ザ・シークレットマン
劇場公開日 2018年2月24日
解説
「ウォーターゲート事件」の全容と事件を内部告発したFBI副長官の姿を、リーアム・ニーソン主演で実話をもとに映画化したサスペンスドラマ。アメリカ合衆国史上初めて任期半ばで辞任に追い込まれたリチャード・ニクソン大統領。その引き金となったウォーターゲート事件の捜査の指揮にあたったFBI副長官マーク・フェルトは、なかなか進展しない捜査の裏にホワイトハウスが捜査妨害をしていることを察知し、事件自体がホワイトハウスの陰謀によるものであることを悟る。大統領に忠実なL・パトリック・グレイFBI長官に捜査協力が期待できない中、フェルトは事件の真相を明るみにするため、大胆な決断をする。フェルト役を「96時間」「シンドラーのリスト」のニーソン、妻オードリー役を「トスカーナの休日」のダイアン・レインが演じる。監督は「コンカッション」「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」のピーター・ランデスマン。「オデッセイ」「ブレードランナー」のリドリー・スコットが製作。
2017年製作/103分/G/アメリカ
原題:Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House
配給:クロックワークス
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2018年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
「96時間」で“中年アクション映画”の潮流を作って以来、その第2、第3作を含め似たような活劇に出続けているリーアム・ニーソン。でも思い起こすと、「シンドラーのリスト」の主演など、演技派として高く評価されていた俳優だ。もう65歳だし、そろそろ肉体酷使系は卒業でいいのでは。そして本作で、久しぶりにアクション抜きでニーソンの重厚な演技を堪能できた。
役作りなのか、病的なまでに絞った痩躯に、深く刻まれた顔の皺、鋭い眼光。強靭な意志と信念を感じさせる表情と台詞。サスペンス演出によりダークな緊張感が持続するなか、告発者に扮したニーソンの存在感がいぶし銀のように輝きを放つ。
ジャーナリスト出身で、「パークランド」「コンカッション」と実話を撮り続けているピーター・ランデズマン監督。その演出には、史実に含まれる劇的な要素を丁寧に抽出し、物語を通じて的確に観客に伝えようとする姿勢が感じられる。
2022年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
・2017年公開のアメリカの実話に基づく政治伝記映画。
・1974年にアメリカのニクソン大統領が辞任するに至るまでに発生した盗聴や証拠隠滅などの一連の政治スキャンダル「ウォーターゲート事件」を描いた作品。
・当時、FBI副長官だったマーク・フェルトを中心に物語は描かれます。フーヴァー長官の他界後、長官代理に任命されたグレイはニクソン大統領(≒政権)の息のかかった人とフェルトは認識。そんな中、ウォーターゲートビルに盗聴器が仕掛けられ、犯人は元FBIと元CIA関係者。彼らがニクソン大統領の再選委員会の関係者であることを突き止めるも、これ以上の捜査はグレイ(≒政権)の許可が必要と指示がでる。フーヴァー長官が亡き後、これまで保ってきた最も重要なFBIの独立性が失われてしまうことを恐れたフェルトはあらゆる手を使って(自身がディープスロート※になってでも)真相を突き止め、公にしようと翻弄する という大枠ストーリー。
※ディープスロートとは、ウォーターゲート事件について内部情報を記者に漏らした者のこと
・この映画はアクションなどありません。淡々と物語が流れていきます。それでも惹きつけられて、最後までどうなるのか気になって観てしまう映画でした。
[お薦めのポイント]
1.リーアム・ニーソンさんが彼に見えない
∟幾多のアクション映画に出演する彼とは全く違う表情を見せている。一気に老けたが渋さがありました。
2.知らなかった史実(ウォーターゲート事件)に興味を持たせてくれる面白さ
∟全然、知りもしなかった過去の一大事件を知れることがそもそも面白いです。今ではあり得ない、考えもつかないことが、過去には沢山起きていたのですね。それ自体が衝撃で調べたくなる魅力がありますね。
∟実際、少しだけウォーターゲート事件について調べましたが、結局、これが真実の史実なのか否かも曖昧に感じました。 理由としては、晩年には認知症となり、それから弁護士と娘さんが説得して、自身がディープ・スロートであったことを公表したらしいのですが、この記事だけみると「本当?」と思ってしまう隙はありますよね。他の誰かがいたのでは?とか。 ただ、この映画ではそんなことは関係ありません!笑 この物語を楽しむための筋書きはきちっとしていますし、観ていて「これが真実なのか!」と思えますし、映画としては非常に面白く感じます。 そもそも、それを調べようとさせてくれる、興味を持たせてくれる題材であること自体が素敵です。
3.正義とはやはり人が決めるもの
∟これまで信じて尽くしてきた組織FBIが「政権に支配され腐敗していくかもしれない」という危機感から、ある意味、ご法度なことまでやってしまうフェルトさん。これが「正しいのか間違っているのか」というところでこちらも葛藤してしまいます。 しかし、彼を取り巻く人間模様を見ていると、その疑念が払拭されます。仮に彼の「正義感」が間違っていたとしても、それを信じてサポートする周囲の人間がいる。これこそ、彼がこれまで培ってきた信頼関係と彼自身が認められた人間性(人のよさ)。 故に、物語の行く末としては観ていて納得のいくものとなりました。(もちろん、冷静に考えれば、それしていいの?という意見ももちろんあるかと思います笑) この「正義とは?」という哲学を「独立性を保つ重要性」という物語を軸に、魅せられた気がしました。
・総じて、アクションなど全くないドラマ映画でしたが、学ぶものがしっかりと込められた映画で、一度観れてよかったと思いました。ありがとうございました。
#映画 #ウォーターゲート事件 #マークフェルト #伝記 #政治 #ドラマ #アメリカ映画 #ピーター・ランデズマン監督 #リドリー・スコット製作 #リーアム・ニーソン #FBI
#全体3.4 #物語3.4 #演出3.4 #演技3.4 #配役3.5 #映像3.4 #音楽3.4
2021年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
盛り上がるシーンなんて皆無のひたすら暗い手抜き映画。
配給はソニーピクチャーズクラシックとなっています。ソニー絡みの映画はたいていの場合、くっだらない下ネタ、下品なセリフ、汚い排泄物等のオンバレードなのですが、この作品ではそういうのはありませんでした。この点は良いことなのですが、ただただひたすら暗い部屋、道路、車の中でシリアスな顔で延々と会話が続きます。他にあるとしたら、ヘリコプターから撮影した風景だけです。それ以外のほとんどはいくつかの部屋内で数人のおっさんが会話や電話をしてるだけです。ほとんどが5人以内が集まって会話してるだけです。
要するに会話だらけで100分程度の作品のほとんどを埋めて、制作費の削減を図っている手抜き作品で、ソニー系映画にありがちな作品となっています。
とにかく面倒なこと、金のかかることはせずに、100分以上の映画を1本作りある程度の収益を得るということだけを考えて作っている作品です。最近はソニーの技術でどんな国のどんな場所でも合成した風景と人物を組み合わせて作品を作れるようになってるようなので、ますますカスみたいな作品が出来上がることでしょう。
見どころなんて一つもないです。会話だけなら文章だけ見たらいいだけですね。一つだけいい点は、主役の声優が菅生隆之という聞き取りやすい一流声優だったことです。
2020年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
自分の正義を貫くのか、それとも愛着ある組織を守るのか。
ウォーターゲート事件についてはよく知らなかったけど、
「やりたい事」と「すべき事」が相反する葛藤を描いていたかなと思う。
しかし、時の大統領がこんな事件にかかわっているとは…
時代ってことなんですかねえ。
すべての映画レビューを見る(全63件)