主演したレスキューアクション「アイス・ロード」が11月12日から公開中。そこで今週は、「スター・ウォーズ」「96時間」など数多くの大ヒットシリーズに出演し、68歳の現在もアクション映画に挑み続けるニーソンを特集! 編集部メンバーがチョイスした、幅広いジャンルのおすすめ作品6本を、時代順にご紹介します。
▽【ユダヤ人を救うべく戦った起業家】目を覆いたくなるシーンもあるが、愚行を繰り返さないためにも直視すべき作品
「シンドラーのリスト」(1994年/195分/スティーブン・スピルバーグ監督)
第66回アカデミー賞で、スティーブン・スピルバーグが、4度目のノミネートにして初の監督賞を獲得したヒューマンドラマ。監督賞以外にも作品賞など7部門を受賞しました。ナチスによるユダヤ人大虐殺から多くの命を救った実在のドイツ人実業家オスカー・シンドラーを描いた名作です。
1939年、ナチスドイツ占領下のポーランド。戦争を利用して一儲けしようと狙うドイツ人実業家シンドラー(ニーソン)は、軍の幹部に取り入り、ユダヤ人の所有していた工場を払い下げてもらう。軍用ホーロー容器工場を立ち上げた彼は、安価な労働力としてユダヤ人たちを雇い入れ、事業を軌道に乗せていく。しかしナチスによるユダヤ人の迫害は日ごとにエスカレートし、ついに虐殺が始まる。凄惨な光景を目の当たりにしたシンドラーは、私財を投じて彼らの命を救うことを決意する。
なお、「シンドラーのリスト」と同時期にスピルバーグが作っていたのが「ジュラシック・パーク」です。
前者が人類史上最大の汚点のひとつとも言われるナチスのホロコーストを題材に、全編モノクロのドキュメンタリータッチで描いた重厚かつシリアスなドラマであるのに対して、後者は当時の最新のCGを駆使したバリバリの娯楽大作。とても同じ監督が撮った作品とは思えない正反対の作品です。両作品をご覧いただくと、スピルバーグがいかに天才か痛感することでしょう。
また、上映時間は195分ありますが、全編緊張感あふれる展開でその長尺をまったく感じさせません。実話の持つ重みもあって、目を離せなくなること必至です。
ニーソンが演じた物語の主人公は、自身もナチスの党員で、戦争に乗じて一儲けを企む実業家のオスカー・シンドラー。最初はユダヤ人を安価な労働力としてしか見ていなかった彼が、ナチスの非道を目の前にして、ユダヤ人を助けるため、自分の危険も顧みずに知恵と勇気を振り絞って立ち上がる姿は胸に迫るものがあります。
なお、扱うテーマがテーマだけに、何の罪もない人々が虫けらのように虐殺される姿や、死を予感して恐怖に怯える人々の姿も描かれており、正直、見るに堪えないシーンもあります。しかし、我々と同じ人間が犯した愚行を絶対に繰り返さないためにも直視すべき作品であり、悪魔のようなナチスから罪なき人々を守るために奔走したシンドラーの姿は、人間が本来持っているはずの強さ、優しさを感じさせ、美しくもあります。
本作をご覧になった方には、スピルバーグがテロとその報復の悪循環を描いた「ミュンヘン」もお薦めしたい。同作は、72年のミュンヘンオリンピック開催中に発生した、パレスチナゲリラのイスラエル選手団襲撃事件を受け、イスラエル政府が敢行した特殊部隊によるゲリラ暗殺作戦と、暗殺を司令された隊員たちの苦悩を描いた作品ですが、ユダヤ人のスピルバーグがパレスチナ人を一方的に断罪することなく、お互いの歩み寄りを求めるメッセージを込めており、非常に見応えがあります。ジェームズ・ボンドになる前のダニエル・クレイグやフランスを代表する名優マチュー・カソビッツ、オスカー俳優のジェフリー・ラッシュも出演しており、キャスティングも豪華なので是非ご覧ください。
▽【良き人間に生まれ変わろうとする男】ジャン・バルジャン 終盤、コゼットにかける名セリフに注目
「レ・ミゼラブル(1997)」(1997年/133分/ビレ・アウグスト)
仏作家ビクトル・ユーゴーが、ジャン・バルジャンの波乱万丈の人生を描いた不朽の名作「ああ無情」を、「ペレ」「愛と精霊の家」のビレ・アウグスト監督が映画化。ニーソンがバルジャン、ジェフリー・ラッシュが宿敵のジャベール警部、ユマ・サーマンが、バルジャンが出会うファンテーヌ、クレア・デーンズがその娘コゼットを演じています。
物語の始まりは、1812年のフランス。パンを盗んだ罪で、20年近く囚われていたジャン・バルジャンは仮釈放される。彼は寝床や食事を用意してくれた老司教(ピーター・ボーガン)のもとから銀食器を盗み、再び警察に捕まるが、司教の寛大な心に救われ、生まれ変わって新しい人間になろうと決意。それから9年後、市長となったバルジャンの前に、かつて彼に鞭をふるったジャベール警部が現れる。時を同じくしてバルジャンは、職を追われ、娼婦となったファンテーヌと出会い、病身の彼女を看護。やがて死期が迫った彼女に、娘コゼットを引き取ることを誓う。
いつの時代でも人間の善悪や正義の在り方を問いかけ、数々の映画やミュージカルへと姿を変えながら語り継がれている名作「レ・ミゼラブル」。ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライドが共演し、全編ミュージカルで描いた「レ・ミゼラブル(2012)」(トム・フーパー監督)が記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
ジャン・ギャバン、ジャン=ポール・ベルモンド、ジャックマンら、各時代の名優たちが演じてきた記憶に残るキャラクター、ジャン・バルジャン。ニーソンがバルジャンを演じた1997年版は、ミュージカルパートはありませんが、キャストたちの熱演に心揺さぶられる作品です。とりわけバルジャンとファンテーヌの心の交流や、成長したコゼットとの親子関係が、丁寧に描かれています。
刑務所で徹底的に痛めつけられ、尊厳を奪われ、何者も信じられなくなったバルジャン。自ら「獣のようだった」と語り、半ば死んでいるようだった彼が、老司教の慈悲の心で変わっていく。さらに、ファンテーヌを救いたいという思いが芽生え、彼女やコゼットへの愛に身を捧げ、生きる意味を知る……。終盤のあるシーンで、コゼットと過ごした日々に感謝するバルジャンのセリフに、涙が溢れます。何度見返しても、人間という存在の奥深さに胸を打たれ、そのたびに背筋が伸びるような作品です。
▽【怒れる父親1】娘を誘拐された元秘密工作員 子を思う時、父は無敵となる
リュック・ベッソン製作、ニーソン主演で描くサスペンスアクションシリーズの第1作目。
元秘密工作員のブライアン(ニーソン)は、家族との時間を取り戻すために仕事を辞めるも、別れた妻と娘とはすれ違う日々。そんななか、娘のキム(マギー・グレイス)が友人とパリに旅行中、人身売買組織に誘拐されてしまう。96時間後にはその行方を追うことは不可能となる。娘を救うため、ブライアンは元秘密工作員の知識、人脈、行動力で単身パリへと乗り込む。
子を思う時、父は強くなる。それが元々強い父の場合は無敵になる!というのがこの映画。我が子が心配で鬼電するパパ、そんなどこにでもいるパパが、子どもの誘拐犯に遭遇すると豹変。襲われる直前の娘に、お仕事モードで冷戦沈着に指示を出します。
「お前は今から捕まる」
子どもが誘拐されるのに、「なぜそんなに冷静なんだよ!」と思いましたが、その後の行動は怒れる父親! なりふり構わず娘のために、殺して殺して殺しまくる! 街中を壊しまくる! 全ては娘のために突き進む姿に、なんだか全て許してしまいそうになります(殺し、絶対ダメ)。
また、このシリーズは「96時間 リベンジ」「96時間 レクイエム」と続いていくんですが、もう誰もニーソンを止められない! シリーズを追うごとにどんどん彼のピンチ度合いは増していくにも関わらず、なぜか彼の活躍を安心して見られるというのが、このシリーズの楽しいところ。アクションフルスロットルのニーソンを見るのにおすすめの映画です。
▽【後戻りできない人生の後悔を胸に秘めた小説家】その横顔が、全ての真実を語っている
「サード・パーソン」(2013年/137分/ポール・ハギス監督)
「クラッシュ(2005)」「告発のとき」のポール・ハギスが監督と脚本を担ったミステリー。パリ、ローマ、ニューヨークを舞台に、3組の男女の物語が交錯し、やがて驚きの真相が浮かび上がります。
パリのホテルにこもり、最新作を執筆していたピュリッツァー賞作家のマイケル(ニーソン)は、野心的な作家志望の女性アンナ(オリビア・ワイルド)と不倫関係にあったが、アンナにもまた秘密の恋人がいた。ローマのバーで出会った女性モニカ(モラン・アティアス)に心を奪われたアメリカ人ビジネスマンのスコット(エイドリアン・ブロディ)は、彼女の娘が密輸業者に誘拐されたと聞き、助けようと決意する。ニューヨークに暮らす元女優のジュリア(ミラ・クニス)は、息子の親権をめぐって元夫と係争中。裁判費用を稼ぐため、女優時代に利用していた高級ホテルでメイドとして働き始める。
ニーソンが演じるマイケルは、エレインという妻(キム・ベイシンガー)がいながらも、アンナとの恋に溺れているという役どころ。観客がまるで小説の行間を読み、新たな事実を発見するかのように、アンナとのやりとり、エレインとの電話、時折映し出されるマイケルが執筆中の作品の断片などから、それぞれの置かれた状況や関係が、少しずつ紐解かれていきます。
観客は注意深く目を凝らしていたつもりが、少しずつ違和感が積み重なり、また3つの場所でのエピソードが不思議な重なりを見せ、やがて大きな流れのなかに取りこまれていたことを知ります。エンドロールに入った瞬間、またすぐにオープニングから見返したくなる、そんな作品。劇中ではたびたび、ニーソンの執筆シーンが映し出されます。後戻りできない人生の後悔と小説家の残酷な性を秘めた、作品と向き合うその横顔に、全ての答えが隠されているのかもしれません。
▽【怒れる父親2】息子の命を狙われたマフィアのお抱え殺し屋 ダメ親父でも息子のピンチには強くなる
「ラン・オールナイト」(2015年/114分/R15+/ジャウム・コレット=セラ監督)
「アンノウン」「フライト・ゲーム」と、ニーソンの魅力を十分に引き出してくれたジャウム・コレット=セラ監督が、彼と3度目のタッグを組んで製作したクライムアクション。
ニューヨーク、ブルックリンを縄張りとするマフィアの殺し屋ジミー・コンロン(ニーソン)は、これまでに犯した罪にさいなまれ、酒をあおることが唯一の慰めだった。家族からも疎まれるジミーだったが、ある時、息子マイク(ジョエル・キナマン)が殺人事件を目撃し、命を狙われる。間一髪のところで、息子を殺そうとした犯人をジミーは射殺するが、殺した相手は、マフィアのボスであり長年の友人でもあるショーン(エド・ハリス)の息子だった。ジミーは復讐に燃えるショーンから追われる身となり、ニューヨークを舞台に逃走劇を繰り広げる。
またも怒れる父親となったニーソン。今回は、殺し屋として多くの人を手にかけ、眠る間も過去の亡霊たちにうなされ、家族や自分の人生までも見捨てた男。そんな父親と離れ、反面教師として実直に生きる息子マイクも、マフィアの殺し合いの目撃者となって命を狙われるのです。そうなれば、どんなに家族を捨てたとはいえ立ち向かうのが、ニーソン演じるジミー。瞬時の判断で息子の命を狙った男を撃ち抜きます。アルコール中毒の男とは思えない寸分たがわない射撃はお見事!
しかし殺した相手が、大親友であり、ともに長年ブルックリンをおさめるために切磋してきたマフィアのボス・ショーンの息子だったため、さあ大変。息子を殺されたショーンは、ジミーにも同じ思いをさせるために、マイクを狙って殺し屋を派遣します。さらには、ショーンの息子が犯した殺人の罪をなすりつける工作をし、警察からも追われることとなるジミー&マイク親子。
親子で共闘するアクションシーンは必見ですが、マイクの手を汚させまいと、必死にひとり健闘するジミーの姿は、アクション作品なのに胸に刺さるものがあります。また、ジミーとショーンの苦しい憎しみ合いのドラマも、心熱くなるポイントです。ニーソンが苦渋の表情を見せながら戦う姿は、彼だから表現できる哀愁が込められたアクションシーンになっています。
▽【史上最大の内部告発者】ニクソン大統領を辞任へと追い込んだFBI副長官 静かなる戦い
「ザ・シークレットマン」(2017年/103分/ピーター・ランデズマン監督)
「ウォーターゲート事件」は、皆さんご存知でしょうか? リチャード・ニクソン大統領を辞任にまで追い込んだ世紀の政界スクープ。多くの人が耳にしたことがあるかもしれませんが、その裏で正義のため、自分の信念を曲げてまで、内部告発をした人物がいたことは、あまり知られていないかもしれません。そんな実在のFBI副長官をニーソンが演じたのが本作。
アメリカ合衆国史上初めて、任期半ばで辞任に追い込まれたニクソン大統領。その引き金となったウォーターゲート事件の捜査の指揮にあたった、FBI副長官マーク・フェルト(ニーソン)は、裏でホワイトハウスが捜査妨害をしていることを察知し、事件自体がホワイトハウスの陰謀によるものであることを悟る。大統領に忠実なL・パトリック・グレイFBI長官(マートン・ソーカス)に捜査協力が期待できないなか、フェルトは事件の真相を明らかにするため、大胆な決断を下す。
派手なアクションはないものの、大いなる敵に戦いを挑むニーソン。正義感が強く、人一倍FBIやアメリカに忠誠を誓っていた男が、敬愛するFBI長官の死、不穏なホワイトハウスの動き、変わっていくFBIの姿をみて、静かな闘志を燃やし、史上最大の内部告発に挑んでいく姿は、サスペンスドラマにも関わらず、まるでアクション映画を見ているようなワクワクドキドキ感も与えてくれます。
葛藤しながらも、政権へと挑んでいくフェルト。ニーソンの重厚な表情や立ち振る舞いが、よりその苦悩を滲み出させており、この史実の重みを、より深いものへと感じさせます。最近の作品とはまた違った雰囲気のニーソンを味わえる作品です。
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